(写真=筆者撮影)

ドキドキしたくない貴女へ。草食投資隊3人が語る長期投資の極意

株価が不安定な今だからこそ

投資家にはさまざまなタイプがいます。値上がりしそうな企業を狙って短期売買を繰り返す「肉食系」、コツコツ安定的に投資する「草食系」など。

投資の方法は個人の好みですし、1人でいろいろなパターンを使い分けるのもありです。ただ、昨今の不安定な株価チャートを見ても、どのタイミングで投資を始めていいのか分からない、という人もいるでしょう。

そんな今だからこそ、「草食投資隊」として長期投資の大切さを伝え続けている、独立系投資ファンド代表たちの言葉を聞いてみましょう。

値動きに左右されない「長期投資」の魅力って何ですか?

※本記事は、2018年1月20日開催「楽天証券 新春講演会2018」パネルディスカッション「草食投資隊3人が長期投資を熱く語る」の内容を編集したものです。

「草食投資隊」の3人が登壇

長期投資, ひふみプラス, セゾン, 投資信託, 投信 (写真=筆者撮影)

登壇したのは、「セゾン投信」を運営するセゾン投信代表取締役社長の中野晴啓さん、「コモンズ30ファンド」を運営するコモンズ投信会長の渋澤健さん、「ひふみ投信」を運営するレオス・キャピタルワークス代表取締役社長・最高投資責任者の藤野英人さん。3人は「草食投資隊」として、長期投資の知識を広める活動をしています。

長期投資とは、「長い目で見て成長していく」投資対象を選び、長期で投資していくこと。「長期」の年数は人それぞれですが、数年~長ければ数十年に及びます。

長期投資にもさまざまな投資スタイルがありますが、例えば長期投資家として有名なアメリカの投資家、ウォーレン・バフェット氏は、株価が本来の価値よりも割安に評価されているときに投資する割安(バリュー)株の長期投資を行っています。

また、最近注目のつみたてNISAも長期投資家にとっては朗報でしょう。投資信託をコツコツ買い付けていくことでリスクを分散させるのが積み立て投資の利点です。

細かい値動きに気を取られなくて済む長期投資はサラリーマン投資家にぴったりです。長期投資の魅力やコツについて、3人のトークが繰り広げられました。

長期投資の魅力は「奪わない」こと

長期投資, ひふみプラス, セゾン, 投資信託, 投信 (写真=筆者撮影)

藤野:私が「草食投資」と言うと、「藤野さんは肉食でしょう」と言われることがあります。(笑)

きっと投資には、奪うか奪われるか、という肉食のイメージがあるのでしょう。しかし最近、日経平均株価が上昇していますが、これは誰かから「奪って」いるわけではなく、全体が上がっているということです。

誰かが得をする一方で誰かが儲ける、というような「奪い合いのトレード」ではなく、みんなで手を取り合いながら投資をしていくのが長期投資。そんなことを草食投資隊として伝えたいです。

渋澤:投資を始める「最悪」のタイミングはいつだったでしょう? 答えは日本のバブルのピーク時です。一括投資していたら、現在の株価でも、まだマイナス40%です。

でも、もしそのときに「積み立て」を始めていたらどうでしょうか。現在は、プラス60%以上の利益が出ているはずです。株式投資は価値が上下するリスク商品ですから、その幅はマイナス40%であることも、プラス60%でもあるということです。当時からコツコツ積立をあげた人が今、いい成果が得られているのではないでしょうか。

長期投資はいつからいつまで?

長期投資, ひふみプラス, セゾン, 投資信託, 投信 (写真=筆者撮影)

中野:よく「20代と、シニアになってからでは、投資のやり方は違うのではないか」という質問があります。それは勉強のしすぎです(笑)。何歳であっても、長期投資のやり方は同じでいいんですよ。

「60歳からは運用しないで取り崩す」といったことを前提にするから、そこから逆算して「老後には3000万円必要」ということになってしまいます。老後資金が足りないと焦って、リスクの高い投資に手を出して失敗してしまう人も多く見られます。60歳まではがまんしてお金を貯めて、その後は資産が減るのを心配しながら長生きする……。これでは、長生きしてもつまらないですよね。

60歳からだって、立派な長期投資ができるんです。ずっとお金が「働いて」くれるなら、取り崩すことも怖くありません。

渋澤:コモンズ投信では、90代の方も積み立て投資をしています。最年長の方は95歳です。人生100年ですから、90代を超えても、将来のために積み立てをしている方がいるんですよ。

藤野:生涯を通じてのお金について考えるとき、3つのことが大事になってきます。まずは、年齢を重ねても健康であること、次に、少しでも長く働くことです。社会とつながっていられますし、収入があることも大切ですから。そして3番目が投資です。長期投資の素晴らしいところは「マインドセットができること」。

渋澤:年齢は関係なく、「今日より素晴らしい明日」を信じていること。草食投資隊が伝えたいのは、そうした前向きな姿です。

長期投資に向いている銘柄とは?

中野:長期投資の注意点は、投資対象は、どこでもいいから投資すればいい、というわけではないことです。2017年度の日本の名目GDP は、過去の記録を更新するだろうと見られていますが、企業によってばらつきがあるのも事実です。大切なのは、たくさんある会社の中で、これから伸びていく有望な投資先を選ぶことです。

藤野:「長期投資に向いている銘柄は、どう選べばいいのか?」とよく聞かれます。答えは、売上、利益が上がっている会社です。プロであっても、短期的にどのくらい株価が上がるかを予想するのはなかなか難しい。でも、長期的に見れば、個別銘柄の売上、利益は株価に反映され、株価の上昇要因になっていきます。

売上、利益が「ちゃんと上がっていく」とは、要は、お客様に支持されているかどうかです。3年から5年昔にさかのぼってデータを見て、その売上、利益が来年も再来年も続く確信が持てれば、投資対象になるということです。そういう有望な会社は、日本にまだたくさんありますよ。

長期投資家にとって最も大切なこと

長期投資, ひふみプラス, セゾン, 投資信託, 投信 (写真=筆者撮影)

藤野:投資するからには、自分で納得することも大事です。よくわからない状態で投資をしてしまうと、失敗の理由も分かりませんから。

例えば、「店舗数を増やす計画を出したものの、思うように出店できず、売上も下がってしまったので、株価も下がった」。このように原因を自分なりに調べると、「見る目」が蓄えられていくのです。

渋澤:長期投資の「売り」はいつか? いろいろな考え方があると思いますが、買うときにその会社に対して描いていた成長のシナリオが、ちょっと違った、というときだと思います。

「安いから買う、儲かったから売る」という考え方もありますが、私は長期投資の本質は、株価で判断するということではないと思います。

例えば、投資している企業が不祥事を起こし、株価が下がったときは、長期投資家の判断は2つに分かれます。それが、その会社の持続的な価値を破壊するようなことであれば「売り」です。

逆に、長期的に見れば企業価値を上げるきっかけになるのであれば、株価が下がっているのですから、長期投資家には「買い」のチャンスです。そうした判断ができるかどうかが大きな要です。

投資信託を長期で持つ時も同じ

長期投資, ひふみプラス, セゾン, 投資信託, 投信 (写真=筆者撮影)

司会:草食投資隊のメンバーがそれぞれ代表を務める独立系ファンドは「ブティック型」ともいわれます。こだわりがあって、その店が大事にしている個性のあるものだけを置き「気に入ったらどうぞ」というスタイルです。一方で、大きな規模の運用会社は、数多くの投資信託を備える「スーパーマーケット」のような存在です。投資信託で長期投資しようと思ったら、ブティック(独立系)が、スーパーマーケット(大手運用会社)か、という選択肢から選ぶ方法もあるということです。

藤野:どのファンドを選べばいいかと言われたら私は好きなものを選ぶ、と答えます。好きということは非常に大事なんです 。

長期投資で成功するためには長く持つということが大事なわけですが、長く持つのに大事なことは好きだということなんです。

あのファンドの理念は自分と合致している、あのマネージャーが好きだ、など。好き嫌いを見極めるためにはどうすればいいのかというと、ファンドについてのセミナーに出て話を聞いたりして「ここが自分に合っていると」思ったら選ぶ、でいいと思いますよ。

next>「ダントツ人気」は何?プロがつみたてNISAで選ぶ投資信託アンケート

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