(写真=筆者撮影)

「今回は違う」はバブル崩壊の合図~グラドル杉原杏璃さんが語る「投資家人生」

杉原杏璃さん✕大江英樹さん対談・後編

グラビアアイドルとして活躍しながら、投資歴12年の株式投資家でもある杉原杏璃さん。どんなきっかけではじめ、どんなふうに投資しているのでしょう。経済コラムニストの大江英樹さんとの対談をお送りします。

前編では杉原杏璃さんが投資を始めたきっかけや失敗談、中編では銘柄を選ぶときのポイントをうかがいました。

最終回となる後編では、市場の見方やリスク、長く投資を続けるコツについてのお話をお届けします。

※本記事は2017年12月6日開催「FROGGY LIVE #2」(SMBC日興証券・FROGGY運営事務局主催)の「Session 3 杉原杏璃『わたしの投資家人生』」の内容を編集したものです。

興味のない銘柄は買わなくていい

杉原杏璃, 大江英樹, 投資 (写真=筆者撮影)

大江:杉原さんは、塩漬けになってしまってどうしようもないから持っているのではなく、本当に自分が「いいな」と思っている会社で、成長を長期的に見るために持っている銘柄はありますか?

杉原:あります。わりと大型の銘柄です。私は父が建築系の会社をやっていますので、建築関係も身近にあるテーマです。長期的に持っている銘柄があります。

大江:身近にあるということもキーワードですね。

杉原:そうですね。他の分野もチャレンジしてみたいのですが、どうしても例えば製薬といった、興味の持てない分野もありまして。

大江:それはそれで、いいんじゃないでしょうか。個人投資家は、興味がなかったら買わなくていいんですよ。

トレンドは逃げ足が速い

杉原杏璃, 大江英樹, 投資 (写真=筆者撮影)

杉原:でもやっぱり毎年トレンドの銘柄というのはありますよね。投資をしているからには、そういった雰囲気も味わってみたい。

大江:でもトレンドに乗るのも良し悪しですよ。

杉原:そうなんですか。

大江:世界最高の投資家と言われているアメリカのウォーレン・バフェットという人は、買っているものはジョンソンアンドジョンソンとか、コカコーラとかそういう銘柄ばかりで、アメリカのIT バブルのときも、IT系企業には投資をしませんでした。自分の知っているものしか買わない、それでも構わない気がしますけどね。 杉原:そうなんですか。今日は大江さんに、2018年のトレンドを聞いて帰ろうと思っていたのに(笑)

大江:一概には言えないと思うんですが、トレンドとしてずっと続いている AI 、それに関連した自動運転技術とか。今のトレンドにあたるものは一応見ておく必要があるかもしれないですね。ただ難しいのは、話題になった頃はすでに遅かったりする。

杉原:そうなんですよね。

大江:トレンドを追いかけすぎることは、必要ないのではないかと思いますね。

市場の流れがどこまで続くかに注目

杉原杏璃, 大江英樹, 投資 (写真=筆者撮影)

大江:私は証券会社にいましたので、株式セミナーなんかをやると、景気はどうだ、金利はどうだという話をしても、皆さん寝ている。それで最後に推奨銘柄は……と話し出すと、皆さんいきなり起きるという(笑)

週刊誌の袋とじになっている特集などで、こんな銘柄がいいという情報はいろいろ出て来ますけれど、そんなに当たるものではありません。

杉原:そうなんですね。

大江:たまたま当たるものもあると思いますが(笑)。むしろそれよりも、今の市場の流れがどこまで続いていくのかを気にした方が良いように思いますね。今年を振り返ったとき、今年はすごく調子が良かったじゃないですか。

杉原:はい。

大江:10月には上昇で最高記録を作りました。だけど、もうそろそろバブルなのではないかという人もいますよね。

杉原:私はなんとなく、日経平均株価は3万円にいくのではと思っているのですが。

大江:そこまで行くかはわかりませんが、私は個人的には今の状況はまだバブルではないと思っています。目先では下がるかもしれませんが、今はバブルの頂点という印象はありません。

「今回だけは違う」と聞こえ始めたらバブル

杉原杏璃, 大江英樹, 投資 (写真=筆者撮影)

大江:バブルのピークというのは、渦中の人たちにはわからないものなんです。終わってから「あれがバブルだったんだ」と分かるんですね。ただ、今は「バブルじゃないか」と思っている人がまだたくさんいるじゃないですか。そういうときは、まだバブルじゃないんですよ。

杉原:あー、そうなんですね。

大江:そういう人がだんだんいなくなってきて「もう上がるしかない」となってくる。それから、これがキーワードです。「今回だけは違う」と。

杉原:あははは。それが危ないんですね。

大江:「今回だけは違う」と言うおじさんが必ず出てきます。アメリカでもTTID(This Time is Different)と呼ばれているんですよ。誰もが強気になって、暴落を懸念するような人がいなくなったときがピークです。

株価とは「影」のようなもの

杉原杏璃, 大江英樹, 投資 (写真=筆者撮影)

大江:杉原さんは、自分の投資で、こういうことが困る、こういうことが知りたい、といったことはありますか?

杉原:売るタイミングのポイントです。これを重視するといいよ、というところが知りたいです。私は、感覚でしかないんですよ。

私の場合は、中期・長期と短期の銘柄では変わってきますが、何パーセントの利益が出たら利益を確定するといった、自分の中のセオリーを決めているつもりなのですが。

大江:無責任な言い方になるのですが「自分なりのルールを決める」でいいと思うんですよ。

杉原:そうなんですか。

大江:よく言われるのは「これだけ下がったら売る」といったロスカットルールですが、そこには論理的な根拠は何もないわけですよね。自分としてのルールとして決めているというだけですから。

上昇のときも下落のときも、自分の中で同じようにルール化したものを決めて、納得していればいいんじゃないかと私は思います。

さらに、「割高のときには売って割安のときに買う」ことを考える。長期的には利益と株価を一致するというのはみなさんの言う通りです。でも株価というのは短期的には、企業の実態や価値と一致しないんですよ。

杉原:なるほど。

大江:株価というのは影みたいなものです。上から光を当てると実際よりも小さく見える、下から光を当てると、実態よりすごく大きく見えます。小さく見えるときは割安で、大きく見える時は割高です。

これからは、だんだん影が大きくなってくる局面に入ってくると思います。その場合は全体的に早めに利益を確定する方がいいような気がしますね。

営業利益とキャッシュフローに注目

杉原:大江さんは、何を参考にされて売買されているんですか?

大江:私の場合は2つあります。まず、その会社が「何で儲かっているか」です。儲かりの構造、どういうことを収益の中心として考えているのかということです。「会社四季報」だけでなく、経営者のインタビューを読むなどして儲ける秘密をまず考えます。

杉原:なるほど。

大江:「儲かる秘密」をテーマにして、企業を取材しているテレビ番組があるじゃないですか。そうしたものも見て、この会社はどういう風に目をつけたのか、真似のできることなのか、競争環境はどうなのかをチェックする。それが、利益が持続するかということに繋がるからなんです。

後は、実際にその企業が上げている利益の水準に対して、株価が割高か割安かということで、端的なものは PER(株価収益率)になると思いますが、私の場合はむしろ税引き利益よりは営業利益、つまり本業でどのくらい稼いでいるかということを重視します。

あとはキャッシュフローですね。本業で稼いで、営業キャッシュフローがずっと安定的にプラスになっているのかということは見ますね。

杉原:細かく見られているんですね

リスクに見合った投資額で10銘柄に分散

杉原杏璃, 大江英樹, 投資 (写真=筆者撮影)

大江:個人投資家、これから株式投資を始めてみようかなという人に対して、12年やってきた杉原さんからのメッセージはありますか?

杉原:いえ、本当に自分の資産の中の 4割くらいの、仮にこの全てを失ってもなんとかなるといった金額で、自分が信じられる会社だけを買う。それのみでやってきているので。単純なんです、私の方法は。

大江:なるほど。

大江:自分の取れるリスクに見合った金額だけを使うべきだということですね。

杉原:あとは10銘柄くらいに分散をしています。さらにその中で大型株、新興株に分けています。

大江:自分の持っている金額の4割を株式投資にするという、その割合はどうやって決めたんですか?

杉原:6割ぐらい残していないと不安なので。私のような仕事って、次の日にオーディションが入ったら、行かなければなりません。不規則でアルバイトもできない中で、自宅でできるものということで「今はネット証券が流行っているらしい」とか、そういうところから選んだのが株式投資だった、という理由もありますので。

大江:株式投資に向ける金額は全資産の何割が適当か、ということは人にもよると思うのですが、自分なりのルールを作っておくということは大事ですよね。ほかに、自分の中で決めているルールはありますか?

杉原:仕事中は相場の動きを見ることができないので「指値」をしておきます。相場に張り付いて見られたらいいなと思いながらそうしているわけですが、仕事をしながら株式投資をしている人はみんなそうだと思うので、割り切るようにしています。

大江:どっぷり入り込んでしまったら、かえってうまくいかないかもしれませんからね。

杉原:力を入れずに売買行く方がいいような気もして。

大江:そうですよね。大事なことは休むということですね。

杉原:休むですか。

大江:常に、資金を全部投資してしまうフルインベストメントの状態にしておくのではないという意味も含めて。

杉原:なるほど、私は、投資金額は全資産の4割ですけど、そのお金は常に株式投資をして資金を動かしているので、それでちょっと疲れてしまうんです。

大江:疲れるのはよくないよね。私は、勝負するときは勝負するという考え方ではあるんだけど、常に余裕を持ってやっていくということは大事だと思うんですよ。応援したい会社の株をじっくり持つということも、余裕を持ってできることになるわけですからね。

杉原:引き続き勉強できればと思います。ありがとうございました。

大江:今後もお仕事を頑張っていただきながら、株式投資もぜひ続けていただければと思います。今日は大変ありがとうございました。

(杉原杏璃さん✕大江英樹さん対談、おわり)

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