(写真=筆者撮影)

「30分の朝礼」で働き方改革。営業女子が実践した生産性アップ術とは?

「秋フェス2017 営業女子の大収穫祭」リポート

働く女性が結婚・出産後も長く活躍するには、限られた時間で効率よく働き、かつ結果を出すことが大切です。

でも、「効率よく成果を出す」には具体的に何をしたらいいの?

そんな悩みや疑問を抱える多くの女性のみなさんのため、全国3400人の会員数を誇る女性営業職のためのコミュニティ「営業部女子課」のイベントにDAILY ANDS編集部が潜入してきました。

効率よく成果を出す「達成女子」になるべく、皆さんの実践例を見てみましょう。

※本記事は2017年11月23日開催「秋フェス2017 営業女子の大収穫祭」(営業部女子課主催)の内容を編集したものです。

営業部女子課とは?

営業女子, 働き方改革, コミュニケーション術 (写真=筆者撮影)

営業部女子課は、2009年に始まった現役女性営業職のためのコミュニティ。

営業の現場はまだまだ男性が中心とされ、職場で孤立する女性も少なくないことから、女性営業職が業種や会社を超えて交流・切磋琢磨できる場として、株式会社ベレフェクト代表の太田彩子さんが立ち上げました。

営業女子, 働き方改革, コミュニケーション術 (写真=筆者撮影)

少子化ジャーナリスト白河さんと「達成女子」が登壇

この日の「秋フェス」では、少子化ジャーナリストの白河桃子さんと、営業女子であり太田さんが主宰する「達成女子大学」の卒業生の2人(松本弘子さん、狩野純子さん)をお迎えし、営業女子の成功体験と失敗体験、働き方改革などについてのパネルディスカッションが行われました。

営業女子, 働き方改革, コミュニケーション術 (写真=筆者撮影)

太田:それではおひとりずつ自己紹介をお願いします。

白河:昔から太田さんとは仲良くさせていただいて、活動も素晴らしいなと見てきました。以前からこの営業部女子課に来たいといっていたので、実現して嬉しいです。とにかく営業女子ってパワフルなんですよね。今日はいま働き方改革の中で何が起きているのかとか、これから働き方をどう構築していけば良いのかというところのヒントになるようなお話ができればいいなと思います。

松本:現在、営業9年目です。新卒から3年間JTでたばこの営業をしていて、その後転職し、現在の会社です。いまは、RDサポートという人材紹介会社で、求職者の支援と企業の採用コンサルティングをやっています。

狩野:私は旅行会社のJTBで新卒から17年勤めています。最初の10年間は国内旅行のパンフレットを作る仕事をしていました。その後店頭で7年間、そのうちの3年間は店長を経験しました。今日はその時のマネジメント経験などもお話しできたらいいなと思います。

人材紹介営業の「スーパーコミュニケーション術」

営業女子, 働き方改革, コミュニケーション術 (写真=筆者撮影)

太田:それでは、まず今日のテーマである「スーパーコミュニケーション」についておうかがいしたいと思います。まず、松本さん。松本さんのすごいところは、達成女子大学に入ってバキバキと成果をあげていて、まさに達成女子なんですよね。その中で、うまくいった経験を教えていただけますか。

松本:私はいま人材紹介の営業をしています。近年、有効求人倍率が非常に高い中、限られた時間で業績を上げていくには、企業との意識の共有と、求職者の方を説得していくコミュニケーションがとても重要だと思っています。

初回商談で私が大切にしているのは、単なる御用聞きにならないことです。そのために、とにかく私が本気でやっているというところを見せるよう心がけています。商談のゴールとして、御用聞きと依頼主という上下関係ではなく、採用パートナーとか第二人事部というようなウィンウィンの関係で終わることを目指すのが成功する商談のコツかなと思います。

私が成功したなと思う商談は、企業のビジョンや経営者の創業した時の思い、その会社でしか成し遂げられないキャリア、他者との違いなど、その会社の魅力をキャッチアップできた時です。

旅行会社の店舗改革に取り組み、業績アップ

営業女子, 働き方改革, コミュニケーション術 (写真=筆者撮影)

太田:ありがとうございます。限られた時間の中でも、熱い想いを大切にしているんだなと思います。では、狩野さんいかがでしょう。

狩野:旅行会社の店舗の仕事って、店頭でのお客様をご案内するだけじゃなく、実はそれ以外の業務がすごくたくさんあるんです。切符を準備する、渡航の準備をする、お客様のフォローをする、販促をかける、営業数値の管理などなど。

私が配属になった店舗でも、毎日業務が山積みになりみんなが業務に疲弊してしまっていました。毎日2時間の残業が常態化し、このままでは、みんなも会社を辞めたくなってしまうし、お客様にとってもマイナスになる。

そういう思いから、私なりの働き方改革を考えてみました。まず始めたのは、毎日30分の朝礼でした。個人が抱えている業務を共有し、誰の業務が逼迫していて誰が余裕があるのか、そして店舗全体として何をしなくてはいけないのかという目線あわせを行いました。

そして、余裕がある人は接客に集中できるようにし、忙しい人は裏で集中時間を作るなどのスケジューリングを行います。それによって、余裕のある人は「接客に集中して営業成績を稼ぐぞ」と前向きな気持ちになれるし、忙しい人は「自分のためにみんなが頑張って店頭に出てくれているから、早く終わらせないといけない」という思いがでてきます。

仕事を分担することによって、成約率も上がって、業務効率も良くなりました。残業も、いままで2時間あったのが30分ぐらいまで短くなりました。

太田:ありがとうございます。狩野さんの場合は、マネジメントするという立場でお話しいただいたのですが、みなさんも、後輩がいたりとか、組織に働きかけるヒントになったのではないかと思います。

「働く時間は有限であること」に着目しよう

営業女子, 働き方改革, コミュニケーション術 (写真=筆者撮影)

太田:白河先生、営業女子の働き方改革を進めていくにあたって大切なことってなんでしょうか。

白河:働き方改革を進めるにあたって、まずすべきことは「働く時間は有限であること」に着目することです。時間の有限性に気づくと、業務効率改善が起こり、チームの協力関係ができます。

先ほどの狩野さんの事例では、社内のコミュニケーションの質が上がって、思考の質も上がって、行動の質が上がって、結果としてサービスの質が上がるという、とてもいい好循環が生まれたのだと思います。

営業の世界でも、単に足繁く通えばいいというような時代はとっくに終わりました。これからは、より精度の高い営業が求められてきます。

精度を上げるのと同時に、属人化しないというのもひとつ大きなポイントです。営業女子のみなさんは、個人のスキルがすごく高くて、私だけの営業スタイルとか私だけのコミュニケーションとかあると思います。ただ、常にその人しか対応できない状況だと、その人が休めなくなってしまいますよね。時間の有限性を意識して、属人化を排するということも意識してもらいたいと思います。

働き方改革は、経営者にとってはもちろん経営課題ではありますけれど、個人にとっては自分の働き方や生き方を決めるチャンスです。ぜひ結果を出しているみなさんからも、積極的に提案していってください。

営業女子の失敗談

営業女子, 働き方改革, コミュニケーション術 (写真=筆者撮影)

太田:松本さん、そうはいってもなかなかうまくいかなかったこともあるんじゃないかなと思うんですが、何か失敗した体験などはありましたか?

松本:はい。去年の夏ごろ、ある会社さんとの関係づくりがうまくいかなかったという失敗経験をしました。

ある求職者の方が、最終面接の日程調整まで進んだのですが、他の会社と意思決定で迷っているということを聞きまして。

私は、求職者本人にヒアリングしたうえで、企業側にも相談したんですが、企業の担当者から「最終面接は社長面接だ。最終面接前に志望度が低いなんていう情報を俺の耳に入れるな!」とすごく怒られたんです。求職者の方には、そのまま最終面接受けていただいて、結局は辞退ということになってしまいました。

企業側との初回商談の際、私はいつも通りの熱量を持って挑んだつもりだったのですが、関係が作りきれず、おそらく企業側にしてみると「外部の業者」というところから抜け出ていなかったのかなと思います。

そのような失敗も受け、人材会社は成約率や効率を意識しながら、企業側の意識改善や採用コンサルティングも含めたアプローチをしていかなければいけないなと思うようになりました。

太田:ありがとうございます。

「仕事を任せてはいけない」と思い込んで失敗

営業女子, 働き方改革, コミュニケーション術 (写真=筆者撮影)

太田:狩野さんの立場からの失敗体験や乗り越えた経験を教えていただけますか?

狩野:私は、店長時代の部下との関わり方で反省した経験をお話ししたいと思います。

私なりの働き方改革を進めてそれなりにお店が整ってきた状況で、個人の収入や店舗のあり方をみんなで見直そうという、第2フェーズに取り組み始めたんです。

1年間の予算を日割りにして、数字にコミットしてもらおうとしました。数字を与えると、すごくやる人と、そうでない人が出てきます。

どうしても私の目はガンガン稼いでくれるメンバーにいきがちで、その人にばかり期待をかけてコミュニケーションを密にとってしまっていたんですね。

ある年、そのメンバーが転勤することになりまして、その後しばらく店舗をどのように整えようかと様子を見ていたんです。そうしたら、営業成績がトップの人の影に隠れてしまって、なかなか稼ぎ頭になれなくてウズウズしていた人たちみんなが一番を狙いに行く、という状況になっていたんです。私が勝手に「大人しいし積極的じゃないからあまり仕事を与えてはいけない」と思っていたメンバーも、どんどん力を伸ばしていくようになりました。

そのとき、私は店長として一歩引いて多面的に評価するということができていなかったなと反省しました。社員を平等に評価し、信頼して任せることができるようになってはじめて組織って活性化するんだなと学ばせていただいた経験でした。

働きにくい環境は、思い切って転職を

営業女子, 働き方改革, コミュニケーション術 (写真=筆者撮影)

太田:最後に白河さんにお聞きしたいのですが、営業女子も結構、失敗体験をしながら頑張っています。そんな働く女性にいつもどんなアドバイスをしていますか?

白河:ひとつ幸いだなと思うのは、いま転職環境が整ってきていることです。会社が違うと働き方には天と地ほどの差がでます。今の勤め先の環境が働きにくいと思っている方は、思い切って転職を視野に入れるのもいいと思います。そういう時はぜひ松本さんに(笑)。

今、本当に新しい時代に入っていて、現場では日々、さまざまな「働き方改革」が行われています。例えば、味の素では勤務時間は午前8時15分から午後4時半までで、いずれ7時間労働に近づけたいとう目標をもっています。社長に聞いたら、みんなが午後4時半に退社すれば、保育園に行く人も後ろめたくないでしょ、と。

そのほかにも、どこでも働けるというどこでもワーク制度や、コアタイムのないスーパーフレックス、時間有給など。なぜそこまでやるんですか?と聞いたら、「日本的な働き方では本当のダイバーシティは実現しない。真のグローバル企業を目指しているからだ」と仰っていました。

自分の時間を大切にしないと、他人の時間も大切にできない

営業女子, 働き方改革, コミュニケーション術 (写真=筆者撮影)

白河:自分の時間をいくら仕事に捧げても良いと思っている人は、悪気はなくても相手の時間を無駄に使ってしまうことがあるんです。自分の時間を大切にしている人は他人の時間も大切にできるんですけど、逆も然りなんですね。

つまり、取引先の働き方改革が進めば進むほど、(改革が)進まない会社とは時間観念が合わなくなってきます。先方は精度の低い商談をする余裕がなくなっていくんです。

時間の有限性に着目している人とそうでない人って、あまりにも考え方が違ってくるので多分付き合えなくなってくるんですよ。みなさんのクライアントさんも、もしかしたら知らないうちに変化しているかもしれません。

このように、だんだん周囲の環境が変わってくるので、営業も昔ながらのやり方ではいけない時期になっているんだと思います。

そういったアンテナをはるのもひとつの良いコミュニケーション術になるのではないかなと思いました。これからも頑張ってください。

管理職になってはじめて見える世界がある

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太田:ありがとうございます。それでは、最後に一言ずついただきたいと思います。

狩野:私は管理職として働いていますが、正直、最初は管理職として働きたくありませんでした。店長をやりなさいと言われた時には会社を辞めるぐらいのことを言いました。でも、実際に経験して、結果としてやってみてよかったなとすごく思います。

重圧も責任も重いしすごく大変でしたけど、予算達成した時の喜びも増すし、お給料も上がるというのもあるし、やっぱりその視点に立たないと見えない世界があるんだなと。管理職になるチャンスがあったら積極的に挑戦してほしいなと思います。

松本:私は直近1年間、会社の働き方改革のプロジェクトに参画していまして、フリーアドレス化、モバイルワークオフィスの契約、テレワークの制度導入とか制度に関する教育など管理部門とともに取り組んでいました。結果、残業は全体で数百時間減り、業績は落ちていないというのが実績として上がっています。

自分自身に関して言うと、あまり結果が出なかった時、もう一度実績を出すために最初にやったことは「帰ること」でした。帰って頭をクリアにする。そして次に、いろんな煩雑な業務を楽にする方法を考えて、そのあとは8割の力で終わらせられるようにするという段階を踏んで、3カ月ぐらいかけてやりました。そうした時に、自分自身にものすごく余裕が出てきて、実績も出せたというのがありました。

帰るのってすごく不安だし、業務量減らすと業績が落ちるんじゃないかと思うんですけど、私はやってすごくよかったなと思っています。もしいま悩んでいる方がいたら、ぜひやってみてください。

白河:おふたりから働き方改革の実態について良いお話をいただいたので、私からあまりいうことはないんですが、女性が管理職になるということに、ぜひ機会があれば挑戦してほしいなと思います。結果を残せる能力の高い人は、困ったときに人に助けを求めることができる「ヘルプシーキング能力」が高いという研究結果があるんですね。

そういう部分を持っている人が、まわりを巻込んで、管理職としてもうまくやれるのではないかというのもあります。いま女性がいろんなことをしっかり主張することによって、物事が動いて変わっていくのだなと思うので、みなさんにはすごく期待しています。

特に、仕事が好きで、成果を出して楽しく働き続けたいと思うような女性の方が、このまま自分の思うような人生を生きていけると見せていくことで、後進の女性もそれに続いていくと思います。

後進の女性のためにも、仕事を続ける、管理職になって結果を出すということにもぜひ挑戦してもらいたいなと思います。

太田:ありがとうございました。

営業女子のスーパーコミュニケーション術TOP3

営業女子, 働き方改革, コミュニケーション術 (写真=筆者撮影)

この日は、参加者のみなさんが実践している「私のスーパーコミュニケーション術」を発表し、良いと思ったアイデアに投票するというコーナーもありました。

上位に選ばれた「スーパーコミュニケーション術」3つをご紹介します。

第3位「明確なゴール設定の上、先入観をなくしヒアリングに徹します!!」

受賞コメント:どんな状況においてもお客さんのことを知るというのが、営業にとって一番大事だと思っていて、今回のヒアリングに徹するということを挙げました。みなさんに選んでいただいたので、自分自身、もっと自信を持って徹底してやっていきますし、またメンバーにも伝えていきたいと思いました。ありがとうございました。

営業女子, 働き方改革, コミュニケーション術 (写真=筆者撮影)

第2位 「会うまでは営業。席に着いたら専門家として目・耳・心で相手の相談に乗る」

受賞コメント:私が思う営業の究極系というのは、例えば人気のラーメン屋とか、ディズニーランドで人気のアトラクションとか、ファンがどんどん並んでいくようなものです。もちろん業種にもよると思いますが、私は会うまでは営業、会って席についたら専門家として相手の話を聞くことを心がけています。その際、話を言葉だけで聞くのではなくて、どういう本音があるか、これからのライフプランにどのような課題があるのかなどを言葉以外のメッセージでも聞いていくことが大事なんじゃないかなと思っています。

第1位 「目の前の方に恋をしている気持ちで接します。傾聴、笑顔を心掛けます」

受賞コメント:エレクトロニクス系の商社で営業をしております。営業4年目になるんですが、営業は小手先の技術でやろうとしてもバレてしまうと思います。人の気持ちを読み取って、それに対応していくのが大事だと思い、それを「恋」と表現しました。みなさんに共感していただいたので、これからもその気持ちを大事にしていきたいですし、周りにも広めていきたいと思います。

仕事を好きになって、幸せに働こう

営業女子, 働き方改革, コミュニケーション術 (写真=筆者撮影)

主宰の太田さんは、「営業部女子課のゴールは、営業女子たちが営業をもっと好きになって幸せに働けることです。時代が激変する中でも、営業女子でよかったよねと思えるような、いわばベースキャンプを目指して営業部女子課はこれからも活動していきます」とのコメントで会を締めくくりました。

失敗を乗り越えながら、活躍し続けるコツは、業界を超えてさまざまな事例を学ぶことにもあるのかもしれません。

営業女子も、営業でない女子たちも、信頼できる仲間とともに前進していけると良いですね。

(「秋フェス2017 営業女子の大収穫祭」リポート、おわり)

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