(画像=Dragon Images/shutterstock.com)

なぜ保険商品を「貯蓄目的」にしてはいけないのか?

ど素人がはじめる資産運用(2)

「資産運用って何?」「どうやって増やしたらいいの?」というような人にとって、保険商品は1つの選択肢になるのではないでしょうか。しかし、保険商品は保障がある分増やしにくいのも事実なのです。ここでは、そんな保険商品の仕組みと保険で運用する時に気をつけるべき点を解説します。

この記事は書籍『超ど素人がはじめる資産運用』(風呂内亜矢著/翔泳社)の内容を抜粋したものになります。

【『超ど素人がはじめる資産運用』シリーズ】
減っても大丈夫?金融商品は「リスク」重視で選ぶ
なぜ保険商品を「貯蓄目的」にしてはいけないのか?
長期的な資産運用にFXが向かない理由とは
保険かけすぎ?効果を2つに分けて考えてみる
株初心者なら20万円で「2〜3銘柄」を売買しよう

※以下、書籍より抜粋

保険商品の仕組みを知ろう

●貯蓄を目的とした保険商品

貯蓄を目的とした保険商品で資産運用を行う方法があります。自分で投資の判断をしなくてよいメリットもありますが、構造上、保険料すべてが運用に回らないことも知っておく必要があります。

いざという時を保障するのが保険商品の本来の目的であるため、毎月支払う保険料のすべてが投資の元本にはなりません。例えば1万円支払った保険料のうち、投資に回るのは7000円だけ、ということもあります。残る3000円は保障をするための費用や、商品を維持・運営するための経費として使われます。

●期間を経ることで増やして返す

「30年後の解約返戻率(へんれいりつ)は110%」といった商品は、かけた保険料より多く受け取ることができる設計になっています。

当初支払った保険料から経費を差し引くと元本は割れますが、30年という時間をかけることで運用して増やし、払い込んだ保険料よりも多く受け取ることができます。自分で資産運用を行うのが苦手な人にとっては、頼もしい存在です。

しかしこうした商品を選択する場合、解約返戻金(へんれいきん)が100%を上回るのはいつなのか、そこまで保険料を支払い続けられるのかを考える必要があります。

合理的に考えるのであれば、保険商品であるが故の経費(今回の例だと3000円)を支払わず、自分で金融商品に直接投資をするほうが資産を増やすことができます。

保険の本当の目的は保障であることを忘れてはいけません。

保険で運用ってどういうこと?

●運用利率が固定のものと変動のもの

終身保険、学資保険、個人年金保険などは、貯蓄目的で契約されますが、その貯蓄部分の運用利率が固定されているものと、変動するものがあります。

固定されているものを選択する時は、いつまで加入すれば支払った保険料を受取額が上回るかをチェックすれば判断がしやすくなります。

変動するものには、自分で運用商品を選択するものや、外貨建てで運用されて為替レートの影響を受けるものなどがあり、日本円に換算した際、支払った保険料を上回るとは限らないものもあります。

保障と資産運用を兼ねられるという意味では、変動型の保険商品を便利と感じる人も多いですが、自分で商品を選んだり、円に換算したりするタイミングを判断しなければならないのであれば、直接金融商品を利用するほうがシンプルでしょう。

●利率固定商品のデメリット

利率が固定されていて、数年後には解約返戻率が100%を上回るものであれば、おおむね有利なように感じます。しかし、注意をしなければいけないのは、金利の水準が低い時に契約した保険商品は、その後、景気がよくなるなどして金利水準が高くなっても利率は契約時のままになるという点です。

低利率の固定型商品をたくさん契約してしまうと、もっと有利な商品が現れた際、そちらに現金を充てることができないことになります。

保険で運用をする場合、固定型を選ぶのが無難ですが、大きな金額を集中させないようにしましょう。

【『超ど素人がはじめる資産運用』はこちらから】
画像縮小

風呂内亜矢
1級ファイナンシャル・プランニング技能士。CFP認定者。26歳の時、貯金80万円しか持っていないにもかかわらず、マンションを衝動買いしたことをきっかけに貯蓄、資産運用をスタートする。株式、外貨預金、投資信託などを行い、夫婦で4部屋のマンションを保有して賃料収入も得ている。テレビ、新聞、雑誌、書籍を通して、お金に関する情報を発信している。

▲TOPページへ

この記事をシェアする

個性的な連載で「投資」を身近に

一つのテーマを深掘り、おすすめ特集