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【連載】「マネー相談は人生相談。女性FPたちのホンネ日誌」

#29 母とふたり暮らし。古い家を建て替えたい独身女性のマネー相談

廣木智代のつぶやき【前編】

あまり表に出ることのないファイナンシャル・プランナー(FP)という職業の女性たちに、普段どんな相談を受けているのかリレー日誌形式でつづってもらう連載。FP廣木さんのもとを訪れたのは、70歳になる母親とふたり暮らしをする38歳の独身女性でした。これから先、どんなことに気をつけて資金計画を立てればよいのか?なかなか正しいアドバイスに出会えなかった相談者の様子が伝わってきます。

38歳 独身、看護師のお悩みは「住宅環境」

人の命を救う看護師という使命感のある仕事をバリバリこなすあかりさん(38歳、独身、仮名)は、70歳になる足の不自由なお母様と栃木の田舎でふたり暮らしをしています。

仕事に満足していて今後も結婚は考えていないとの事ですが、兄弟もなく母親が年老いていくにつれ、いろいろと先の事を考え始めたこの頃。。

あかりさんのお悩みは「住まい」でした。

築50年の一軒家の「建て替え」を決意

あかりさんの自宅は300坪という広い敷地に建つ一軒家。築50年と古く、最近は雨漏りに悩まされています。過去に無理な増築をしたため歪みもかなりあります。足の不自由なお母様のことを考えるとバリアフリーが理想ですし、お父様の遺した荷物もこれを機に処分したいという気持ちもあります。

あかりさんは思い切って建て替えをする決意をし、住宅展示場に足を運んだのでした。

しかし、家の建て替えにどのくらい費用がかかるのかもわかりません。

ひとまず、預貯金の1200万円のうち頭金を1000万円入れるつもりという事と、何となく今の給料から試算すると月々7万円ぐらいなら負担なく払えるということを営業マンに伝え、見積もりを作ってもらうことにしました。

imageTitle (写真=Alexander Raths/Shutterstock.com)

営業マンの見積もり内容

後日、見積もりを見てみると、その金額は4000万円。頭金は1000万円とし、残りの3000万円は借り入れで賄います。ローンの年収は35年で返済額は月々8万円程度となるそうです。

払えるといえば払えるのですが、あかりさんはちょっとローン期間が長いなと思いました。ところが営業マンは、「看護師なら銀行もお金を貸してくれますし、心配しなくても払えますよ。退職時に退職金で残金一括返済すればいいんです。それに、皆さん35年ローンですので大丈夫です」。

あかりさんが自宅に帰り、建て替えの話をすると、お母様が大反対をしました。理由は独身のあかりさんが70歳過ぎまで住宅ローンを抱えることへの心配と、退職金を返済にあててしまったら老後の生活が厳しくなるという不安でした。

そして、なによりも、娘に負担をかけたくないという事でした。

あるFP事務所での提案は「住み替え」

あかりさんは資金計画から練り直そうと思い、都内のFP事務所に相談に行きました。そこでは建て替えではなく、自宅を売却しマンションへ移住する「住み替え」を提案されました。

確かに、費用の負担は少なく済むのですが、敷地300坪で庭のある生活から、庭のない狭いマンション暮らしに母親が馴染めるのか、さらには自分も馴染めるのか……不安は募ります。

その後、あかりさんは友人から予算に合わせて設計してくれるという工務店を紹介してもらいます。この時、マンションへの住み替えも頭にあり悩んでいたあかりさんを見て、工務店から筆者のところに「ライフプランや資金計画の相談にのってあげて欲しい人がいる」と連絡があったのでした。

このご相談、情報がたくさん出てきましたが、それでもまだ筆者は大切なことが見過ごされていると感じました。そこで、さらにヒアリングを進めると、あかりさんとお母様にとって良い結論を導き出すための「事情」が見えてきました。(後編<12月21日、公開予定>に続く)

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