(写真=Denis Belitsky/Shutterstock.com)

将来海外に住むならiDeCoよりも「つみたてNISA」にする理由

FP Cafe「みんなのマネー相談」

今回、FP Cafe「みんなのマネー相談」に投稿された相談は、
「7年間海外で生活し、昨年帰国。将来海外に戻る可能性がありますが、リタイア後に備えるため、iDeCoの加入を検討した方が良いですか?」

というもの。

ファイナンシャルプランナーの中村芳子さんによれば、「iDeCo への加入はお勧めしません」とのこと。果たしてその理由は?

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▼相談者プロフィール
年齢:相談者 46歳、独身
職業:正社員
住居:賃貸
希望:将来は海外に移住したい、リタイア後の資金を貯めたい

今回の相談内容(京都府 40代 Hirokoさんからの投稿)

●将来海外に戻る場合、iDeCoに加入しない方が良い?

7年間海外で生活し、昨年帰国したところです。リタイア後に備えるため、iDeCoの加入を検討しているのですが、 将来海外に戻りたいという希望があり、加入することにメリットがあるのか悩んでいます。

海外へ戻るタイミングですが、できるだけ早くという気持ちはありますが、 現在ビザの発給が難しいため、ハッキリとはいえない状況です。

仮に加入期間が結果的に短くなったとしても加入するほうがいいのか、 他の方法がいいのか、教えていただけますでしょうか?

ファイナンシャルプランナー中村芳子さんのアドバイス

●非居住者になった場合、iDeCo への積立も引き出しも不可

こんにちは、ファイナンシャルプランナーの中村芳子です。

近い将来、海外への移住を希望しておられるのですね。

原則的に非居住者になった場合、iDeCo への積立は出来なくなります。かつiDeCoの引き出しは60歳以降という条件があるので、それまでは引き出せません。ただし、その間、運用指図者として運用内容の変更をすることはできます。

老後の資金を貯め始めたい、という気持ちはわかりますが、現在のように将来の見通しが立たないときは、あせらないほうがいいですね。待ちましょう。

今後、どんなタイミングで、どの地域に、何年間住むのか。

どんな仕事をするのか、収入はどのくらいか、生活費はどのくらいかかるか。その国での年金制度や勤め先の制度はどうなっているのか、などの条件がわかった時点で、トータルな貯蓄の戦略をたてるのが賢明です。

●非居住者になったら、つみたてNISAなら積立はできないが引き出しは可能

iDeCo へのすぐの加入はお勧めしませんが、代わりにつみたてNISA を始めてはいかがでしょう。つみたてNISAも非居住者になると非課税の特典がなくなり、積立の継続は出来なくなりますが、それまでの間は、利益への非課税のメリットを受けることができ、非居住者になるときには、引き出すことができます。そのときの状況に応じて預け替えたりすればいいのです。

私も海外に住んだことがあります。また、そのときも現在も、海外在住の日本人の方のマネー相談を、スカイプでお受けしています。 将来、Hirokoさんのお役に立てることもあるかもしれません。そのときはご連絡ください。

海外に住んで働くこと、大変なこともたくさんありますが、日本では味わえない喜びも体験できますね。ぜひ夢を実現させてください。

●将来のために、いまやるべき4か条

これからの状況の正しい情報、ただしい見通しに基づいた、長期的な戦略が必要です。あせると、返って損をしてしまいます。 海外への転出届けを出さない限りは、居住者として各種の制度を使い続けることができるので、そのあたりの見極めも大切です。 あせらない、あせらない。

将来のために、いまやるべきは、以下のことです。

(1) 借金をしない。もし、あれば返してしまう
(2) 日本の公的年金にはきちんと加入しておく
(3) できる範囲で貯金をしておく
(4) 使っていない銀行口座、証券口座、クレジットカードは解約する

Good Luck and God Bless!

中村 芳子
(有)アルファアンドアソシエイツ代表
日本の女性ファイナンシャルプランナーの第1号。お金の著書20冊以上。むずかしいお金のことをやさしく解説するのが得意。辛口だが優しいアドバイスに定評がある。現在は、女性とカップル、外国人のお金の相談に力を入れている。証券会社、銀行などのアドバイザーもつとめる。著書は「いま、働く女子がやっておくべきお金のこと」(青春出版社)「結婚したら、やっておくべきお金のこと」「20代のいま、やっておくべきお金のこと」(ダイヤモンド社)、「いま、働く女子がやっておくべきお金のこと」(青春出版社)など多数。FP Cafe登録パートナー

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