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失敗しない!共稼ぎ夫婦の「お金の管理術」をFPが伝授

共稼ぎ夫婦のお金の管理に必要なこととは……?

こんにちは、婚活FP(ファイナンシャル・プランナー)山本です。

私は普段、新婚さんなど、比較的若い方のマネー・婚活相談を承っています。

ただ、相談に来られる方の家計管理方法は皆バラバラ。もちろん、しっかり管理できていればいいのですが、中には管理しているとは言い難い夫婦も……。

そこで今回は、私が普段、相談者におすすめしている「共稼ぎ夫婦のお金の管理方法」をお伝えします。

ぜひ、あなた方夫婦の家計管理に、お役立てくださいませ。

共稼ぎ夫婦の「お金の管理」3つのおすすめテク

婚活FP, 共働き, お金の管理 (写真=noppawan09/Shutterstock.com)

私が皆さんにおすすめしているのは、主に次の3つの方法です。

  1. 目標設定と目標の共有
  2. 家計簿と資産額の共有
  3. 反省と対策の共有

それぞれ、なぜ必要なのか?それらをしないとどういう困ったことがおきるのか?順番に見ていきましょう。

1. 目標設定と目標の共有

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まずは「目標設定と目標の共有」です。そもそも「家計管理」とは、この部分が一番大事になるのですが、大多数の家庭では、この部分が抜けています。

あなたは今回、どうして家計を管理しようと、したいと考えたのでしょうか?きっとそれは、大なり小なり「何となく未来が不安だから」といった思いからではないでしょうか。

そのお気持ちはとても大事であり、行動をしようとしている辺りは、とても立派です。ただ、それなら「何となくの未来を、もっとしっかり考える」ことが重要になります。

正確にいえば「未来をどうしたいかを今考える」です。

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・目標が不明瞭だと、必要な貯金額がわからない

例えば、あなた方夫婦は、子供は何人ほしいですか?

その子達には、どのような教育をしたいですか?

そして、現在の夫婦の経済力で、それは叶えられるのでしょうか?

「その時になってみないと分からない」や「その時にできるようならするし、できないようならやらない」という考えがあるなら、家計管理の意味がありません。

家計管理は、「叶えたい未来を、最低限、お金の面では叶えられるように準備しておく」ためにします。

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そして、ご夫婦の現状(生活水準)や叶えたい未来(目標)次第で、「保つべき生活水準」や「毎月必要な貯金額」が変わります。このため、目標が不明瞭だと、必要な貯金額が分からないため、どうしても管理しきれなくなります。

ただし、さすがに一般の方に「今後の生涯全て」というスパンでお金のことを考えるのは、かなり難易度の高いことになりますので、まずは考えられる範囲で大丈夫です。

ひとまず、子供の人数や、家を購入するかどうか、あたりから考えていきましょう。

・目標がないと、月40万円貯金しても「赤字」

例えば、私の相談者で、こんな夫婦がいました。「私たちは毎月40万円貯金しています。これだけ貯金してれば大丈夫ですよね?」と。

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計算したところ、答えは「ノー」となりました。生涯スパンでその他も色々考えると、約1億円の赤字になる計算になったのです。

この夫婦の年間の収支をみるとこんな感じです。

▽月40万円でも生涯スパンで「赤字」となった夫婦の年間収支
夫婦の手取り年収:1200万円(世帯年収は約1700万円)
   年間貯金額:480万円
   年間生活費:720万円
      家賃:180万円
      食費:60万円
   その他諸々:60万円
差引夫婦の小遣い:420万円(一人210万円、毎月約17.5万円)

月に17万円の小遣いって考えると高額そうに感じるかもですが、意外と簡単に使えてしまう金額です(1日約6000円ですし)。

そしてだからこそ「普通」に使ってしまい記憶にも残らず、反省もなかなかできないも。しっかり貯金しているとなおさらです。

貯金480万円で支出720万円なら単純計算でも、3年貯金して2年分の生活費ですから30年貯金しても20年分にしかなりません。でも、老後は30年以上続きます。

さらに、このご夫婦は老後に毎年100万円程度の旅行などを計画していたので、夫婦の退職金(2000万円)を考えても「いくらなんでもムリです」となったワケです。

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一般的な方の家計管理のイメージは「その月に赤字が出ていなければ管理できている状態」であり「十分な額の貯金をしていれば大丈夫」となりがちですが、実はこれはちょっと違っています。

本当の家計管理とは、「生涯スパンで赤字にならない状態を維持」してこそ、「家計を管理できている状態」になります。

この夫婦も、本気で「40万円も貯金してるんだし大丈夫だろ?」と最初は強気でした。でも、この夫婦の場合は、そもそもそれまで子ども3人分の教育費で貯金ができておらず、年齢も50代前半で、貯められる時期も短いという欠点がありました。

当然ながらこのご夫婦には、節約を提案しました。

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・「目標の共有」が円満の原動力に

また、目標は夫婦で共有しないと、意味がありません。途中で変えるにしても共有することが大事であり、目標(願望)が違えば夫婦の努力や足並みがそろわず、多くの場合でお互いへの不満に繋がります。

私の相談者でも、いろんな方がいました。「欲しい子供の数が夫婦で違う」「家への願望が夫婦で違う」「一方が浪費してしまう」「一方が倹約家すぎて疲れる」などさまざまです。

中には直前になって、本音を言ったり心変わりしたりして、ケンカになった夫婦もいましたね。

目標の設定と共有には「夫婦間のコミュニケーション」が不可欠です。しかし、意外とお金の問題は、夫婦間でも話題にしにくいことも多い傾向にあります。

それでも、上手く話し合えれば「夫婦共通の目標」は、夫婦が手を取り合う原動力になります。まずはしっかりと夫婦で未来をどうするか、どうしたいかを本音で話し合いましょう。

2. 家計簿と資産額の共有

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次は「家計簿と資産額の共有」です。

そもそも、あなた方夫婦は今、お互いに「相手がいくら稼いでいるか」や「普段何にいくら使っているか」、そして「現在の貯金額」などをご存知でしょうか?

・夫婦別会計は「共倒れリスク」が高い

近頃では共働きの影響もあって、夫婦であっても原則別会計で、家賃や教育費などは同額ずつ負担する……などといった管理方法を取る夫婦もいます。

しかし、このような方法では互いに相手の経済状態が分からないため、時に一方が「お金を出せない」状態になることがあります。

教育費や住宅ローンの負担が重い頃には特に、です。

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また、本人はそのような状態になることが薄々分かっていても、夫婦別会計だともう一方はそれに気づけず、そしてもう一方も二人分は支払えない状態であれば、夫婦共倒れになります。

他にも、さまざまな相談を受けてきました。例えば「妻が上手くやっていると思ったら火の車だった」「夫がギャンブルで貯金を失っていた」「夫婦どちらも、いざという時は相手を頼ればいいと考えていた」などです。

いずれも、互いの資産や家計状況が共有できておらず、また監視できていないために起こる「コミュニケーション不足」が原因ですね。

家計簿や資産状況を共有することは、まずこれらを防止することに役立ちます。同時に夫婦の足並みと金銭感覚をそろえ、二人で目標を達成する意識も高めます。

そのためにも、ぜひ互いに資産状況を公開し、二人で家計簿を付けていきましょう。

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・簡単に家計簿を付けるには

ちなみに、家計簿の付け方については大丈夫でしょうか?

最初からイキナリしっかり付けるのは難しいので、まずは手始めに「何にいくら使ったか」だけをしっかり記録していきましょう。そして1カ月が経過したら、「何に」の部分別に、1カ月分の数字を集計します。

すると、収入に対するおおよその各支出の割合や金額、具体的な貯金額などが出てくるでしょう。

まずは、このサイクルを毎月繰り返します。

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・家計簿には「投資残高」も記録しよう

家計簿には「夫婦それぞれの貯金額」や「投資をしているなら、その残高」も一緒に記録することをおすすめします。

互いの貯金額も常に明確になりますし、家計簿部分との収支の差で使途不明金の金額や家計簿の正しさも判断が簡単です。

何より、慣れてくると「世帯としてこのままなら、いつ頃にいくら貯まりそうか」が簡単に分かるようになります。

・面倒だけれど、家計が分からない方が恐怖

なお、家計簿というのは多くの方が最初、かなり面倒に感じます。しかし、慣れてくると段々と、家計状況が分からないほうが恐怖に感じるのです。

そこまでは辛抱が必要ですが、しばらくの間頑張って家計簿を付けてみてくださいませ。

3. 反省と対策の共有

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最後は「反省と対策の共有」です。

・貯金額と目標達成見込みをチェック

家計簿を見てみて、その月はどれだけ貯金できたでしょうか。そして、そのペースで貯金を続ければ、目標を十分に達成できそうでしょうか?

目標は「今後の生涯全て」というスパンで考えられたでしょうか。

ちなみに、子ども一人を大学卒業まで育てるのに必要な教育費は約1500万円と言われています。22年で割れば年で約70万円、さらに月で割れば約6万円の貯金が必要ですね。

この6万円を超えていれば良し、下回っているなら家計改善が必要になります。

・ライフイベントが増えたら必要貯金額を増やそう

もちろん家のことや老後のことなど、他にも考えておくべきことがあれば、必要な貯金額はどんどん増えます。

そうして、最終的に必要な貯金額を計算して、それを月々の貯金額が下回っている場合にどうやったら超えられるかを考え、その通りに家計を運営することが「家計管理」です。

家計管理に慣れてくると「必要な貯金額を先に避け、残りで生活する」という方法を取る方もいます。

共稼ぎ夫婦の家計管理の「落とし穴」

婚活FP, 共働き, お金の管理 (写真=Rob Marmion/Shutterstock.com)

次に、共稼ぎ夫婦によくある「落とし穴」についてご紹介します。

・年収が同じでも「他人」はアテにならない

現在の生活水準や将来に対する願望は、本当に家庭によってさまざまです。このため、仮に同じ年収であろうとも、他人の家計のことは参考になりません。

考えるのが面倒で、同僚など周囲の家計を参考にして失敗した話をよく聞きますので、くれぐれもご注意を。

・だいたいの家庭は生涯スパンで「赤字」

また、大抵の世帯では、生涯スパンで考えると、実際の貯金額は必要な貯金額を(大きめに)下回っています。つまり「必要になる老後資金」が、それほどに巨額なのです。

世帯の生活水準や願望にもよりますが、統計上では60歳時点で、約5000万円が必要になるとされています。

仮にあなた方夫婦が今30歳なら、60歳時点で5000万円貯めるには、1年で約167万円、月で約14万円の貯金が必要です。一人分の教育費と合わせれば、毎月20万円でしょうか。

よく夫婦は「苦楽を共にする仲」といいますが、ぜひ「未来への計画性」も共にして、家計簿という過去を共に反省し、どうやったらもっと貯金できるようになるかという対策案も、二人で考え実行していきましょう。

夫婦の家計円満に「裏技」は存在しない!

婚活FP, 共働き, お金の管理 (写真=Watchara Ritjan/Shutterstock.com)

結局「夫婦で未来を考えて、夫婦で家計簿を付けて、夫婦で改善し続ける」ことが大切。

そしてこれには、残念ながら裏技は存在しません。あるとすれば「FPに相談する」くらいでしょうか。

未来について考えるのも、家計簿も、慣れないうちはキツく面倒に感じるかもしれませんが、人生を失敗しないためにも、最初はちょっとだけ気合を入れてみましょう。

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