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【連載】「女性が住まいに「投資」をするということ」

#05 立地だけじゃない。価値ある不動産を目利きする「もう一つ」のポイント

資産価値としての不動産を見極めるポイントを伺いました

「女性が住まいに『投資』をするということ」についてインタビューする当連載

金融商品への投資なら銘柄の将来性を重視する人のほうが多いのに、なぜか「家」となると、内装や間取りの好みで決めてしまう人が多いのも事実です。

不動産を見極めるための本当のチェックポイントはどこなのでしょうか?

前回に引き続き、さくら事務所会長で不動産コンサルタントでもある長嶋修さんにお話を伺います。

物件選びで優先すべきは「立地」「築年数」どっち?

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――いざ不動産を選ぶ段階になったとき、どんな建物を選べばよいのでしょうか?

連載の第1回でもお伝えしましたが、何にも優先して立地のよい物件を選ぶべきです。"不動産"と言われるように、家は動きません。立地は変えられないのです。

【立地を見極めるポイントはこちらをチェック♪】
#01上澄み15%を狙え!「投資マインド」を持って不動産と向き合う

――建物に関していえば築年数は関係ないのでしょうか? 例えば、築年数は古いけど「駅チカ」の物件と、「築浅」だけど駅から少し遠い物件ではどちらを選ぶべきでしょう? 不動産を購入する女性は新耐震基準のマンションを希望する傾向がありますが、立地がよく築浅の物件となると、かなり高額になってしまいます……。

その比較で言っても、築年数より立地を優先した方がよいと思いますよ。もしも新築だとしても駅から遠いところにあったら、将来的には価値が下がる一方ですから。

ロケーションや立地の良さを前提として、建物の検討はその次です。

それに、築古だから構造的に劣っているともいえません。新耐震基準は、1981年6月以降に建築確認申請が出された建物に対して適用されていますが、それ以前の物件が全てダメだというわけではないのです。

旧耐震基準の時期に建てられた物件であっても、新耐震基準より頑丈なものもある。ただ、基準がない分ばらつきが多いので、図面を見たり、あるいは建物の形を見て、堅牢性を判断する必要があります。

築古物件を見極める、ホームインスペクションとは?

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――「ホームインスペクション(住宅診断)」が役立つ局面ですね。インスペクションではどのようなところをチェックするのでしょうか。

さくら事務所のホームインスペクションでは、以下の項目を診断します。

・著しい建物の傾き
・建物が一方向に傾き沈下する「不同沈下」の可能性
・継続が予想できる雨漏りの形跡
・著しい施工不良の有無
・構造耐力上主要な部分の著しい損傷
・建物の構造を支える骨組み部分の腐食・変形の有無
・屋内給排水管の著しい劣化による水漏れやその形跡
・詳細な調査が必要となる箇所の有無

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――築年数が古くても、上に挙げられたような不具合が調査で出ていないのなら買ってもよいということでしょうか?

ホームインスペクションでは、「現時点で欠陥があるか」「詳細な調査が必要か」ということはもちろん、「いつごろ、どこに、いくら程度の費用がかかるのか?」「あと何年くらいもつのか?」など、先々の見通しも含めてお知らせします。

最終的に決定するのは購入される方自身ですので、判断の助けとなる豊富な判断材料を提供しています。

立地とコンディションで物件を評価する時代へ

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――耐用年数やメンテナンス費用の目安が分かれば、自分が所有したときのシミュレーションができますね。では、売るときの資産価値はどうなのでしょうか?

新築信仰があったこれまでは、不動産の価値は新築のとき最も高く、20年・25年でゼロになってしまうと言われていました。けれども、これからは築年数を無視した建物評価が始まるでしょう。

近い将来、立地と建物のコンディションさえ良ければ、築年数は関係なくなる時代が来ると思いますよ。

――何か新しい動きがあるのですか?

宅地建物取引業法の改正により、2018年4月からは、仲介契約時に宅地建物取引業者が、ホームインスペクションの説明をすることが義務化されます。こういった動きが加速すると、築年数で住宅価値を輪切りにするのではなく、建物のコンディションが価値に影響するようになってきます。

立地がよくても価値が暴落!?

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――ホームインスペクションの存在を知ったら、きっと中古物件を購入する際に診断を希望する人が増えますね。そうなると必然的に、建物の堅牢性やメンテナンスの度合いが資産価値にダイレクトに影響してくるようになるかもしれません。築古でも、コンディションのよい物件を買っていれば資産価値にも反映されそうです。

今はまだ、地盤や築年数にとらわれている人が多いので、投資目線で住宅を購入するのであれば築古も狙い目ですよ。その際には立地と状態のよい不動産を目利きすることが重要なポイントになります。

ーー近年、都心では中古のリノベーション住宅が人気です。築年数が古くても好立地ということで、新築顔負けの価格がついているマンションも多く見られます。この傾向は、市場が築年数よりも立地を重視し始めていることの証明かもしれませんね。

ただ、いくら立地がよくてもメンテナンスされていない物件や構造に欠陥がある物件を買ってしまえば、住み心地が悪化することによって資産価値が暴落することや、修繕費が値上がりするリスクもありますので、気をつけてください。

――ありがとうございます!

価値ある家を買うために

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手頃で価値のある住宅を買うには、「好立地の中古住宅を目利きできるかどうか」がポイントになりそうですね。

実際に不動産を購入するとなったら、ホームインスペクションや物件見学・内見の同行を依頼するのも有効な手段です。

予算としては、さくら事務所の場合、ホームインスペクションは戸建てが6万円から、マンションは4.5万円からとなります。また物件見学・内見同行は5万円からだそう。

こうしたサービスを利用するのもよいかもしれません。(#06<coming soon>に続く)

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今回お話を伺ったのは……

画像縮小 (写真=筆者撮影)

長嶋 修(ながしま・おさむ)さん
さくら事務所創業者・不動産コンサルタント。不動産デベロッパーで支店長を務めた後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社となる「さくら事務所」を設立、会長。また、住宅の「安全性」をはかるホームインスペクション(住宅診断)の分野では、パイオニアとして「NPO法人 日本ホームインスペクターズ協会」を設立するなど、普及・発展に努めている。著書に『マイホームはこうして選びなさい』(ダイヤモンド社)他、多数。

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