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転職前にいくら貯金すべき?失業保険や転職活動にかかるお金を調べてみた

失業保険がもらえるから大丈夫……は危険!

誰でも一度は、仕事をしていて「転職したい」と考えたことがあるのではないでしょうか。実際に転職に向けて行動する人は一部かもしれませんが、もし本気で転職を目指すなら、さまざまな準備が必要です。

特にお金の備えは重要。次の職場へ就職するまでに無職期間があることを考慮すれば、貯金は必須になりますし、生活費の見直しによる節約も大切です。不安のない就職活動をするためには一体どれほどのお金が必要なのか、そして、前もって何をしておくべきかを見ていきましょう。

転職するには貯金はいくら必要?

1. 転職活動中は何にお金がかかるのか

転職, 貯金, どのくらい (写真= Den Rise/Shutterstock.com)

安心して転職活動をするには、お金をしっかり備えておく必要があります。では、転職するにはどのくらいの貯金があればいいのでしょうか。今の職場で働きながら転職活動できれば問題ないかもしれませんが、退職して転職活動に専念するとなれば、それなりの蓄えをしておくことが重要になります。

まず、転職活動にかかるお金には、どのようなものがあるのか考えてみましょう。

生活費はもちろんですが、転職活動で主にかかるのは、面接のための「交通費」です。他の業種や職種への転職も選択肢に入れている場合は、多くの企業に足を運ぶ可能性が出てきます。その他にも、スーツや靴など、転職活動に向いた身だしなみのための衣類や小物を買い足す必要があるかもしれません。

また、転職先の分野に関する勉強をするなら「学習費」もかかりそうです。そして、外に出る機会が増えるため、外食が増えることも考慮しておいたほうがよいでしょう。

2.自己都合退職だと失業保険はすぐにもらえない

転職, 貯金, どのくらい (写真=WAYHOME studio/Shutterstock.com)

なかには、「退職したら、しばらくは失業保険がもらえるから大丈夫」とゆったり構えている人もいるかもしれません。けれども、実はそうとも言い切れないのです。

失業保険、正式には「雇用保険の基本手当」と言いますが、給付される日数や金額はどのような理由で退職したかによって変わります。

特に、転職活動を理由とする退職は「(正当な理由のない)自己都合による退職」と見なされることに注意しましょう。その場合、失業保険をもらえるのは、ハローワークで受給手続きをした日から数えて原則7日間の待機期間に加え、さらにその翌日から3カ月間の給付制限期間を経てからです。

そして、自己都合退職の場合、失業保険はどのくらいもらえるのでしょうか。失業保険の給付日数と金額は、退職理由に加えて、雇用保険の被保険者期間でも変わります。

雇用保険の被保険者期間/失業保険給付日数

  • 1年以上10年未満:90日
  • 10年以上20年未満:120日
  • 20年以上:150日

60歳未満の場合、1日当たりの給付額は、退職日前6カ月の賃金日額のおおよそ5~8割です。

なお、退職理由が転職なら、退職前に失業保険を受給できるかを確認しておきましょう。正当な理由のない自己都合退職の場合、失業保険をもらうには「離職した日から過去2年間の間に、雇用保険の加入期間が通算12カ月以上であること」という条件を満たしている必要があります。この条件をクリアしていないと、会社を辞めても失業保険は受け取れることはできません。

3. 転職活動期間に必要な貯金額を計算する

転職, 貯金, どのくらい (写真= pattarawat/Shutterstock.com)

失業手当がもらえることを前提にすると、転職に必要な貯金額はどのように計算すればいいのでしょうか。そこで考えなければいけないのが、転職活動がどのくらいの期間になるかです。

半年程度と見ておきたいかもしれませんが、長引くことも考慮して、できれば1年間で見積もっておくのが安心でしょう。つまり、転職するのに必要な貯金額は

1年間の生活費(転職活動費含む)ー失業保険の受給金額

となります。たとえば、生活費と転職活動費が合計で毎月20万円かかるとし、転職活動の期間を1年間と仮定します。給付される失業保険手当が60万円だとすれば、転職に必要な貯金額は「20万円✕12カ月ー60万円」で180万円ですね。

意外とお金がかかると感じた人が多いのではないでしょうか。1年間分の生活費を貯めるのが厳しければ、最低でも半年分の生活費は貯めておきましょう。理想を言えば、いざというときの費用として2割程度上乗せできるとさらに安心です。

転職までにしっかり貯金しておく必要があると強調するのは、転職活動期間の生活費をまかなうためはもちろんですが、精神的な不安を少しでも和らげる意味合いもあります。

無職の期間というのは、それだけで気持ちが不安定になりやすいもの。ギリギリの貯金を切り崩して生活していては、転職に対する焦りが増し、正確な判断ができなくなってしまう危険もあるでしょう。

とにかく就職しなければ……と急いで転職した先が自分に合わない会社だったら、また転職を繰り返すという事態にもなりかねません。落ち着いて転職活動を行うためには、事前にしっかり蓄えておきたいですね。

転職までに貯金しよう!生活費見直し編

転職, 貯金, どのくらい (写真=fizkes/Shutterstock.com)

転職までに必要な貯金額が分かったら、さっそくお金を貯める行動に移りましょう。

まずは、現状で毎月かかっている生活費を見直してください。無駄遣いや、必要以上にお金がかかっている項目があれば要チェックです。節約して貯金に回すためでもありますが、退職後の転職活動に備えて、今から家計をスリム化させておく狙いもあります。

生活費を見直すには、まずは固定費からメスを入れましょう。固定費は、一度見直しておけば節約効果がずっと続きます。転職活動中の連絡手段としてスマートフォンや携帯電話は必須ですが、現在の利用状況を確認し、適切なプランになっているかをチェックしてみましょう。

また、スマートフォンであれば、格安SIMに乗り換えることで、必要な機能を保ったまま通信費の大幅節約が可能になる場合もあります。その他にも、保険や車の維持費など、毎月決まって一定額が出ていく支出は固定費ですので、無駄がないかチェックしてみましょう。

食費にお金がかかり過ぎている人も要注意。勤めているうちは、外食やお惣菜のテイクアウトを頻繁に利用していても、金銭的に問題なかったかもしれません。しかし、転職活動中は貯金や失業保険で生活することになりますから、退職する前から少しでも引き締めておきたいところです。

そうでなくても、転職中は食事を外でとることが多くなる可能性がありますので、できるだけ自炊の習慣をつけておくとよいでしょう。ランチはお弁当や水筒を持参する、カフェに行く回数を減らすなど、少し意識するだけでも食費は節約できます。

いきなり自炊や毎日お弁当を作るのはハードルが高いと感じるなら、お米だけでも炊いてお惣菜を購入するなど、慣らし運転から始めてはいかがでしょう。会社を退職して本格的な転職活動に突入する前に、今からできることを見つけて取り組んでおくと、負担が少ないはずです。

転職までに貯金しよう!節約・ライフハック編

転職, 貯金, どのくらい (写真=Alliance/Shutterstock.com)

「転職までに生活費を見直して貯金するぞ!」と意気込んでみても、そもそも支出を把握する習慣ができていないなら、まずはそこから始める必要があります。といっても、家計簿をつけるのはなかなか大変なこと。そこで、手軽に支出の記録ができる「家計簿アプリ」を利用するのがおすすめです。

家計簿アプリは、スマートフォンやタブレットにインストールして、必要事項を登録するだけで使い始められます。有料の機能もありますが、基本的には無料で使える機能も多いため、自分に合う家計簿アプリを探してみましょう。

当たり前のように毎月お給料が振り込まれている状況では、1カ月生活するのに自分が何にいくら使っているのか、いくらあれば生活できるのか、分からないまま過ごしているという人も多いのでは? 貯金額の目安を知るためにも、支出は見える形で残しておきましょう。

もし節約がつらいと感じるなら、「先取り貯金」をしてみましょう。先取り貯金とは、給料が振り込まれたら先に貯金分を取り分け、残りのお金で生活するという貯金方法です。

「貯金するお金を残さないと」と思うとやりくりが面倒ですが、先に貯金してしまえば、残りのお金はすべて使ってもいいことになりますよね。残高を気にする必要がないと、気は楽になるものです。

先取り貯金するなら、金融機関の「自動積立定期預金」も検討してみましょう。振り込まれた給料のうち貯金分を別口座へ自動で移すことができるため、効率的かつ継続しやすいというメリットがあります。

転職までに貯金しよう!投資編

転職, 貯金, どのくらい (写真=Number1411/Shutterstock.com)

●短期でもうかる投資は危険

今は投資の情報が簡単に手に入る時代です。パソコンやスマートフォンがあれば、収入を増やすことも難しいことではなくなりました。もし、転職によって希望の働き方ができるのなら、他の手段で収入を補ってもいいと考える人は少なくないでしょう。

ただし、転職活動中の生活費を投資で一気に稼ごうと考えるのは危険です。なかには、株式投資やFXで短期間に大金を稼いだという成功エピソードを発信している人もいますが、誰もが成功しやすい方法ではありませんし、リスクが大きくなります。

転職活動中の生活費は、自分が決めた退職日までに必ず必要になるお金ですので、安定的な運用を心がけることが大切です。

●毎月無理なく継続できるのは積立投信

転職を機に投資を考えるなら、将来に向けた運用を始めてみてはいかがでしょう。毎月少しずつ投資信託を積み立てる「ミニ株」や「るいとう(株式累積投資)」を買い増していくなど、無理のない範囲で続けられるものを選択してみてください。

ただし、転職という近い未来の目標があるなら、まずは貯金ができていることが大前提。もし、淡々と積み立てていく運用方法でも値動きが気になってしまうようであれば、転職するまで投資をしないのも選択肢の一つです。

働きながら転職先を決めるとしても、退職してから転職活動に専念するとしても、自分の時間を有意義に使うことが何よりの「投資」になります。特に、退路を断っての転職活動なら、少しでも早く就職して働き始めることが、生活を安定させる一番の方法です。

***

「転職したい」という気持ちが強まるあまり、見切り発車で会社を辞めてしまうと、次の就職までお金に困るという事態を引き起こしかねません。退職して転職活動に専念しようと考えるなら、まずは転職までにかかる生活費をしっかり計算し、貯金の計画を立てましょう。

お金の不安が和らぐ分、きっとより良い転職活動ができるはずです。

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