
(最新)特集:投資信託ってなんだ?
第8回 私たちにぴったりの投資信託の選び方
あんず×みらいの投信講座〜第8回「投資信託の選び方」
この特集では、投資の知識がゼロでも分かるように、「投資信託」についてイチからじっくり解説していきます。
☆登場人物紹介 あんずちゃん……DAILY ANDSのゆるキャラ。株とお酒が好物。 >あんずちゃんとは? みらい……あんずちゃんの友人。ファイナンシャル・プランナー(FP)の資格を持ち、投資信託に詳しい。
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あんず「投資信託には6000以上の商品があるって、びっくりしちゃった!」
みらい「あまりにもたくさんの投資信託があると、どう選んだらよいのか迷っちゃうよね。今日は、自分にぴったりな投資信託を選ぶときの3つのポイントと、投資信託選びをおまかせできちゃうサービスについて教えるから安心して」
あんず「それを聞いてホッ。今日もよろしくお願いしまーす!」
※前回の記事はこちら→第7回 投資信託の積立とは?「ドルコスト平均法」メリット・デメリットを解説
投資信託選びの3つのポイントとは?
<みらいちゃんは投資信託選びの3つのポイントについて次のように解説してくれました>
1. グループから選ぶ
投資信託は、なにに投資をするのかによって「株に投資する商品」or「債券に投資する商品」に分かれています。
そして、どこの地域(国内or海外)に投資するのかによって、「国内の株」「海外の株」、「国内の債券」「海外の債券」と4つの商品グループに分かれます。
・投資信託の基本的な4つのグループ
- 国内✕株
- 海外✕株
- 国内✕債券
- 海外✕債券
そのほか、不動産に投資するものや、金や原油といった商品に投資するものもありますが、まずは基本の4つのグループを覚えておきましょう。
あんず「へー、同じような仲間に分けると4つになっちゃうのね」
みらい「この中から投資してみたいグループを決めるのが、投資信託選びの第一ステップなの」
あんず「株と債券、国内と海外かぁ。ピンとくるような、こないような……」
みらい「むずかしく考えなくていいわ。たとえば外食する時をイメージしてみて」
<みらいちゃんは外食する時のたとえを次のように話してくれました>
「今日は何が食べたいかなぁ?お肉かな?それともお魚?」
「和食かな?それとも、洋食?」
外食する時、お店とメニューは自分で決めますね。でも、その先の調理はおまかせです。プロのコックさんや調理人が、コンディションのよいお肉やお魚を選んで、より美味しく調理してくれます。投資信託もそれと同じ。
「株にする?債券にする?」は「お肉にする?お魚にする?」
「国内にする?海外にする?」は、「和食にする?洋食にする?」
みたいな感じです。
「どっちも!」だったら、両方入っているものを選べばいいんです。
あんず「どっちも食べたい!!」
みらい「ほんと食いしん坊なんだから(笑)」
(写真=Watchara Ritjan/Shutterstock.com)
2. 運用スタイルを選ぶ
投資信託には、アクティブ型とインデックス型といった2つの運用スタイルがあります。
インデックス型とは「平均的な成績を目指す運用スタイル」のこと。たとえば日本の株式市場の平均値をあらわす「日経平均」といった指数と連動する成果を目指します。
日経平均が1%上がるとインデックス型の運用成果も1%上がり、日経平均が1%下がるとインデックス型も1%下がるわけですから、日常の株価ニュースを聞いているだけで、その投資信託の運用状況を把握できます。
指数に連動させるには、その指数を構成する会社に同じように投資すればよいだけ。
だから運用会社にとって「もっとリターンをあげられる会社はどこかな?」と投資先の会社を調べたり分析したりする必要がないんです。そういう人件費がかからないから、投資信託の運用コストも低く抑えられているのが大きなメリット。
アクティブ型とは、指数を上回ることを目指す「積極的運用スタイル」のこと。
上回らせるために、ファンドマネージャーなどが、手間をかけて投資先の調査や分析、売買のタイミングなどを判断します。そのためインデックス型より高コストのものが多い傾向にあります。
あんず「アクティブ型とインデックス型、どっちがいいんだろう」
みらい「ちなみにね、アクティブ型だからってインデックス型より絶対に利益があがるっていうわけじゃないのよ」
あんず「えー!コストも低いし運用成績も絶対良いわけじゃないなら、インデックス型の方がいいじゃん」
みらい「そうとも言い切れないわ。運用会社の目指す考え方や組み入れられている銘柄が『ちょっと好きかも』と、自分の感覚に合っていればコストを納得した上で、アクティブ型を選ぶのも一つの考え方。投資信託選びは、自分に合っているか、という視点が大事なの」
あんず「そうだった!私にぴったりな投資信託をちゃんと選ばなきゃ」
(写真=ImageFlow/Shutterstock.com)
3. コストを比較する
投資信託には、購入時手数料・信託報酬・信託財産留保額の3つのコストがあります。(参考:投資信託にかかるコストはどのくらい?)
同じ商品でも販売会社によって差があることもある購入時手数料、投資信託を保有している間ずっとかかる信託報酬、解約の際にファンドに残していく信託財産留保額、それぞれのコストは運用成果のよしあしに関係なくかかります。
投資信託選びでもコストを意識しないと、せっかくの運用成果を十分にゲットできない可能性も。
コストの比較サイトを利用すれば、同じ商品でもコストが安い販売会社や、同じような運用スタイルの中でコストの安い商品はどれなのかを手軽に調べられるので、是非活用してみましょう。
投資信託選びをおまかせできちゃうサービスとは?
(写真=Stock-Asso/Shutterstock.com)
あんず「投資信託もグループ分けや運用スタイルで絞り込んで、コストに注目すれば、自分にあった商品が見つけられるんだね!でも……」
みらい「でも……どうしたの?」
あんず「ちょっと面倒くさいというか、まだ自分で選ぶ自信がないかも……」
みらい「じゃあ、ロボットアドバイザーを試してみる?」
まだ投資信託に慣れなくて自分で商品を選べない、誰かにアドバイスを求めたい、という声に応えて、投資信託選びを「おまかせ」できるサービスがあります。
それが、ロボットアドバイザー(略、ロボアド)。いくつかの質問に答えると、その人に合った投資信託や組み合わせを提案してくれる優れもの。今や多くの金融機関が無料でサービスを提供しています。
あんず「それ、簡単で便利!」
みらい「たしかに、便利よね。でも、ちょっとだけ気になることがあるの。もしも運用成果がよくない(値下がりしている)状況になった時、自分で選んだわけではない投資信託の行方をじっくり待ったり、つみたてを続けることってできるのかな?って」
あんず「確かに……。株でも自分で選んだものと、誰かに選んでもらったものでは、よくない状況になった時のテンションに差は出るかも……」
みらい「投資信託でも同じ。やっぱりできれば人におまかせするんじゃなくて、今日話した3つのポイントで、自分にぴったりの投資信託を選べるようになるといいね」
あんず「がんばろ〜」
次回は、はじめて投資信託を購入する人のための3つのステップ
あんず「投資信託選びが出来たとして、実際にはどう始めたらいいのかな」
みらい「あんずちゃんは株の経験はあるけど、投資信託は初めてだもんね。じゃ次回は、はじめて投資信託を購入するための手ほどきを教えるわ」
あんず「わーい、楽しみ!いよいよ投資信託デビュー!」
(続く)
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執筆=冨田仁美/みらい女性倶楽部