(写真=beeboys/Shutterstock.com)

【連載】「マネー相談は人生相談。女性FPたちのホンネ日誌」

#31 不妊治療中、「子供」を想定したライフプランに意味はある?

佐々木愛子のつぶやき【前編】

あまり表に出ることのないファイナンシャル・プランナー(FP)という職業の女性たちに、普段どんな相談を受けているのかリレー日誌形式でつづってもらう連載。FP佐々木さんのもとを訪れたのは、子供を授かることを待ち望んでいる、42歳の女性でした。

不妊治療も最近では当たり前

FPという立場の私たちは、医師の次ぐらいに、女性のセンシティブな事情を直接聞く立場にある職業だと思います。

不妊治療という言葉が今ほど浸透していなかった数年前から、私を頼ってくださる女性顧客の中で、10人に1人ぐらいは当たり前のように治療に励んでいました。

今でもこの類の相談はとても多く、統計的にも今後増えてくることは確実でしょう。

不妊治療に励んで数年経つご夫婦からの相談

ファイナンシャル・プランナー, 女性 (写真=Tero Vesalainen/Shutterstock.com)

以前、相談を受けた小百合さん(仮名、42歳)は、ご主人と結婚されて5年目。小百合さんは初婚ですが、ご主人は2度目の結婚でした。お互いに子供を授かることが夢で、不妊治療に励んでから数年が経過していました。

相談内容は、「子供を授かった場合の家計シミュレーションをして欲しい」というものでした。

私としては、実はこれ、困った相談なのです。

「タラレバ」には意味がない

妊娠してからの相談であればともかく、いつ誕生するかわからない子供のシミュレーションは、誤解を恐れずにいえば、ほとんど無意味です。

長い不妊治療の末、お子さんを授かる方もいれば、そうでない方もいます。不妊治療のため休業される方もいます。

子供が一人いるかいないかで、生涯の家計収支は約2000万円の差があるといってもいいでしょう。そこに配偶者の収入減が加われば、さらに大きなブレが生じます。

そもそもライフプランの目的とは?

ファイナンシャル・プランナー, 女性 (写真= marekuliasz/Shutterstock.com)

そもそもライフプランは、「収支の各条件を満たした場合、こうなりますよ」というシミュレーションなので、簡単に言えば「タラレバ」です。

ただ、そんなタラレバでも、実際起こりうる確定要素(たとえば、子供の入学年などからの教育費の支出、定年退職時の退職金収入など)をベースに持っているからこそ、一定のブレ(予想外のキャッシュアウトなど)が起こった場合でも、ここまでなら耐えられる、または、この年から家庭内収入をこれだけ上げれば赤字を回避できるなど、「シミュレーションをする意味」があるのです。

話を戻しますと、いつ起こるかわからないイベントを、闇雲に打ち込んでも、無意味だということです。

しかし、お金を払ってまでシミュレーションを含む相談を希望する顧客に、「無意味なので、しません」とは言いません。

私は「あくまでも2年後にお子さんが誕生すれば……」の前提で、お話をしました。

(後編#32に続く)

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※この連載は、奇数話がお悩み紹介の【前編】、偶数話が解決編の【後編】になっています。

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