(写真=筆者撮影)

バブル崩壊に負けない株投資とは?日本経済と仮想通貨の未来【セミナーリポート】

人生100年時代に私たちが考えておくべきこと

人生100年時代。貯金をしてもなかなかお金が増えないから投資をしてみようかな、と考えている働く女性は最近、増えているようです。

中でも株式投資は、私たちにとって身近な企業に直接投資をできることや、大きなリターンを期待できるかもしれないことなどから、興味を持つ女性は多いです。ただ、「きちんと勉強しないと損をするのでは」と、なかなか一歩を踏み出せないという声もよく聞きます。

金融知識がほぼない働く女性が投資で心がけておくべきことは?ヒントになればと、マネックス証券赤坂オフィスで開催された、大学生向けセミナーに足を運んでみました。

※本記事は2018年4月13日にマネックス証券赤坂オフィスで開催された大学生向けセミナーの内容を編集したものです。

株価は2017年から高値で推移中。バブルなの?

セミナー前半は、マネックス証券チーフ・アナリスト 兼 マネックス・ユニバーシティ長 兼 仮想通貨研究所所長の大槻奈那さんの講演です。

大槻さんはまず、現在の世界全体の株価の状況について紹介してくれました。昨年は世界的に株価が上がり、今年も高値圏で推移をしています。つまりは「バブルかもしれない」という懸念があるのです。

大槻さんは、スクリーンに4パターンの、過去の株価チャートを映し出しました。株価チャートとは、株価の動きをグラフにしたものです。日米どちらかの株価指数ということ以外は、年代なども隠してあります。

「このうち3つはその後大幅に下落しました。でもひとつだけ壊滅的な暴落に至らなかったものがあります。それはどれでしょう?」

株式投資, セミナー (写真=筆者撮影)

株価が暴落しなかったグラフとは?

正解はこちらです。画面左下「C」は、一度は下げたものの大暴落はせず持ち直しました。

株式投資, セミナー (写真=筆者撮影)

「日本の、1960年代の株価です。この時期は高度経済成長期ですね。株価チャートの形から推定するのは難しかったかと思います」

おっしゃる通りで、筆者は、チャート分析の方法を思い出して推論しましたが、見事に外しました。

「どのチャートも、こんな上がり方をするときはバブルであることが見てとれるわけですが、例外は『ファンダメンタルズ』。つまり、基礎的な力の強さ、元々の企業の価値、経済の足腰の強さがある場合は別です」

本来の価値によって上がっているなら、バブルではない場合もあるということなのですね。

不動産、仮想通貨にも資金が流れる

株高の日本、アメリカ、イギリスよりもはるかに株価が上昇しているのが新興国。そのなかでもインドの株価指数は急上昇しています。

株式投資, セミナー (写真=筆者撮影)

でも、そのインドとアルゼンチンを比べた場合、アルゼンチンの株価指数はインドの比べ物にならないほど上昇しています。

株式投資, セミナー (写真=筆者撮影)

「アルゼンチンは何度も債務不履行を起こしている、投資リスクの高い国です。ところがそこにもどんどんお金が流れている。それがここ最近の世界の株式市場の特徴です」

債券、不動産にもお金が流れています。

「香港ではテスラ社のスポーツカーが1台入る程度のマンションの部屋が5000万円するという、皮肉めいた記事がありました」

株式投資, セミナー (写真=筆者撮影)

ちなみにニューヨークの平均マンション価格は2.7億円。日本でも、マンション価格は上がっていますが東京23区の一戸あたりの値段は7000万円ほどです。

上がっているといえば、忘れてはならないのが仮想通貨です。

「仮想通貨は2009年から取引が始まり、色々な要素がありますが去年急速に価格が上昇しました。下落しているものの、例えば去年の今頃と今年を比べると価格は6倍です。ここでも行き場がなくなったお金が、結果大きなリスクを取っていることがわかります」

結局はファンダメンタルズで判断

株式投資, セミナー (写真=筆者撮影)

本来のファンダメンタルズから離れて上昇している資産は、いつか下落します。でもどれがバブルかは意見が分かれ、過ぎてからでないと誰にも分かりません。バブルを招く原因を探る方法としては、行動経済学などの分析も欠かせません。

「価格がなぜ行きすぎてしまうのか、なぜ上昇が止まって下落してしまうのか。人のメンタルの面に注目した色々な研究も行われています。株式市場は、基本的には企業が業績を上げていけば、デフレといった影響がなければ上昇していくものです。それが大きく崩れる暴落を回避するということが鉄則なわけですが、チャートだけで見るのは難しく、さらに色々な心理バイアスもあります」

株式投資, セミナー (写真=筆者撮影)

結局、暴落しても、ファンダメンタルズの強い市場、銘柄は価格が戻ってきやすいので、そういったときに投資機会があるといえます。

「ではどんな銘柄がファンダメンタルズに強いのでしょうか。それについては益嶋が様々な角度からお伝えします」

投資は「手段、でもおもしろい」

株式投資, セミナー (写真=筆者撮影)

続いて登場したのは同社マーケット・アナリスト 兼 インベストメント・アドバイザーの益嶋(ますしま)裕さん。大学生たちに伝えたいのは、投資はあくまでもお金を貯める「手段」、でも「おもしろい」ということだそうです。

「私がお客様にもすすめているのは、ハワード・マークスという方が書いた『投資で一番大切な20の教え』です。投資家のウォーレン・バフェット氏が推薦しており、投資を甘く見るな、ということがこの本の最初のメッセージです」(益嶋裕さん。以下、カッコ内は益嶋さんの発言)

株式投資, セミナー (写真=筆者撮影)

「ハワード・マークスさんのメッセージは本質的価値ということですが、これは先ほどお話した『ファンダメンタルズ』が関係してきます」

企業が利益を上げ続けることが大事

株式投資, セミナー (写真=筆者撮影)

益嶋さんが示したのが、2010年からの日経平均株価と、一株あたりの利益であるEPSのチャートです。

「2013年以降は利益と連動して株価が大きく上がったことが分かります。私個人としては、アベノミクスによって円安が進み企業の利益が増えだしたからだと思っています。ちなみに2018年3月期日本企業の利益は史上最高です」

次に個別の事例として、学生に馴染みの深い回転寿司、ユニクロを始めとしたファストファッション、輸出企業の代表である自動車業界などの企業の、業績と株価の比較が行われました。

例えば、トヨタ自動車、日産自動車、スズキの自動車大手3社と日経平均株価の推移を比較したグラフでは、2017年まではほぼ同じ動きだったのに 2017年を境にスズキが上がり出しているのが分かります。

株式投資, セミナー (写真=筆者撮影)

「理由は、3社の利益を比較してみると分かります。北米市場向けが多いトヨタや日産の株価は、伸びがいまひとつのところ、スズキは新興国で売上を伸ばして利益を出しており、それが株価に反映されているのです。ウォーレン・バフェットも、企業が利益を上げていることが大事だと言っています」

株価は長期的には業績に連動する

「株価のすごいところは、長期で見ると業績に連動していること。それがマーケットの一番面白いところだと思います」

未来を予測するためには企業の本質的な価値を分析することが大事ですが、それにはたくさんのことをしなければなりません。

「全部見ていくのは大変だと思いますので、自分の興味のある分野だけを見る、でもいいと思います。それによって視野が広がるのは、若い人にとってお金より価値のあることなのではないか、と個人的に思っています」

最後に益嶋さんは、「個別株投資が大変そうなら、投資信託という方法もありますね」と、投資信託でコツコツと資産づくりする方法もあると教えてくれました。

株式投資, セミナー (写真=筆者撮影)

質問1「仮想通貨の変動幅はなぜ大きい?」

続いて、質疑応答の時間が設けられました。まず「仮想通貨は、株式に比べてなぜそんなに値動きが大きくなるのでしょうか?」

「本質的な質問ですね」と大槻さん。大槻さんが挙げたポイントは3点です。

まずマーケットが小さいことです。世界中の仮想通貨の価値は現在40兆円程度で、多額の資金を持った投資家が売買することで、マーケットが影響を受け、結果として値動きが荒くなってしまいます。「市場の流動性が低い状態」なのです。

2番目は、仮想通貨に関しては「ファンダメンタルズが分からない状態」です。通常、機関投資家が投資をするときは、その資産の根源的な価値を予想し、そこから割安、割高を判断して売買します。

価格が下がっても、本来の価値より割安と判断すれば買いのチャンスとなるわけですが、仮想通貨は適正価値か定まっていない中での売買のため、少しの下落でも怖くなり、売る人が増える可能性もあります。

そして季節的な要因です。アメリカの個人所得税の申告時期には、税金を払うために仮想通貨を売って法定通貨に交換する人が増えてマーケットが動きました。それだけの要因で相場が動いてしまうのは、マーケットが小さいからでもあります。

質問2「お金はどこで余っているの?」

セミナーでは世界にお金があふれているという話しがありましたが「自分の周りでは、お金が余っているように見えない」という質問もありました。

「今、最もお金を持っているのは企業ですよね。貸借対照表を見ると、企業の現預金は、過去最大になっています」と大槻さん。

業績はいいので、将来への不安がなければ配当として株主に払い戻す選択もありますが、「この先、何となく景気が悪くなるのでは」と予想すると、それもできません。また金利が安すぎるために、投資する先がないのも事実です。

もう一つの要因としては、よく言われるように高齢者の預金が増えていることです。「若い人の手元には、お金はなかなか回ってこない現状なのかもしれません」

株式投資, セミナー (写真=筆者撮影)

マクロとミクロの視点をバランスよく

ニュースで見聞きする経済の話は、遠すぎて、自分の投資にどう落とし込めばいいのか、分かりづらい面があります。

世界規模での経済から、ファンダメンタルズの重要性の話へとつながるセミナー内容、さらに学んだ内容を身の回りの疑問とつなぎ合わせて、自分のものにしようとする大学生の「質問力」にも、とても学ぶものがありました。

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