
(写真=fizkes/Shutterstock.com)
株初心者が「やってはいけない」3つのこと
カギは「備えあれば」と「遠くは避けよ」
株式投資をやってみたい。でも失敗するのが怖くて一歩が踏み出せない……という人、けっこう多いのではないでしょうか。
なぜ失敗してしまうのでしょう? そして、まずは何をすればいいのでしょうか?
今回は、投資をしたことがない人はもちろん、やってみたものの自信が持てないという人にも向けて、損しないため心構えと投資の格言をご紹介しましょう。
株初心者がやってはいけない3つのこと
筆者は仕事柄、たくさんの個人投資家や金融機関にお勤めになっている方からお話を聞いてきましたが、やはりそろって同じようなことを言われます。
失敗しないためには
- いきなり始めず、少し勉強をして基礎知識をつけてから投資すること
- 分からないものに手を出さないこと
- 資金を全額投じないこと。そのためにも少額から始めること
この3つが大事なのではないでしょうか。
資産運用はスポーツやお料理と同じで、練習を重ねるうちに、だんだん腕が磨かれていくもの。
決して無理はせず、長く続けることが大切です。
株初心者が覚えておきたい3つの格言
投資においては投資家の心理状態も深く関わってくるのではないでしょうか。
お金だけでなく心まで相場に持って行かれないために、株初心者に覚えておいてほしい3つの格言をご紹介しましょう。
1.「備えあれば迷いなし」
株には、投資の心構えを説いた「格言」があります。遠くは江戸時代、米相場で名を馳せた相場師の名言が由来というものが多いので難しい言葉もありますが、今でも多くの投資家が参考にしています。
なかでも「備えあれば迷いなし」は、投資ビギナーさんなら特に覚えておくとよいかもしれません。
(写真=julia_isaeva/Shutterstock.com)
「備え」とは、気持ちとお金、どちらの備えも指しています。株式投資でまず大切なのは、自分の考えをしっかり持っておくこと。
何となく売買してしまうと、他人の意見やちょっとした経済ニュースに動揺したり迷ったりして、失敗しやすくなるものなのです。
多少のことでは揺るがない気持ちの備えを固めておきなさい、というわけですね。そのためにも事前に投資の基礎知識は必要で、いきなり始めないことです。
同時に、投資資金にも備えが大切です。
株式投資はすぐ使う予定のない余裕資金でしましょう、とはよく言われることですよね。さらにその余裕資金も一度に全額投資するのはNG。
半分か、せめて1/3以上は、現金のまま残しておくことが大事だと言われます。
これは、実際にやってみると分かりますが、準備金をすべて使い切ってしまうと、絶対に損をしてはいけないという気持ちが湧いてきます。
せっぱつまった心情では冷静な判断ができず、わずかなことにも動揺して迷いやすくなってしまいます。
その結果、適切な売買ができなかった……というのはよくある失敗パターンですね。
(写真=Miki Studio/Shutterstock.com)
2.「遠くのものは避けよ」
こちらも投資の格言です。
全国の上場会社の数はおよそ3600社(2017年11月現在)。その中から、わざわざ馴染みのない企業を投資対象に選ぶ必要はありませんよ、ということを言っています。
投資するなら、最初は普段から使っている商品や、仕事関連で少しでも知識があるなど、親近感のある企業の銘柄を選んだほうが失敗は少なくなります。
株式投資のことをよく分かっていない主婦が、「こんないい製品を作っている会社だから」という理由で愛用の家庭用品メーカーに投資して利益を上げた、という話はよく聞きます。
投資のヒントは身の回りにたくさんあるので、わざわざ自分のよく知らない銘柄を選ぶ必要はないということですね。
この格言には、もう一つ別の意味もあります。
銘柄によっては、海外のニュースが株価を変動させる要因(=材料)になることもありますが、その材料が事実なのか、ただのウワサなのかは「遠い」ほど確かめにくいもの。
つまり、情報が取りにくいもの、得意分野でないものには手を出さないほうが無難ですよ、ということです。
成功する株式投資家も、よく実際に商品を利用したり見に行ったりしていると言われています。
数年前のことですが、著者の知り合いに、メガネのJINS(ジンズ)に人だかりができている様子を見てジンズ<3046> の株を買ったところ、数倍になったという人がいます。
街を歩いていて行列が並ぶお店を見つけたら、そのお店の運営企業を調べてみると面白いですよ。業績が急に伸びているなど、株価上昇の兆しが見えるかもしれません。
3.「人の行く裏に道あり花の山」
投資においてはこの言葉も広く知られているのではないでしょうか。
市場は多くの投資家たちによる心理が表されている場所とも言えます。
株価が上がったときはその銘柄に注目し皆が買いに走るため「新高値投資方法」というものも最近は出てきています。
反対に、下がったときは一斉に売りに出されてしまうこともあります。
これは好景気や不景気のときにも同じ事が言えるのではないでしょうか。
好景気のときにはこぞって買いに走るのに、不景気で周りが「売れ、売れ」と言っているときは手放さないとまずい雰囲気になり売ってしまう。
つい群集心理と合わせて動いてしまいがちですが、本当はそうではなく普通と逆の道、また人がやっていない道をゆく事が成功への秘訣だと言うことをこの言葉は表しています。
好景気や株価が上がったときには売る、不景気や底値になったら売るのではなく買うと言ったことを少しでも意識して行くと成功への道が見えてくるかも知れませんね。
・番外編
番外編として、このような格言もあります。
- 「名人になるより素人らしく」
- 「名人は相場の怖さを知る」
「備えあれば迷いなし」と相反するような言葉ですが、車の両輪のように、どちらの考え方も大切なのです。
例えば、野球のホームラン王でも毎回ヒットが打てるわけではなく、三振することもありますよね。
株式投資も同じです。プロでも百発百中はありません。自信過剰にならず、謙虚な気持ちを持ち続けることが重要なのです。
株初心者は身近なものからはじめよう
投資の基礎知識といっても、難しい勉強をする必要はありません。
初心者向けの読みやすい本もたくさんあるので、最初は手に取りやすいものから数冊読んでみるといいでしょう。
『インベスターZ』(三田紀房、モーニングKC)のような投資を題材にしたマンガも入りやすいかもしれません。
またDAILYANDSのコラムを継続的に読んでいくと、たくさんの知識と情報を楽しく得ることもできます!
株初心者の皆さん、ぜひこの記事を参考に、まずは身近なものからはじめてみましょう。
【こちらの記事もおすすめ】
・ 連載「オタクFPの『金融マンガ』愛
・「買い物上手は投資上手。初心者にこそ「コスパ最強」のiDeCoがおすすめ
・セミナーより気軽?初心者向け『投資家が集まるバー』3選