(写真=森口新太郎撮影)

【連載】「金融男子図鑑」

なぜ「海外の金融商品」は高リターンか、わかりますか?

ニッポンウェルスリミテッド・上村剛士さん

『金融男子図鑑』は、金融業界で働く若手の男性を紹介する企画です。第5弾は香港の金融機関「ニッポンウェルスリミテッド」の上村剛士さん。2013年に設立、2015年にライセンスを取得して営業を開始したばかりの新しい金融機関です。海外投資の魅力について、お伺いしてみました。

プロフィール

imageTitle (写真=森口新太郎撮影)

上村 剛士(うえむら・つよし)さん
所属:ニッポンウェルスリミテッド リレーションシップマネージャー
年齢:29歳
星座:ふたご座
血液型:A型
出身地:香川県
趣味:旅行、ゴルフ、食べ歩き、芸術鑑賞
略歴:國學院大學法学部卒。2011年に香川証券に入社し、営業などを担当。16年から現職。

香港で日本人向けに投資を提案

ーー今のお仕事内容を教えてください!

海外投資に興味のある日本人のお客様を対象に、資産運用・資産管理のお手伝いをしています。

ーーニッポンウェルスさんは2013年の設立と、比較的新しい金融機関ですね。

もともと、日本人が海外に投資をしようとすると、どうしても言葉の壁がありました。例えば、口座を開くにしても、英語ができないといけない。そういった「壁」のない金融機関をつくろう、ということで立ち上げられたのが当行です。口座開設書類は英語での記入が必要ですが、手続きは日本語でサポートしますし、取引も全て日本語に対応しています。

ーー新卒の時は香川証券に入社したのはなぜでしょう?

就職活動は証券と銀行、金融を中心にしていました。

テレビ番組の『カンブリア宮殿』で、家庭教師のトライの森山真有氏の特集をやっていたんです。森山さんが、名刺を見せた時に、会社の名前ではなく自分の名前を最初に認知してもらえる人になりたい、という思いで大手企業に勤めず、当時はまだあまり有名でなかったトライに勤めることにしたというエピソードを聞き、かっこいいなと思ったんです。

自分も、大手の金融機関にも内定をいただいたのですが、自分の名前で勝負できるようになりたいと思い辞退しました。

また、大手だと仕事の役割が分かれてしまいますが、規模が小さいとその隔たりがなく、リテールもM&Aもなんでもやってもよかった。そこも非常に魅力的でした。

ーー転職したきっかけは。

実は、香川証券に入社する時から海外志向がすごく強くて。金融の世界、特に個人向けの資産運用アドバイザリー業務ですと、プライベート・バンクのサービスレベルが一番高いと言われています。そこで勝負しようとするために、まずは、香港やシンガポール、いつかそういうところで仕事をしたいなと思っていたんです。

そんな中で、当行が設立されると聞いて、海外で日本人が金融機関を立ち上げるなんて、自分が生きている間にそんなにたくさんあることじゃないと思い、それが転職のきっかけになりました。

海外投資の魅力

ーーぶっちゃけ、海外投資ってどうなんですか?

香港に限って言うと、日本では投資できない商品が存在するので、そこにアクセスできるのが非常に魅力的かなと思います。

例えば、ヘッジファンドや、日本では販売されていない社債など。日本だとプライベートバンクでしか扱われないものも、香港で一般の方でも購入できたりします。債券ですと1000万円とか、ロットは大きいですが、ファンド(投資信託)ですと1000米ドル(約11万円)と小額から投資できます。

ーーうーん、なんだか難しそう……。正直、世界経済に投資するなら、国内で販売されている投資信託やETFでも良いのではないかと思います。わざわざ海外にある金融機関に口座を開いて投資をするメリットはあるのでしょうか?

おっしゃる通り、日本国内でも海外に投資ができる金融商品はありますね。

ただ、香港のファンドの方が、運用効率が高く、相対的にパフォーマンスが良いものが多く存在しています。そこが一番魅力的です。例えば、当行が取り扱っているファンドの中に、アジアの株式で運用しているファンドがありますが、2017年の年初から10月末までのパフォーマンスがプラス30%を超えています。また、過去3年、5年でみても平均16〜17%という利回りを上げています。

imageTitle (写真=森口新太郎撮影)

ーーえーっホントですか!日本のファンドとは何が違うんですか?

日本にもアジアや新興国に投資をしているファンドってあるんですけど、「ファンド・オブ・ファンズ」(※)という形式がほとんどなんです。

簡単に言うと、海外のファンドに投資するファンド、という感じです。「ファンド・オブ・ファンズ」は途中で仲介する機関が多いので、手数料が引かれてパフォーマンスが落ちます。

※編注:「ファンド・オブ・ファンズ」とは、複数の投資信託を買い付けている投資信託のこと。一般的な投資信託は、投資家から集めたお金で株式や債券を買い付けるが、より運用を安定させるために投資信託を組み入れることがある。投資信託を二重に買い付けることになるので手数料が高くなりやすい。

ーー香港は株式投資で出た利益にも税金かからないんですか?

そうです。香港居住者には、日本で一般的に「キャピタルゲイン課税」と呼ばれる類の税金はかかりません。株の値上がり益はもちろんですし、配当益も非課税です。

ちなみに香港では、贈与税や相続税もかかりませんよ。

ただし香港居住の日本人の場合は、贈与をする親も、贈与を受ける子供も、両方とも日本を離れて10年以上経過していなければいけませんが。

ーーえっ。移住した方がよくないですか?(笑)

(笑)。実際、税金を理由に香港やシンガポールへ移住する方って多いですよ。香港は所得税率も最高で17%、法人税率も16.5%までです。

所得税率については、世界中を見渡しても日本はダントツに高くて、住民税も含めると最高で55%になりますよね。お金持ちの方は稼いだ所得の半分以上が税金になってしまうんです。

ーー言われてみると、有名人はみんな海外に移住していますもんね。

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「お小遣い」は日本独自の教育文化

ーー上村さんご自身はどんな資産運用をしていますか?

実は、香港へ来る時に全て売却してしまったので、今は保険だけです。当行で今年、1万円から始められる商品をスタートしたので、来年からそれを始めようと思っています。お客様におすすめするにしても自分で利用していた方が説得力がありますしね。

個別株については、日本と同じで香港も法律が厳しく、私のように金融機関に勤める人間は売買する度に勤め先に報告しなければいけないので、今のところ投資する予定はありません。

ーー海外の富裕層は、自分の子どもにどういうお金の教育をしているんでしょう?

親がわざわざやらなくても、学校でファイナンスの授業があります。

ちなみに「お小遣い」は日本特有の文化で、すごく良い金融教育の場だと思っています。お年玉やお盆玉のように、子どもにまとまったお金が手渡される国って実は珍しいんです。お小遣いは親が貯金するんじゃなく、子どもに自由に使わせてみるのも一つのお金の教育なんじゃないかなと思います。

ーー最後に読者へのメッセージがあれば。

投資って非常によいことだと思っています。例えば、「これからアフリカの経済が成長する」と言われた時に、もしビジネスでその恩恵を受けようと思うと、現地に行って、設備投資をして、運営もして……と手間がかかりますよね。

お金の投資であれば、日本にいながら世界各国の経済成長の恩恵を受けられるのが一番のメリットです。日本以外の世界に目を向けることによって、日本の強み、いい部分もわかってくると思います。

ーーこれから日本で資産運用が広まっていくには何が大切でしょうか。

日本で資産運用が根付いていないのは「イメージ」の問題だと思っています。日本だと人前でお金の話をあまりしませんが、香港だとお茶を飲むときの話題が投資だったりします。電車に乗っていても、普通の人がスマホで株価をチェックしていたり。それだけ根付いている、後ろめたさがないということです。

また、私たちの世代は生まれてからずっとデフレで円高だったので、投資するよりも預金でお金を持っているほうがよかった時代でもありました。

でも今、それが変わりつつあります。まずは経験することが大切だと思いますので、私たち金融機関が先頭に立って教育の機会を提供していくことが大切じゃないかと思います。

現在、私のお客さんは金融資産で言うと1億円以上の方が多いのですが、先ほども少しお話したように、当社では1万円から投資を始められるサービスをスタートしました。資産運用が一番必要なのって私たち20代後半〜30代前半の世代だと思いますので、こうした敷居の低い商品をきっかけに、多くの方に投資に触れていただくことができたらと思います。

ーーありがとうございました!

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