(写真=Re_sky/Shutterstock.com)

債券じゃ物足りない…そんな時は「配当貴族」投資はいかが?

相場が下落したときのリスクヘッジに

2018年に入ってから国内の株価は2万4000円を超えたかと思ったら、2月になってから連日、下がっており不安定な状況が続いています。

そんな中でどんな銘柄を購入したら良いのかわからないという人は、「高配当」という、いつもとは少し異なる切り口で、株式投資の銘柄探しをする方法があるかもしれません。

※本記事は、2018年1月20日開催「楽天証券 新春講演会2018」ミニセミナー 配当貴族指数を活用した株式投資 ~配当貴族インデックスに欧州が追加!~の講演内容を編集したものです。

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「高配当株」に注目が集まるワケ

配当貴族, 指数 (写真=筆者撮影)

この日の講師は三井住友トラスト・アセットマネジメントの担当部長、百瀬順治さん。

百瀬さんは、高配当株が注目されてきた背景を次のように説明してくれました。

「従来、債券(金利)と株価は逆に動くことから、債券に投資することが、株式投資に対するリスクヘッジとされてきました。ところが、世界的な超低金利の環境のもとでは、債券の利回りは低下して、その役割を果たすことが難しくなっています。そこで、株式市場ではその代わりとして、連続増配企業が注目されています」(以下、カッコ内は全て百瀬さんの発言)

個別銘柄の株価が下落する理由は「決算が悪い」といった、その企業に原因がある場合もあれば、その企業自身には問題がないのに、市況の影響などを受ける場合があります。冒頭で触れたような「調整局面に入った」といった場合です。

前者の場合は、投資には注意が必要ですが、後者の場合、株価が下がれば配当利回りは上がりますから、高配当に魅力を感じた投資家の買いが入る可能性があります。

こうして買いが入れば、ほかの銘柄は下げているのに、その高配当株は、下げがおさえられる可能性があります。

つまり、優良な高配当株は、相場が下落したときに、相対的に魅力的な投資対象となる場合もある、というわけです。

配当金を連続して出しているってどういうこと?

配当貴族, 指数 (写真=筆者撮影)

もう一歩踏み込んで、「配当金を連続して出している」とは、どういうことを指すのでしょう。

一般的な配当金は、過去に会社が獲得した利益の蓄積である「利益剰余金」から支払われます。業績がよいから配当を出している、そして「連続して配当が出せる」企業は、優れた経営面を続けている、ということになります。

例えば、連続増配企業であるデンマークのノボ・ノルディスクというヘルスケア系企業があります。

配当貴族, 指数 (写真=筆者撮影)

この25年間の間には、2008年9月のリーマンショック、2010年5月のギリシャショックなど、収益に影響するような出来事もありました。

しかしこの企業では、グラフの赤で示されているように、支払配当金は徐々に増加をしています。業績を拡大できている企業だから、配当金を増やすことができているといえます。

配当貴族, 指数 (写真=筆者撮影)

連続増配を続ける企業は、経営効率性が優れている、つまり経営者の経営の上手さを表すROA(総資産利益率)でも高い数字を出しています。

「連続増配企業は、効率的に利益を生み出す力が高いということがわかります。逆に言えば、経営効率性が優れている企業は、連続増配を生み出す原動力を作っているとも言えるでしょう」

ということは、高い配当金だけでなく、株価が上がることで、キャピタルゲイン(売却益)も狙えるということになります。

日本、米国、欧州の「配当貴族指数」

このような効果を狙って、「連続増配」に注目して個別銘柄を探す方法もありますし、「連続増配」に注目した株価指数もあります。「配当貴族指数」というものです。

こうした指数(インデックス)に連動した、パッシブ型(インデックス型)の投資信託も出ています。

・日本:S&P/JPX 配当貴族指数

TOPIX(東証株価指数)の構成銘柄のうち、10年以上にわたり毎年増配しているか、または安定して配当を維持している、配当利回りの高い企業のパフォーマンスを測定する指数

・アメリカ:S&P500配当貴族指数

S&P500構成銘柄のうち、過去25年に渡って連続して毎年増配している優良大型株のパフォーマンスを測定する指数

・ヨーロッパ:S&P欧州350配当貴族指数

S & P 欧州350指数の構成銘柄のうち、10年以上を連続して配当している優良大型株のパフォーマンスを測定する指数

連続高配当銘柄は、下落局面でも強い

配当貴族, 指数 (写真=筆者撮影)

既述のように、今後、株価が調整局面を迎えたとき、連続高配当銘柄の株価が下がると、株価の下落によって配当利回りに魅力を感じた投資家の買いが入る可能性もあります。結果的に株式の下落がおさえられる可能性があります。

過去のデータでも、見てみましょう。

配当貴族, 指数 (写真=筆者撮影)

過去10年間の年間収益率で、市場平均である「S&P欧州350指数」と「S&P欧州350欧州350配当貴族指数」では、下落局面でも下落の幅が小さいことがわかります(グラフ下)。

また、上昇時にも市場平均を上回っています(グラフ上)。こちらは、先ほど紹介した、連続増配企業は、効率的に利益を生み出す力が高いということの表れでしょう。

配当貴族, 指数 (写真=筆者撮影)

過去の例では市場平均と比較して、リスクは低めでリターンは高めというデータもあるようです。

新しい投資スタイルが見つかるかも?

配当貴族, 指数 (写真=筆者撮影)

世界の株式相場には、「まだまだ上がる」といった楽観的な見方も多いようです。

そんななか、すでに利益確定売りをしたあとで株価が上がってしまい「上昇のペースが速すぎて、なかなか、買いに入れない」という人もいることでしょう。

よく知られている日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)という指標だけでなく、こうしたユニークな指標にも注目すると、新しい投資のスタイルが見つかるかもしれませんね。

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