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離婚原因ランキングで最も多いのは「性格の不一致」では2位は?

法的に認められる離婚原因もおさらい

厚生労働省「平成28年(2016)人口動態統計(確定数)の概況」の調査結果によると、離婚件数は21万6798組、人口1000人あたりの離婚率は前年の1.81より0.08ポイント低下した1.73となっています。

夫婦が離婚に至る原因はいったいどんなことなのでしょうか。本記事では、離婚の原因について詳しくご紹介します。

約9割が話し合いによる協議離婚

離婚, 原因 (写真=Billion Photos/Shutterstock.com)

夫婦がお互い離婚に納得していれば、すんなり離婚が成立します。このように、話し合い(協議)で当事者同士が離婚に合意した場合の離婚を「協議離婚」といいます。

厚生労働省がまとめた「離婚に関する統計(2009年、最新版)」によると、2008年の離婚件数は25万1136件で、そのうち協議離婚は22万 487件です。およそ87.8%が協議離婚ということになります。

離婚には双方の合意が必要

離婚, 原因 (写真=gerasimov_foto_174/Shutterstock.com)

話し合いで円満に離婚が成立すればよいのですが、現実にはうまくいかないこともあります。相手が離婚に応じようとしない場合や、慰謝料、養育費、親権などで双方の希望が折り合わない場合は、家庭裁判所に離婚調停を求める必要があります。

・勝手に離婚届を出すと犯罪に

いくらさっさと別れたくても、夫に無断で離婚届を出すのは厳禁です。離婚届は夫婦それぞれの署名・捺印がなければ受理されません。逆に言うと、妻が離婚届に夫の名前を勝手に書き、捺印して役所に提出した場合、形式的には要件を満たしているため受理されてしまう可能性があります。

しかしこれは署名・捺印の偽造となり、「有印私文書偽造罪」および「偽造私文書等行使罪」に、また偽造された離婚届によって戸籍に離婚の記載がなされた場合には「電磁的公正証書原本不実記録罪」という犯罪になってしまいます。

・署名があっても離婚の意思がなければ無効に

離婚届に夫本人の署名・捺印がある場合でも注意が必要です。夫が浮気したといった理由で、「また浮気したら離婚だからね! 反省の証として離婚届に署名して」と、あらかじめ離婚届を書かせて預かっておくというのはよくある話ですね。

この場合、妻側が離婚を決意した段階で離婚届を提出すれば、難なく離婚が成立するようにも思えます。

しかし、日本の法律では結婚・離婚などの身分行為は、本人の意思があることが大前提です。離婚届に自ら署名したとはいえ、夫自身に離婚の意思がなければ離婚は無効となります。

離婚の原因として法的に認められるものは?

離婚, 原因 (写真=Antonio Guillem/Shutterstock.com)

協議や調停によって離婚の合意が得られない場合、最終的には家庭裁判所で離婚を求める訴えを起こすことになります。

民法770条では「法定離婚原因」として、次のような事情がある場合は、離婚訴訟を起こすことができると定められています。

1.配偶者に不貞行為があった場合

「不貞行為」とは、配偶者以外の相手と肉体関係を持つことを指します。肉体関係のないままデートを重ねたり、スキンシップ程度の関係性、いわゆる「心の浮気」などは不貞行為に当たらないとされるので注意が必要です。

一方、風俗通いは基本的に不貞行為とみなされると考えてよいでしょう。「気持ちが入っていないからセーフ」などという言いぐさは、法の前では何の意味もありません。

2.配偶者から「悪意の遺棄」があった場合

夫婦は同居し、互いに協力し合い助け合って暮らしていかなければならないと法律で定められています(民法752条)。

配偶者として果たさなければならない義務に悪意をもって違反した場合、その行為は「悪意の遺棄」とみなされるのです。

具体的には、働ける状態にあるのに働かない、生活費を渡さない、家から追い出す、浮気相手と暮らし始める、正当な理由なしに家から出て行くなどの行為が「悪意の遺棄」に該当します。

3.配偶者が3年以上、生死不明の場合

民法では、失踪した人が7年間生死不明となっている場合、失踪宣告により法律上死亡したものとみなすことができます(民法30条)。離婚を望む場合は7年を待たず、3年で離婚請求できるとされています。

生死不明とは、単に連絡が取れないというだけでは足りません。警察に捜索願を出す、戸籍を追跡するなど、「居所を突き止めるためにできるだけのことはした」という事実があることが前提となります。

4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがない場合

夫婦間には相互扶助義務があるため、どちらかが身体的・精神的な不調に陥ったときもできる限り助けあって生きていくのが基本です。

精神的な疾患が法定離婚原因と認められるのは、夫婦関係を維持していけなくなるほど重症で、なおかつ回復の見込みがない場合に限られます。

ただそのような精神障害が法定離婚原因であるとして離婚請求が認容された判例は、他の原因と比べて圧倒的に少ないようです。

5.その他、結婚を継続できないような重大な理由がある場合

離婚, 原因 (写真=nd3000/Shutterstock.com)

身体的・精神的DV、虐待、犯罪行為、極端な浪費、セックスレス、性格・価値観の不一致、愛情の喪失、相手方親族との不和などの理由で、夫婦関係が修復できないまでに破綻してしまったときには、法定離婚原因と認められる場合があります。

ただし、1~5にあてはまる理由があれば必ず離婚できるというわけではありません。裁判で「この夫婦はまだ関係性改善の余地がある」と判断された場合には、離婚が認められないことに注意してください。

・有責配偶者からの離婚申し立てもあり得る

これまでは浮気やDVという離婚の原因をつくった側(有責配偶者)からの離婚の申し立ては認められないとされていました。これは、浮気されたうえ、一方的に捨てられたとなったらあまりにも酷だという判断が根底にあります。

ただ一定の条件を満たしたうえで例外的に認められるケースも出ていることもあり、離婚の原因がどちらにあるにせよ、もはや完全に破綻してしまった夫婦関係を無理に継続させる必要はないと考え方が変わってきています。

別居期間が長きにわたっている場合や養うべき子どもがいない場合、離婚を申し立てられた側が独り身になっても社会的・精神的・経済的にやっていけると考えられる場合などは、有責配偶者からの離婚申し立てが認められる可能性があります。

離婚原因を証明することが大事

離婚, 原因 (写真=VGstockstudio/Shutterstock.com)

法定離婚原因については、離婚を求める側が立証しなければなりません。夫婦関係が完全に破綻しており、その責任は相手にあることを、証拠を示して客観的に証明する必要があります。

・離婚原因の証拠を取っておく

例えば、離婚の原因を夫によるDVとする場合、夫があなたに暴力をふるっていることを証明しなければなりません。

暴力を受けてできた傷などを撮影し、病院で診断書をもらう、実際にDVが行われている場面を動画や録音で記録する、いつどこでどのような暴力を受けたかを日記につけておくといった方法で、DVの証拠を集めておく必要があるのです。

・夫婦関係の破綻を証明する証拠を取っておく

法定離婚原因の1~4にはあてはまる理由はないけれど、離婚したい。そんなときは、5の「その他、結婚を継続できないような重大な理由」があることを証明しなければなりません。

その場合、夫婦関係が完全に破綻し、もはや修復の見込みはないことを示すことが重要になります。

具体的には、別居が長期間に及び、その間に交流を持っていない場合は夫婦関係が破綻していると認定されやすくなります。認定には最低でも2年間程度の別居期間が必要です。

別居の事実を証明するには、住民票の移動や契約日の記載された賃貸借契約書、水道や光熱費の明細書などの提出が有効です。

では、家庭内別居の場合はどうでしょうか。同じ屋根の下に住んではいるけれど、居住スペースも生計も完全に分けており、顔も合わせず会話もなく、食事や洗濯などの家事も別々という状態が数年以上続いているのであれば、すでに夫婦関係が破綻していると認められる可能性はゼロではありません。

ただし、家庭内別居は文字通り家庭内のことであり、第三者を納得させられる証明を行うのは非常に困難でしょう。離婚の意志を固めたら、早めに別居を始めて夫婦関係破綻の既成事実をつくっておくのが得策です。

意外な結果?離婚の原因ランキング

離婚, 原因 (写真=wavebreakmedia/Shutterstock.com)

それでは、現実に離婚した夫婦はどのような理由で離婚したのでしょうか。

裁判所ウェブサイトの2016年度司法統計(家事)から「婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別」によると、離婚原因のトップは夫・妻ともに「性格の不一致」となっています。

以下、夫と妻それぞれが申し立てた離婚原因の中で多く挙げられたものをランキング形式で見ていきましょう。

・夫からの申し立て理由ランキング

1位:性格が合わない(1万1138)
2位:精神的に虐待する(3590)
3位:家族親族と折り合いが悪い(2682)
4位:異性関係(2594)
5位:性的不調和(2407)
6位:浪費する(2268)
7位:同居に応じない(1719)
8位:暴力を振るう(1535)
9位:家庭を捨てて省みない(1098)
10位:病気(795)
11位:生活費を渡さない(682)
12位:酒を飲み過ぎる(423)

・妻からの申し立て理由ランキング

1位:性格が合わない(1万8994)
2位:生活費を渡さない(1万4090)
3位:精神的に虐待する(1万2361)
4位:暴力を振るう(1万461)
5位:異性関係(8357)
6位:浪費する(5139)
7位:家庭を捨てて省みない(4125)
8位:性的不調和(3465)
9位:家族親族と折り合いが悪い(3355)
10位:酒を飲み過ぎる(2984)
11位:同居に応じない(1024)
12位:病気(844)

この調査では、離婚申し立て1件につき動機を3個まで挙げてもらい、その回答を重複計上しています。実際、複数の理由が組み合わさって離婚に至ったというケースが多いのではないでしょうか。

男性の離婚理由としては「性格が合わない」が圧倒的多数ですが、女性の場合は「性格が合わない」の他にも、生活費を渡さない、精神的・肉体的虐待に悩まされる人が多いことが分かります。

「性格が合わない」なんて交際時に分かりそうなものですが、結婚しないと見えてこないことがあるのも事実です。

一緒に暮らし始めると、いろいろ気になるところも出てきますし、結婚や出産を機にがらりと相手の態度が変わることもあります。子育ての方針や実家・親族との付き合い方などをめぐって意見が対立し、夫婦仲が悪化したというのもよく聞く話ですね。

異なる環境で育ってきた者同士が一緒に暮らしていくのは、やはり難しいものなのです。

自分の人生は自分で切り開くことが大事

離婚, 原因 (写真=Masson/Shutterstock.com)

離婚は必ずしもネガティブなものではなく、新しいスタートを切るための「前向きな決断」として、周囲からも受けとめてもらえるようになりつつあります。

今は女性も経済力を身に付け、自分の力で生きていける時代です。離婚を選んで幸せを手に入れた女性も少なくありません。最も大切なのは、どんなときも自分の人生は自分の意思で決めるという覚悟ではないでしょうか。

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