(写真= baranq/Shutterstock.com)

2018年「ロボアドバイザー」はこう流行る。トレンドを専門家・業界各社が予想!

2018年展望・ロボアドバイザー編

ファイナンス(金融)とテクノロジー(技術)を組み合わせた、新たなトレンド「フィンテック」により、金融がどんどん私たちの身近なものになりつつあります。

中でも注目されているのが、「ロボアドバイザー」。投資の知識がない初心者でも、資産状況やリスク許容度に関する質問に答えることで、自分に合った資産のバランスをコンピュータープログラムが「お見立て」してくれるサービスです。少額からスタートできることなどから、投資未経験者が始めやすい金融サービスとしても人気です。

今回は、「2018年のロボアド業界の動向はどうなる?」をテーマに、専門家に取材しました。今年こそは投資を始めてみようかな、と思っている方も、いまロボアドを実際に運用している方も必見の内容です!

今回、取材に協力してくれたのは……

・阿部祐子(あべ・ゆうこ)さん

出版社勤務(雑誌編集者)を経てフリーに。社会、金融、ビジネス系記事、やさしい言葉を使ったファイナンス系の読み物などを手掛けている。ファイナンシャル・プランナー(CFP)の資格を持ち、ロボアドを含め金融に関する取材経験が抱負。

・ウェルスナビ

ロボアドバイザーサービス「WealthNavi」や、おつり投資ができる「マメタス」を展開。申込件数は7万口座で、預かり資産は約600億円(2018年1月時点)。「ノーベル賞理論に基づいた金融アルゴリズムを活用し、完全に中立な立場から国際分散投資をすべて自動で行ってくれるサービスで、手軽に、世界の富裕層・機関投資家レベルの運用が実現します。富裕層がプライベートバンクを通じて受けている、資産売買に伴う税金負担を最適化する自動税金最適化(DeTAX)などを一般化するなどの取り組みも行っています」(柴山和久CEO)

・お金のデザイン

ロボアドバイザーサービス「THEO」を展開。運用者数は約2万7000人、預かり資産は約200億円。「THEOは、プロが運用するモデルを誰でも気軽に運用できる付加価値の高い最先端ロボアドサービスです。米国最大の年金基金CalPERSなどで採用の機能別ポートフォリオを、日本のロボアドとして唯一実装しています。運用面では、ロボアドとして唯一、毎月の自動リバランス・リアロケーションを実装しています。2017年度グッドデザイン賞も受賞しました」(担当者)

ロボアドバイザーとは?

ロボアド, ロボアド 種類, ロボアド 比較 (写真= YAKOBCHUK VIACHESLAV/Shutterstock.com)

・預かり資産は9カ月で5倍に

ロボアドバイザー業界の国内上位は「WealthNavi(ウェルスナビ)」「楽ラップ」「THEO(テオ)」「MSV LIFE」の4サービス。

日本投資顧問業協会によると、4社の預かり資産の合計は、2016年12月末時点の139億円から、17年9月末時点の662億円へと、わずか9カ月で およそ5倍になり、利用者が増加していることが伺えます(※)。

※編注:預かり資産は時価評価額。「THEO」の預かり資産には「ETFラップ」の預かり資産を加算。1億円以下四捨五入。

・対面証券とロボアドバイザーの違い

阿部さんによると、資産アドバイスのサービスは、少し前までは対面証券会社の「ラップ口座」など、まとまった資産(例えば300万円~)のある人向けのものが主流だったとのこと。この場合、手数料などのトータルのコストは年間3%以上になることもあるようです。

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国内では2016年ごろから拡大し始めているオンライン完結型のロボアドザーサービスなら、少額かつ低コストで、証券会社の資産アドバイスと同等のサービスを受けることができると阿部さんはいいます。手軽さとわかりやすさが評価され、これまで資産運用をしたことのない世代へも広がりをみせているのだとか。

現在は、ロボアドバイザー専門で事業展開している企業のほか、ネット証券会社、銀行なども参入し、国内約20社がロボアドバイザーを取り扱っているのだそうです。

投資初心者にとって、証券会社の門を叩くのはどうも敷居が高く感じられますよね。ロボアドバイザーの登場によって、投資がより身近なものになってきているのは確かでしょう。

ロボアドバイザーの種類

続いて、ロボアドバイザーの種類について阿部さんに教えていただきました。

阿部さんによると、ロボアドバイザーにはさまざまなタイプのサービスがあり、大きくは「アドバイス型」と「投資一任型」という2種類に分類されます。また、「アドバイス型」の中には「投資一任型」に非常に近いタイプのものも登場しています。

1. アドバイス型

ロボアド, ロボアド 種類, ロボアド 比較 (写真= beeboys/Shutterstock.com)

証券会社のサービスのひとつとして、その証券会社に口座のある人、あるいは広く一般に公開しているツールです。利用は無料で、投資対象は投資信託。

投資初心者に興味を持ってもらうため、あえてくだけた質問を設けるなど「占い」のようなテイストのものも。

また、提案される投資信託が自社系列の商品であるなど、営業ツール色を感じるサービスもあります。

2. 投資一任型に限りなく近い「アドバイス型」

ロボアド, ロボアド 種類, ロボアド 比較 (写真=panuwat phimpha/Shutterstock.com)

アドバイス型の中でも、「発注をロボが行うのか、自分が行うのか」、くらいの差しか感じられない、果てしなく「投資一任型」に近いものが登場しています。代表的なサービスには、「投信工房」「マネックスアドバイザー」などがあります。

無料で使えるものもあれば有料のサービスもあり、投資対象は投資信託、ETF(上場投資信託)です。

分散投資には定期的な「リバランス」が必要になりますが、これは個人で行おうとすると大変な手間暇がかかります。その「リバランス」指示が簡単なステップでできるサービスも出てきています。

3. 投資一任型

ロボアド, ロボアド 種類, ロボアド 比較 (写真= Haywiremedia/Shutterstock.com)

投資一任契約を結ぶことで、ロボが自動的に売買やリバランスを行ってくれるタイプのサービスです。サービス利用料は有料で、年1%程度が目安です。投資対象は投資信託、ETFです。トータルコストで比較すれば、3よりも、2のほうが割安なケースがあります。

2017年ロボアドバイザー業界の振り返り

ロボアド, ロボアド 種類, ロボアド 比較 (写真=Antonio Guillem/Shutterstock.com)

「ロボアド元年」といわれた2016年ごろから急拡大したロボアドバイザーですが、2017年は国内への認知度が広がり、参入企業や利用者の増加もみられる躍進の年となったようです。

2017年7月には、ロボアドの認知向上を目的として、ロボアドサービスを手掛ける13社が合同イベントを開催しました。

【当日の様子をリポートした記事がこちら】
ロボアドバイザーに「中の人」!? 会ってきたら、こんな人たちでした〜投資一任型編〜

イベントでは、各社が「運用成績を自主開示していく」方針も発表しています。

当日も参加していた阿部さんは、「運用成績の公開で信頼性をアップし、多くの方にサービスを利用してほしいという、業界全体の願いもあるのでしょう。ライバル社同士が一緒にこうした発表をするのは大きなことです」と語ります。

2018年はどうなる?ロボアドバイザー業界の動向予測

それでは、ロボアドバイザー業界は今年どのような動きを見せていくのでしょうか。

【取材でわかったロボアド業界のポイント】

  • 利用者の増加は確実視
  • 「おつり投資」や「ポイント投資」などの新機能
  • 地銀との協業で、ロボアドがもっと身近に?
  • オンライン×対面のロボアドサービスの拡大
  • 透明性の向上に期待

・利用者数はさらに増加を予測!

ロボアド, ロボアド 種類, ロボアド 比較 (写真=Dean Drobot/Shutterstock.com)

利用者数については、阿部さんもロボアド各社も「増加する」と予想。

「金融機関や事業会社との協業によって、ロボアドサービスはさらに広がり、サービス利用者も増加していくでしょう」(阿部)

「働く世代の資産形成ニーズが高まっていることから、2017年からの上昇トレンドが継続し、運用者数はロボアドバイザー上位4社で20万人を超えると予想します」(ウェルスナビ)

「利用者数は2017年と比較して大きく拡大すると想定しています。大手金融機関の参入もほぼ完了し、市場の認知が高まっていく年になると考えられるため、より多くの資金がロボアドバイザーに流入してくるものと考えています」(お金のデザイン)

・「おつり」「ポイント」と組み合わせ機能拡充

ロボアド, ロボアド 種類, ロボアド 比較 (写真= Syda Productions/Shutterstock.com)

ロボアドの機能については、おつりやポイントなどと連動した取り組みが広がっていくようです。

「楽天スーパーポイントでは、楽天証券の投資信託の買い付けができます。投資は怖いと感じる人でも、貯まったポイントをちょっと投資してみよう、というのならハードルは低くなります。その際、『まず、ロボアドに資産配分を聞いてみよう』というような形で、投資指南ツールとしてロボアドサービスが併設されるのは、自然なことのように思えます」(阿部)

すでに「おつり」を使ったロボアドサービス「マメタス」を展開するウェルスナビは、

「2018年は、機能の拡充や、ターゲットユーザーの多様化が進むと考えます。ウェルスナビが展開している『マメタス』のような、”おつりで資産運用”のサービスが本格的に成長し、若い世代を中心にロボアドバイザーへの興味関心が高まりそうです」

と若年層への広がりに期待していました。

・リアルと融合した「ハイブリッド型」が成長

ロボアド, ロボアド 種類, ロボアド 比較 (写真=boonchoke/Shutterstock.com)

これまでオンラインで完結していたロボアドサービスですが、2018年はオフラインと組み合わせた「ハイブリッド型」も成長すると、ロボアド2社はみているようです。

「対面型の相談サービスとロボアドバイザーを組み合わせたハイブリッド型など、従来型から発展したサービスが成長すると考えます」(ウェルスナビ)

「ロボアドバイザーを活用したネットとリアルの融合も進み、ハイブリッド型のロボアドバイザーも普及する年になると想定しています」(お金のデザイン)

・地銀や事業法人との連携も加速

ロボアド, ロボアド 種類, ロボアド 比較 (写真= Indypendenz/Shutterstock.com)

従来のサービスとの融合が期待されるとなると、個人ユーザーだけではなく、地銀や事業法人への影響も避けられません。

「2017年は、地方銀行がロボアドサービスと提携して運用指南をはじめたり、投資信託の販売ツールとして役立てるなどの動きがありました。こうした協業の動きが増えていけば、地元の銀行と提携したロボアドサービスが使える日も近いかもしれません」(阿部)

「2018年は、これまで金融機関のみが提供していたロボアドバイザーを、事業法人なども活用していく動きが拡大していくと考えます」(お金のデザイン)

ロボアド業界に望むのは「トータルコスト」の明確化

ロボアド, ロボアド 種類, ロボアド 比較 (写真= Khongtham/Shutterstock.com)

個人投資家として資産運用も行っている阿部さんは、2018年のロボアド業界に期待することとして「トータルコストの明確化」を挙げました。

ロボアド投資を行う場合、主に3種類のお金がかかります。

  1. ロボアドサービスの利用料(無料の場合もあり)
  2. 投資する投資信託やETFの売買コスト
  3. 保持する間の信託報酬などの保有コスト

「現状では、各種ロボアドのサービス利用料は明確でも、1〜3を合わせた『トータルコスト』がわかりづらい場合があります。投資家が必ず負担しなければならない『トータルコスト』の明確化、できれば税込み・税抜き含めてフォーマットをそろえてもらえると、利用者はサービスをより比較しやすくなるのではないでしょうか」(阿部)

変化の激しいロボアド業界、ぜひ最新情報を

ロボアド, ロボアド 種類, ロボアド 比較 (写真=JKstock/Shutterstock.com)

ロボアドは参入企業数も増え、いままでのロボアドの課題を吸収する形で新規サービスが生まれてきています。2018年もさらなるサービス拡充や、利用者の増加が期待されます。

しかし、ネットの記事を見ると、2016年ごろのやや古い情報も多くあるようです。今年ロボアドを始めようと思っている方は、ぜひ最新情報を得るように心がけ、楽しい投資ライフを送りましょう!

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