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離婚で弁護士にかかる費用とは?相場と安く抑える方法を解説

弁護士ってなんとなくハードルが高いと思っていませんか?

弁護士に依頼するといっても敷居が高いし、費用がたくさんかかりそう……。

そんなイメージをお持ちの方は大勢いらっしゃいます。今回は、離婚する場合の弁護士費用や弁護士に依頼するメリット・デメリットなどをお伝えします。

離婚で弁護士を依頼する時の費用とは

離婚, 弁護士, 弁護士費用 (写真=PhuShutter/Shutterstock.com)

・離婚の弁護士費用の平均

離婚する際の弁護士費用について一つの参考になるものとして、日本弁護士連合会の「市民のための弁護士報酬ガイド」を見てみましょう。2008年のアンケート結果と少し古いものですが、離婚調停でのトータル費用がおおよそ50万円くらい、離婚裁判から依頼すると40万~60万円が相場です。(参照:日本弁護士連合会

実際には、離婚調停になる前の交渉段階からの依頼もありますし、事件ごとにケースバイケースで費用を調整していきますから、金額は上下ともにもう少し幅があります。

・弁護士費用の種類とその相場

弁護士費用には、大きく分けて①法律相談料、②着手金、③報酬金、④実費・日当が挙げられます。

①の法律相談料は、具体的な対応(離婚の交渉・調停など)を依頼する前に、法律相談として行う場合に支払う料金をいいます。法律事務所によって幅がありますが、一般的には30分で5000円、1時間であれば1万円が目安です。

②の着手金とは、弁護士が具体的に仕事の依頼を受け、案件の進行を開始するにあたって支払われる費用です。まとめて準備するよう求める法律事務所もありますが、分割での支払いが可能なことも多いので、詳しくは弁護士に相談してみるとよいでしょう。分割・一括いずれも初回分の支払い後から弁護士は仕事にとりかかることになります。

離婚交渉(弁護士を窓口にして行う場合)ではおおよそ20万円から、離婚調停(家庭裁判所での話し合いによる手続きで行う場合)ではおおよそ20万〜30万円から、離婚裁判(家庭裁判所での裁判による手続きで行う場合)はおおよそ30万〜40万円からスタートというのが相場です。

離婚, 弁護士, 弁護士費用 (写真=Belenos/Shutterstock.com)

実際には、財産分与や慰謝料を請求する場合はその金額に応じての加算があったり、子どもの親権などをめぐって問題になっている場合は、別途追加料金が発生することも。

また「時間がかかると、その分追加費用がかかるのではないか」と質問されることがありますが、着手金がある場合、時間的なスパンも踏まえた費用設定になっているため、追加料金が発生しないのが一般的です。

ただし、法律事務所によっては、一定期間経過により追加料金が発生したり、タイムチャージ(時間制報酬)で行うところもあります。後で話が違うということにならないよう、初回相談からしっかり確認しておきましょう。

③報酬金とは、弁護士に依頼した案件の終了時、あるいは、契約で定めた報酬が発生する理由ができた時点で依頼人が支払う報酬です。

基本的には一括で支払うことが多いのですが、分割が可能なこともありますので、ここも確認しておきましょう。相手から慰謝料や財産分与としてまとまった金額を受け取った場合には、その金額の何%(10〜20%程度)かを支払うことになりますので、自分の財布からの支出にはなりません。

ただ、報酬金はお金が入ってくる場合だけではなく、例えば逆に、慰謝料を請求されていたけれども、最終的には支払わなくてよくなった、支払額が一部で抑えられたという場合にも「経済的利益を得られた」と考え、支払う必要がなくなった金額の何%(こちらも10〜20%程度)かを報酬として、担当の弁護士に支払わなければならないことがあります。

養育費は、通常子どもが20歳になるまで支払われるものですが、一般的にはその何年か分に限って何%という形で報酬金を支払います。それ以外にも、子どもの親権獲得でいくらなどと具体的に定められていることがありますから、詳しくは弁護士に確認してみましょう。

④の実費・日当は、①〜③以外に事件処理に必要な費用として頂くものです。離婚の交渉であれば、最終的にまとまった内容を公証役場で書面にするときの「手数料」や、内容証明で通知をした場合にはその「郵便料金」、離婚調停・裁判の申立てをしたときは裁判所に支払う「印紙代」、「郵便切手代」などが「実費」にあたります。

「日当」は、法律事務所の所在地以外に弁護士が出向いて対応する必要が生じた場合に発生します。離婚調停は、相手方の住所地の最寄りの家庭裁判所で行う必要がありますので、相手方が遠方にいる場合は日当(場合により交通費も)が発生します。最近は電話やテレビ電話を利用して行うところも増えてきていますが、必ずしも利用できるわけではないので注意しておきましょう。

なぜ弁護士によって費用が異なるのか?

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離婚に限らず、弁護士費用については、かつて日本弁護士連合会で統一的に「報酬基準」というものが定められていました。しかし、規制緩和により「報酬基準」は廃止されましたので、今では法律事務所ごとで自由に費用を定めることができるようになりました。 

そのため、弁護士費用は実際に相談する、あるいは依頼する事務所によって幅が出てくるのです。

離婚で弁護士を雇うメリット

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・居場所を隠して話し合える

「離婚協議」の段階でも弁護士に相談し、場合によっては依頼したほうがいいケースはあります。例えば、相手方のDVがある場合は、保護命令も含めた検討と居場所を隠しての話し合いが必要なこともあるので、弁護士を窓口にした話し合いがよいでしょう。

・今後の見通しがわかる

また、特に金額的な対立が激しい場合は裁判まで見据え、どの程度の支払いが求められそうかなどを、早めに弁護士に相談して確かめたほうがスムーズです。

近年、親権や面会交流といった子どもに関する事柄が問題となることが多く、特に、子どもの年齢が低い30~40代では、親族も巻き込んで対立が激しくなることも。今後どういった点が問題になりそうかも弁護士に聞けばわかります。

・離婚調停の交通整理をしてもらえる

「離婚調停」は裁判所で行う話し合いの手続きです。自分できちんと言い分を話すことが難しい、整理ができないというケースや、あるいは法的問題が絡んで複雑になるようなケースであれば、話の交通整理をしてもらいながら進められるよう弁護士に同席してもらうのも一つの手です。

・離婚裁判で書面を準備

「離婚裁判」になると話し合いより事実関係や法律関係の主張が全面に出てきますから、基本的に書面の準備が必須になります。そのため、法的問題を整理したり、今後を見通したりするのも弁護士の力が発揮される場面です。

このように、離婚の話が現在どの段階に至っているのかによって、弁護士の役割も変わってきます。状況を踏まえて相談・依頼するかどうかを見極めることも重要です。

弁護士を雇わなかった場合のデメリット

離婚, 弁護士, 弁護士費用 (写真=Tinxi/Shutterstock.com)

弁護士を雇わなかった場合のデメリットは大きく2点。

・時間がかかってしまう可能性がある

先の見通しがつかないと、早めの離婚調停・裁判でスピーディーに解決できたはずが、かえって「時間」がかかってしまうこともあります。

・相手に丸め込まれる可能性がある

また、妥当な「金額の基準」が分かりにくいもの(慰謝料や、場合によっては財産分与も)については、相手に丸め込まれて低い金額で折り合ってしまうこともあるでしょう。

先の見通しがどうなりそうか、法的な視点からどの程度の金額を払ってもらえそうかといった点は、早めに弁護士のアドバイスを受けたほうがいいと言えます。

離婚での弁護士費用を安く抑える方法

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弁護士に相談することにはメリットがある一方、デメリットとなるのはなんといっても費用面でしょう。

・まずは無料相談から

夫婦での言い分にさほど大きな開きがない場合には、弁護士に依頼するかどうか迷うことも多いと思いますので、弁護士に相談をしてその先を決めるほうがよいでしょう。その場合は、無料相談ができる法律事務所を利用してみるのも選択肢の一つです。

・法テラスを利用する

収入がない、あるいは限られている場合には、法テラス(日本司法支援センター)の法律相談の制度を利用する方法もあります。法テラスは国が設立した機関で、同じ案件の相談は3回まで無料となっています。ただし、収入が比較的多い場合、地域によっては収入要件にひっかかり利用できない可能性もあるのでご注意を。

・弁護士保険を活用

さらに最近では、離婚をはじめ自動車事故以外の事件でも使える弁護士保険も出てきました。保険によって支払われる保険金額の範囲(免責金額が定められていることが多い)や待機期間、担保されない(保険が使えない)期間が違いますので、保険契約内容の確認は不可欠です。

かかる費用が安い弁護士を探す方法

離婚, 弁護士, 弁護士費用 (写真=ImYanis/Shutterstock.com)

離婚に限らず、初回相談は無料、あるいは30分は無料といった法律事務所も見られるようになりました。無料相談を行っている事務所の多くはインターネットで告知していると思いますので、法律相談料を抑えたい場合は、ネット検索をしてみるのもよいでしょう。

法律相談料以外についても、ホームページで料金などの情報を公開している法律事務所は増えてきていますので、そういった事務所を探してみましょう。

費用の安さだけでなく、自分に合った弁護士を

離婚, 弁護士, 弁護士費用 (写真=VGstockstudio/Shutterstock.com)

費用についてはこれまで述べたとおり、事案それぞれの特殊性により幅が出てきますので、他のサービスのように相見積もりに向かないのが弁護士費用の特徴です。

また、離婚に限らず、家族をめぐるトラブルは経済的負担だけでなく心理的な負担も大きくなることが多く、これまでの事情も含めて寄り添って対応してもらえるかどうかが重要になってきます。

考え方・対応を含め、自分に合っているかどうかは相談しないと分からないので、まずは相談をして判断することをおすすめします。

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