(写真=Stock-Asso/Shutterstock.com)

【連載】「マネー相談は人生相談。女性FPたちのホンネ日誌」

#30 「退職金でローン返済」は現実的ではない理由

廣木智代のつぶやき【後編】

あまり表に出ることのないファイナンシャル・プランナー(FP)という職業の女性たちに、普段どんな相談を受けているのかリレー日誌形式でつづってもらう連載の後編。一軒家の建て替えを決意し、色々とアクションをとったものの、なかなか納得のいく結論を出せず、相談に来たあかりさん(38歳、独身、仮名)。工務店の紹介でFP廣木さんと出会い、ようやく納得のいく結論に達したようです ※この連載は、奇数話がお悩み紹介の【前編】、偶数話が解決編の【後編】になっています。

【前編はこちら

ヒアリングすると分かってきた大切なこと

私はこれまでの経緯と現状を色々と伺いました。さらに、現在住んでいる家の場所や様子を確認させてもらいました。

足の不自由なお母様は通院や買い物に行く時は、近所の友人にサポートしてもらっているようでした。お母様は、お父様の残した道具に思い入れがあり、自分の生きている間は残したいものがあるようでした。

また、今住んでいる地方では都内ほど不動産に魅力がないため、売りに出したとしても、すぐに買い手がつくとは限りません。まして、駅や高速のインターから遠いという立地で、もう住めないような古い建物が残っているとなると、ずっと売れないということも考えられます。

そんな状況では、やはり住み替えではなく「建て替え」の方が良いように思えました。

ファイナンシャル・プランナー, 女性 (写真=YAKOBCHUK VIACHESLAV/Shutterstock.com

独身だからこそ退職までに返済を

あかりさんは住宅展示場で出会った営業マンから、退職金をあてに35年のローン返済を見込んだ見積もりを提案されました。しかし、今後の人生に、何が起きるかなんて誰もわかりません。退職金をあてにするような資金計画は無理があります。

配偶者や子供がいればもしもの時に頼れますが、今のところあかりさんは独身ですし、今後結婚するつもりもないそうです。退職する頃には、もしかしたらお母様の介護をしなくてはならないかもしれません。お母様がいなくなってしまったら、頼れる人もいなくなるのです。

だからこそ、現役のうちに返済完了を考えるべきです。同時に、老後資金もしっかり準備する必要があります。もしかしたら、住み替えはそのあと必要になってくるかもしれませんが、その時なるべく売れるような家になるよう、今のうちに手入れをしながら維持していくことを考えてもらう事にしました。

資金にも気持ちにも余裕のあるプランを

結果的に、少し小さくはなりますが、工務店で使い勝手の良い家を2000万円で設計してもらうことになりました。予算の範囲内での納得した家づくりは、工務店だからこそできます。頭金は500万円で、1500万円の住宅ローンを20年で組むことをお勧めしました。

預貯金の残りの700万円は不測の事態に備えたり、老後資金への投資に回したりすることもできます。これで新しい家を手に入れつつ、気持ちにも余裕を持つことができます。お母様も気持ちよく賛成してくれました。

あかりさんは、家ができあがったら私を新しい家に招待してくれるという約束をしてくれました。私はこれからも、現状把握、ライフプラン、人の気持ち、そして地域性を大切にした提案をしていきたいと思います。(廣木智代のつぶやき、おわり)

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