(写真=Andrzej Wilusz/Shutterstock.com)

日本の国債が暴落することってあるの!?

国債が暴落する可能性について考えてみましょう。

国債の価格が暴落する可能性はありますか?

「国債の価格が暴落する」という話を聞いた事がありますか?

「国債は暴落するから買いたくない」という読者がいましたので、今回は国債が暴落する可能性について考えてみましょう。

インフレになると普通の国債の価格は下がる

今は、インフレ率は概ねゼロで、長期金利も概ねゼロですね。つまり、長期国債を買っても金利はほとんど受け取れないわけです。では、インフレ率(正確には人々が予想する将来のインフレ率)が5%になったら、金利ゼロの長期国債を買うでしょうか?

長期金利が5%以上でないと国債を買う気になりませんね。

そうなると、政府は金利5%の国債を発行せざるを得ません。この結果、今発行されている金利ゼロの国債は誰も買いたくないでしょうから、「値段が安いなら買っても良いが」と言われるようになります。つまり、今100円で売られている国債の市場流通価格が暴落するのです。

そうした目に遭わないためには、前回ご紹介したインフレに強い国債(個人向け国債10年物、物価連動国債)を買っておく事が選択肢となります。

政府が破産するという噂でも国債は暴落する

インフレになって金利が上がる場合以外にも、国債が暴落する可能性は考えられます。それは、「日本政府が遠からず破産する」という噂が広まった場合です。

「日本政府は巨額の借金があるので、いつかは破産する」と考えている人は少なくありませんが、「1年以内に破産する」と思っている人は少ないでしょう。そうだとすれば、「日本国債を売ってドルを買うと、ドルが値下がりするリスクがあるから、少なくとも今後1年間は国債を持っていた方が安全だ」と思う人が多いので、国債の価格が暴落する事にはなりません。

しかし、何らかの契機で「日本政府は遠からず破産する」と思う人が増えると、そうした人が国債を売ってドルを買うので、国債の値段が下がり、ドルの値段が上がります。そうなると、人々が日本国債を買いたがらなくなります。つまり、日本政府に金を貸したがらなくなるのです。

そうなると、「人々が日本政府に金を貸さなくなってきた。本当に日本政府は破産するのかも」と考える人が増えて、一層国債の売り注文が増え、国債が値下がりするかも知れません。これが第二の「国債暴落シナリオ」です。

円資産だけでなく、ドル資産も持とう

こうしたシナリオが実現するのか否かは、何とも言えません。どのような噂が流れるのか、人々がそれを信じるのか、といった事によるからです。筆者は比較的安心していますが、心配な読者にはドルを持っておくことをお勧めします。

日本政府が破産するという噂を信じて国債を売った人は、日本の銀行に預金するはずはありませんから、ドルを買うはずです。そうなれば、ドルが大幅に値上がりする事になるからです。

塚崎 公義
久留米大学商学部教授
1981年東京大学法学部卒後、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関係の仕事に従事した後、2005年に銀行を退職して久留米大学へ。「退職金貧乏 定年後の『お金』の話」「老後破産しないためのお金の教科書」「増補改訂よくわかる日本経済入門」「世界でいちばんやさしくて役立つ経済の教科書」「なんだ、そうなのか! 経済入門」「経済暴論」など著書多数。

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