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税理士に教わった「副業の確定申告」にまつわる6つの勘違い

「何でも経費にできる」と思っていませんか?

2017年分の「確定申告」がはじまっています(3月15日まで)。会社員の場合、給与から天引きで源泉徴収され、納めすぎていれば会社が年末調整してくれるので、「確定申告は自分には関係ない」という人も多いですよね。

ただ、シェアリングエコノミーで手軽にサイドビジネスが可能になり、副業を解禁する企業も増えています。副収入を得るとなれば、確定申告が必要な場合も出てきます。

仮想通貨、フリマ、マンション投資など、ポピュラーな副収入、副業にかかる税金と、ありがちな「勘違い」を税理士が解説します。

(やまと総合会計事務所、片山武蔵氏)

※本記事は2月16日開催された「MFクラウド確定申告カフェ @BOOK LAB TOKYO」の第1部、「税理士が教える確定申告ノウハウ」(やまと総合会計事務所、片山武蔵氏)を編集したものです

勘違い1「仮想通貨は出金時に課税されている」

確定申告, 勘違い, 副業 (写真=筆者撮影)

確定申告シーズンの今は、税理士が最も忙しい時期。

「今年は何といっても仮想通貨に関する確定申告の相談が非常に多いですね」(以下、カッコ内は全て片山武蔵さんの発言)

仮想通貨に関する税金でよくある間違いとしては「取引所から出金するまでは課税されないと思っている」ことが挙げられます。

正しい課税のタイミングは、仮想通貨を売って円に戻したとき、別の仮想通貨に交換したとき、仮想通貨でものを買ったとき、などの「出口」です。

さらに、仮想通貨の取引は、株式のように特定口座があって証券会社が年間の損益を計算してくれる、といった仕組みもありません。2017年の取引があったら、取引の明細をダウンロードして、すべて自分で計算する必要があります。

「仮想通貨の取引で利益が出たら、基本的には所得税の中の『雑所得』として課税されます。株式などのように分離課税でなく、給与などの所得と合算されます。所得税は所得によって5~45%、住民税は一律10%ですから、利益に対して最大の税率が55%になります」

また税金の支払いはもちろん仮想通貨ではできません。特に、翌年の6月という、忘れた頃に来る住民税の納税資金不足には、注意が必要です。

勘違い2「20万円に満たない雑所得は申告不要」

確定申告, 勘違い, 副業 (写真=筆者撮影)

ところで、年間の給与が2000万円を超える、2カ所から給与の支払を受けている人などの例外を除いた、もともと確定申告が不要な給与所得者の場合、雑所得は年間20万円を超えなければ非課税となるので、確定申告は要らない――そう聞いたことがある人もいるでしょう。ところが、そこにも落とし穴があるそうです。

「それは所得税だけの話です。住民税についてはすべての収入を合算して計算しますので、住民税の申告は収入の額に関わらず必要です。これは、なぜかネットで検索してもあまり出ていない情報です」

所得税の確定申告をすれば、そのデータは自動的に市区町村に送られて住民税の計算が行われますが、確定申告を行わない場合は、自分で市区町村役場に所得申告をする必要があるのです。もちろんこれは仮想通貨だけでなく、ほかの雑所得収入でも同じです。

少々脱線しますが、住宅ローン控除の1年目、医療費控除など、もともと確定申告が不要な給与所得者が確定申告する場合、「20万円に満たない雑所得」も含めて確定申告しなければなりません。

勘違い3「売上高に課税される」

確定申告, 勘違い, 副業 (写真=筆者撮影)

フリマアプリで不要な私物を売る、フリマアプリをECサイトのように使って、仕入れてきたものを売ってお小遣い稼ぎをしている人もいるでしょう。

「『フリマアプリで結構売ってしまいました』という相談も多いのですが、税金は売上でなく、売上から仕入れた値段や経費を引いた利益に対してかかります」

あるいは、売上を使ったときに課税されている、と間違えている人も多いそうです。売上金を「使った時」ではなく、売上金を「得た時」が所得の認識時期です。

勘違い4「ローン返済額は経費にできる」

確定申告, 勘違い, 副業 (写真=筆者撮影)

「給与所得者の副業としてワンルームマンションの不動産投資、民泊ホストから『家賃収入がある場合の確定申告がわからない』という相談も増えています。この場合、不動産所得という区分になります」

よくある間違いとして、投資用不動産のローンの返済金を全額、経費にできると思っている人がいるそうです。ローンは元本の返済部分、利息の返済部分に分かれていますが、経費にできるのは利息の返済部分だけです。

「少し専門的になりますが、不動産の減価償却部分も経費にできます。減価償却というのはその物件が何年で償却できるかということを表すもので、毎年価値が減っているというふうに考えて、その価値の減額ぶんだけを経費にできます」

そのほか経費にできる可能性が高いのは、不動産会社や民泊サイトに支払った手数料、固定資産税などです。民泊なら、外注した清掃代、備品なども経費です。

勘違い5「65万円の控除が使える」

これも専門的になりますが、所得税には、届け出を出して複式簿記での帳簿作成など一定の条件を満たせば、所得から最大65万円の控除が受けられる「青色申告」という制度があります。

この制度のことを知り、ワンルームマンションなどの小規模な投資でも、65万円の控除が使えると思い込んでいる人がいるそうです。

「不動産所得で65万円の青色申告特別控除をとるのは大変なことです。そのためには『事業規模として認められる』必要があるのですが、規模の目安が、部屋であれば10以上、棟なら5棟以上という規模です。結構、厳しいんですよね」

ルール自体が今の時代に追いついていないのではないか、という意見も多いようですが、現在のところ、個人の不動産投資の場合、同じ青色申告でも年間10万円の控除が使えるほうを選択することになります。

勘違い6「何でも経費にできる」

確定申告, 勘違い, 副業 (写真=筆者撮影)

見た目はカジュアルな服装をした若者、でも実は月に100万円以上を稼ぐユーチューバー、アフィリエーター……。そうした人からの税金の相談もあるそうです。

「ユーチューバー、アフィリエーターは、その仕事がメインの仕事なら事業所得、副業なら雑所得になります。文字で書けば簡単で、『売上高から必要経費を引けば所得』になりますが、実際問題として、必要経費の部分は非常にグレーなところがあります」

例えば非常に高価な買い物を次々として、「こんなものを買いました!」と自分のYouTube で紹介した場合、買ったものはすべて経費にできるのでしょうか? どんな人が何を買ったかによって、経費にできるもの、認められないもの、と個々で判断することになるでしょう。

「旅行のブログを書いているから旅行の費用を全部経費にできるか、といった相談も結構多くなってきています」

基本的には、事業との関連性があるのなら経費にできますが、どこまでが関連性ありと見るのかにはグレーな部分がありますよね。

税務署は意外と把握しているもの

確定申告, 勘違い, 副業 (写真=筆者撮影)

日本の納税は納税者自らが行う申告納税制度です。

「このくらいはわからないだろう」と思っていても、税務署はきちんと誰がどれだけ稼いでいるかを、意外に把握しているものなのだそうです。

「いずれはマイナンバー制度で、誰がいくら稼いでいるかもっとわかりやすくなります。さかのぼって納税の状態を見ることもできるわけですから、申告するべきところがきちんと申告しておく。それが大事だと思います」

心当たりのある人は、しっかり申告しましょうね。

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