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2018年わたしたちの給料は上がる?FPが感じた現場と経営者のズレ

実は「給料上がらなくてもいい」と思ってる?

こんにちは、婚活FP(ファイナンシャル・プランナー)山本です。

最近の日本は、政治や統計的な意味合いでは「景気が良くなった」といわれます。しかし一方で、現場にいる方々からは「全然給料上がらない。むしろ下がった」という声も聞こえてきます。

果たして実際のところはどうなのでしょうか。そして私たちの給料は今後、上がるのでしょうか?

そこで今回は、そんな今年の給料事情について、代表者や現場の方の声を拾い集めてみました。

あなたの仕事に、そして人生にお役立て下さいませ。

2013年以降、平均給与はわずかに上がっている

国税庁, 給料, 2018年 (写真=PORTRAIT IMAGES ASIA BY NONWARIT/Shutterstock.com)

まずは大局観を知っておくために、統計を確認しておきましょう。

まず、国税庁の統計である「民間給与実態統計調査」の最新版である2016年度分の「平均給与」を見てみると……

  • 2013年以降、4年連続で0.3~1.4%ずつ増えている
  • 非正規社員の給料も、14年以降、同じ程度増えている
  • 最新の平均年収は422万円、ここ10年ほぼ横ばい

ということが読み取れます。

確かに増えているものの、増加幅はわずかにとどまっている……というのが現実のようです。

年収400万円の人の給与が仮に1%増えたとしても月々なら3300円。手取り額はさらに少額になります。これで「給料が増えた」と感じられる方は多くないでしょうね。

平均給与トップはライフライン。2位は金融・保険

国税庁, 給料, 2018年 (写真= eakasarn/Shutterstock.com)

同じ調査を、さらに「企業の業種別」に見てみると……

  • 1位はライフライン系769万円、2位金融・保険系626万円、3位IT系575万円と続く
  • 全体平均を超えるのは、他に研究教育系503万円、製造業493万円、建設業473万円、不動産系441万円、運輸・郵便業423万円の計8業種
  • 最低は宿泊・飲食系の234万円、以後、農林水産系294万円、サービス系341万円

となっています。

特に、最高と最低を比べると3倍超も差があるところから、現代は業種によって景気が全然違うといえるのが現実です。

また、とりわけ電気・ガス・水道等のライフライン系が突出している点から、元国営の強さが伺えます。ちょっとは光熱費料金を下げて欲しくなりますね……。

少々売上が増えても給料は上がらない

国税庁, 給料, 2018年 (写真= Creativa ImagesShutterstock.com)

ところで、そもそもなぜ私たちの給料はなかなか上がらないのでしょうか?

会社の売上が落ちているなら仕方ないとも思えますが、中にはちゃんと業績が上がっている会社もあるハズ。何だかモヤモヤしてしまいますよね。

では仮に、あなたがその会社の社長なら、どうしますか?売上が上がったら即、社員の給料を上げてあげようと考えるでしょうか?

答えは、多くの場合で「ノー」となります。

なぜなら実は、給料は一度上げると簡単には下げてはならないルールがあるためです。

だからこそ、多くの会社は簡単には給料を上げられず、仮に上げるにしても賞与や福利厚生で社員に報いようと考えます。

もっとも、仮にこのルールがなかったとしても、現代は大手でも倒産する時代ですから、いつ売上が落ちるか分からない時代です。

社長の立場なら、おいそれと給料を上げられないのも、仕方ないのかもしれません。

給料が上がらない!現場は悲観論が強い

国税庁, 給料, 2018年 (写真=Rawpixel.com/Shutterstock.com)

では実際に、会社に勤めているサラリーマンの方は、自分の給料や待遇についてどのように考えているのでしょうか。少しずつ、今回インタビューした結果をお伝えします。

・業績悪化、ボーナスが出なくなった

「ここ数年、全然ボーナスが出なくなった。会社の売上が落ちているから仕方ないとは思うけど、年収は大幅に下がったのに人員整理の結果、仕事量だけは大幅に増えて、何ともやるせません。転職したいけど、業界的にどこも大変らしいので、何とか耐えるしかありません」(製造業/30代既婚男性)

先ほどの統計では、平均年収でいえば製造業は割高でしたが、製造業も様々ですから、こういうところも多いのかもしれませんね。何とも厳しい声でした。

・忙しいのに給料は横ばい

「入社当時と比べれば増えましたが、ここ数年はほとんど年収増えていません。ただ、忙しさだけは格段に上がりました。今のご時世、給料が減らないだけありがたいとも思いますが、やはりできれば上がってほしいですね。これから、上がる時が来るんでしょうか?」(IT系/20代独身男性)

統計ではベスト3位に入っていたIT系企業であっても、現場からはこのような声を聞くことができました。

・給料が上がる気配ナシ

そして先ほどと同様、年収はともかく忙しさだけは上がったようです。疲弊している現場の空気が伝わってきます。

「給料が上がる気配なんてまったくありません。むしろ、いつクビになるか戦々恐々としている日々です。実家暮らしだから何とか生活できてますが、だからこそ一向に婚活も上手くいきません。私はこれから、どうしたらいいのでしょうか」(医療系/40代独身女性)

近頃は晩婚化の時代といわれていますが、年齢が上がるほど女性も婚活にはお金が必要となります。また近頃は、女性であっても「実家暮らし」はマイナス要素になりがちです。婚活のためにも、給料アップは見過ごせない問題なのです。

FPの危機感「皆、年収が上がらなくてもいいの?」

国税庁, 給料, 2018年 (写真= sattahipbeach/Shutterstock.com)

ところで今回のインタビューを通して、ファイナンシャル・プランナーである筆者は、いくつかの危機感を感じました。それは、以下のような点についてです。

・皆、年収が上がらなくても下がらなければ大丈夫と考えている?

年収が上がらないということは、いつまでも(十分な)貯金ができないということです。十分な貯金ができないということは、(定年、または教育費上昇等で)いずれ家計は破たんするかもしれません。

・皆、年収を上げる努力をしていない

イマドキの年収は、勝手に上がるものではありません。転職・出世・副業・投資など、何らかの努力が重要になりますが、多くの方は、特に何もしていませんでした。

・皆、耐えるのに必死で、努力したり未来を考えたりする余裕を失っている

イマドキは長時間労働が叫ばれていますが、その結果として経済的な余裕だけでなく、肉体的・精神的な余裕さえ現場にはありませんでした。そしてそこから、未来を考えることができず、ますます未来が困窮していく悪循環に繋がっている様子です。

この悪循環をどこかで断ち切りたいところですね。

経営者からは「給料アップ、採用増加」の声

国税庁, 給料, 2018年 (写真=fizkes/Shutterstock.com)

社長たちは社員の給料についてどう考えているでしょうか?声を拾い集めると、昇給や採用の声が聞かれました。

・5%昇給の予定がある

「今年は給料を5%程度上げる予定です。同時に雇用も増やす予定です。少なくとも、どちらも下げることには100%なりません。業績も年々上がってますから、この中で下げるなんてありえません」(サービス業/従業員50人未満)

給料5%の昇給ということは、仮に年収400万円なら、20万円の上昇です。これだけ上がれば、給料をもらう身としても「給料が上がった」と感じられるのではないでしょうか。

・増収増益を前提に、社員還元したい

「まだ具体的な今年の数字は検討中ですが、給料も採用も、もちろん増やす方向で考えています。幸いにも業績は好調ですから、どちらも下げる必要性がありません。これからもひたすら増収・増益を前提に、社員にも還元するつもりです」(複合サービス業/従業員100人未満)

具体的な数字はともかく、意欲的に給料を上げようとしている社長の姿勢が強く伝わってきました。きっとだからこそ社員のやる気アップに繋がり、そして会社の増収・増益に繋がる好循環を生み出せているのでしょうね。

・給料を上げて、社員の定着率を上げたい

「社員・アルバイト共に、今年も給料を上げる予定です。特に最近のウチの業界は、どこも人手不足ですから、この状況下で社員の給料下げるなんて、とてもできません。少しでも給料を上げて、社員の定着率を上げていきます」(飲食業/従業員500人未満)

理由は少し消極的ですが、それでも給料を上げるつもりなのは、十分に伝わってきました。あとは社員の立場からしても、上がったと感じられる程に上がるといいですね。

給料アップの背景に「人がいない。来ない」の声

国税庁, 給料, 2018年 (写真=REDPIXEL.PL/Shutterstock.com)

ところで、今回の社長へのインタビューでは、給料を上げる姿勢がある声が多かった一方で、以下の声が多かったのが気になりました。それはズバリ、

・人がいない
・人がこない
・人が定着しない

つまり、「給料は実際に上げているし、これからも上げ続けるが、それに見合う人が採用面接に来てくれない」という思惑が共通的にあったのです。

「シンプルに求人が集まらない」、「集まってくれても使えない人ばかり」、「ようやく採用してもすぐ辞める」……とのことでした。

年収アップのために転職しては?

国税庁, 給料, 2018年 (写真=PKpix/Shutterstock.com)

今回、採用する側と採用される側の双方の声を聞いた筆者は、以下のような感想を持ちました。

現在の会社で収入アップが見込めないなら、勇気を出して、業績が好調な(他業種の)会社に転職し、そして一から死に物狂いで努力するのも、現状を打破する一つの手段ではないだろうか……と。

一般的な転職活動は、どうしても同じ業界・業種で考えがちです。しかし統計でも明確な通り、好調・不調は会社規模もさることながら、業界・業種で大幅に違います。

人生や仕事を投資と同様に考えれば、落ち目の業界に残るより、好調な業界へ転職することこそが、人生(給料)を変える第一歩になるのかもしれません。

転職や婚活を含めた新しい行動は、若いほどに有利なのも、また現実です。まだ余裕があるうちに、追いつめられる前に、そして1歳でも若い時に、何らかの新しいアクションを起こして、あなたの未来を切り開いていきましょう。

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