(画像=DAILY ANDS編集部)

イチから学ぼう「ソーシャルレンディング」のメリット・デメリット

ソーシャルレンディングって何?・前編

「ソーシャルレンディング」という言葉を耳にしたことはありますか?

投資をしたい個人と、資金を調達したい企業をインターネット上でつなぐ「クラウドファンディング」の一種で、ここ数年、新たな資産運用の方法として利用者数がぐんぐん伸びています。

「実はギャンブル性が低く、コツコツ投資をしたい初心者向けのサービス」

と言われることもあるのですが、何だか仕組みもよく分からないし、リスクも高そう……。

そこで今回は、ソーシャルレンディングの比較・検討サイト「クラウドポート」を運営するクラウドポートの藤田雄一郎社長に、ソーシャルレンディングとは何か?気になることを根掘り葉掘り取材してきました!

全3回のリポートでお届けします。

そもそもソーシャルレンディングって何?

そもそもソーシャルレンディングって何でしょう?

・ソーシャルレンディングとは?

取材前に「クラウドポートニュース」で調べたところ、投資をしたい個人投資家と、融資を受けたい会社をマッチングさせるサービスのことを指すようです。

imageTitle (画像=クラウドポートニュース提供)

似たような言葉に「クラウドファンディング」があります。

クラウドファンディングとは、不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指す、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語である。(引用元:Wikipedia)

・クラウドファンディングの一種

クラウドファンディングにもさまざまな種類があり、「寄付型」「購入型」「ファンド型」「株式型」「貸付型(融資型)」となっています。

ソーシャルレンディングはそのうちの「貸付型(融資型)」のことを指すため、「貸付型クラウドファンディング」もしくは「融資型クラウドファンディング」と呼ばれることもあります。

・運営会社は「個人から資金を集め」「企業に融資」

「ソーシャルレンディングは個人投資家から資金を募り、集めた資金で企業に融資を行う仕組みです。ファンド募集を行う会社は不特定多数の個人からお金を集めるため、『金融商品取引業者』の登録が必要となり、集めた資金を、貸し付けるファンドの運営会社は、『貸金業者』としての登録が必要となります」(以下、かっこ内は全て藤田さん談)

ソーシャルレンディングの運営会社は、「金融商品取引業者」(個人からお金を集める会社)と「貸金業者」(企業に融資をする会社)をそれぞれ別会社にしているケースもありますし、両方を兼ねているケースもあるそうです。

日本でソーシャルレンディングが広まった3つの理由

imageTitle (写真=DAILY ANDS編集部)

欧米発のソーシャルレンディングが日本に上陸したのは2008年ごろ。クラウドポートの調査によると、2013年頃から成長の勢いを増し、日本国内での市場規模は

  • 2014年 143億円
  • 2015年 310億円
  • 2016年 533億円

と毎年約2倍のペースで拡大し続けています。2017年もこの勢いは続いており、2018年にはますます市場規模が拡大するとみられています。

日本でここまでソーシャルレンディングが伸びている理由には、主に下記の3つがある、と藤田さんは話します。

1. 日本国内でソーシャルレンディング参入企業が増えている

ソーシャルレンディング, とは, メリット, デメリット, クラウドポート, 藤田社長 (写真=LightField Studios/Shutterstock.com)

2014年時点で国内のソーシャルレンディング事業者は6社であったのに対し、2015年には10社、2016年には20社、2017年には23社と、年々参入企業者数が増加しています。

「新規参入企業が増加したことで競争が激化。各事業者の広告やPRによる露出が増えたことで、ソーシャルレンディングの存在が、以前よりも広く知られるようになってきました」

2. マイナス金利の影響で、利回りの高い投資先を探す人が増えている

日本では日銀による「超低金利政策」の影響で、預金の利息がほとんどつかない状況が続いています。このため、「ソーシャルレンディングのような利回りの高い金融商品に投資する機会を求める人が増えているのではないか」と藤田さんは見ているそうです。

確かに、大手都市銀行の1年定期預金の金利は0.01%、ネット銀行でもどんなによくても0.1%台がせいいっぱい。100万円を1年間預けても100円〜1000円しか増えません。

そのため、個人投資家の中でより利回りの高い投資先を探す人が増えている、というのは納得です。

3. SNSやブログの普及で情報がすぐに拡散される

最近は、ブログやTwitter、Facebookを通じて自分自身の資産運用状況を発信する人も増えています。新しい投資の手法が出現すると、すぐに情報はネット上に拡散されます。

「自らの投資経験をもとにソーシャルレンディングについて解説するブログやTwitterアカウントが増加しています。それらの記事を通じて、一般の人がソーシャルレンディングに関する情報を得やすくなったのも、認知度拡大の理由のひとつとして考えられます」

ソーシャルレンディングのメリットとは?

ソーシャルレンディング, とは, メリット, デメリット, クラウドポート, 藤田社長 (写真=tanja-vashchuk/Shutterstock.com)

続いて、数ある投資商品の中で、ソーシャルレンディングに投資するメリットについて教えてもらいました。

・高い利回りが期待できる

まずはなんといっても利回りが高いということ。

利回りとは、投資をしたらどのくらい儲かるか、を数値化したもの。例えば、銀行預金の金利は1年ものの定期預金でメガバンクやゆうちょ銀行で0.01%ほど。もし100万円を「投資」しても得られる利息は100円です。

一方、ソーシャルレンディングの利回りは低くても4%台、高いものだと10%台というものまであります。仮に100万円を1年間「投資」すると、4万〜10万円の利子を受け取ることができます。

とてもおトクですし、株式の配当金の利回りに比べても比較的高い水準です。

・インターネットを活用することで、人件費や地代家賃などを抑え、低コストで運営できていること ・銀行とは異なる審査基準により、銀行が貸しにくい企業に貸し出しができていること

などが高利回りの源泉となっています。この「高利回り」については中編で深掘りしますので気になる方はぜひそちらもご覧ください。

・手間がかからない

ソーシャルレンディング, とは, メリット, デメリット, クラウドポート, 藤田社長 (写真=Rawpixel.com/Shutterstock.com)

例えば株やFXなどを行う場合、投資をするためには自分で投資のタイミングを図ったり、投資先を選んだりすることが必要となります。

投資後も、いつ売ったらよいか、値動きやチャートの動きなどを常にチェックすることが大切です。

ところがソーシャルレンディングの場合、一度、投資をしたらあとは貸したお金が返ってくるのを待つだけで、やるべきことはほぼありません。

株やFXのように投資元本が値動きするわけではないので、日々、チャートをチェックする必要もありません。忙しくてなかなか投資に時間の割けない働く女性にとっても、うれしいですね。

・初心者と経験者の差がつきにくい

ソーシャルレンディングは売買のタイミングを図る必要がないので、初心者と経験者ではパフォーマンスに差がつきにくいという特徴があります。

「経験による結果に差がつきにくく、誰でも着実・安定的に資産を増やしていきやすいため、特に投資初心者にとって適した投資商品です」

ソーシャルレンディングのデメリットとは?

ソーシャルレンディング, とは, メリット, デメリット, クラウドポート, 藤田社長 (写真=Nattakorn_Maneerat/Shutterstock.com)

メリットが多いように見えるソーシャルレンディングですが、当然、デメリットもあります。

・途中解約ができない

例えば株式や投資信託、FXなどは、いつでも自分の売りたいタイミングで売却(解約)することができます。

一方、ソーシャルレンディングで投資した資金は、運用期間中は基本的に解約することができず、貸したお金が返ってくる(償還される)のを待つ必要があります。

運用期間は短いものだと1カ月、長いものだと2年などファンドによってまちまちですが、一度投資すると、途中で辞めることができないという点は知っておいた方が良いでしょう。

・税金が高くなる可能性がある

ソーシャルレンディング, とは, メリット, デメリット, クラウドポート, 藤田社長 (写真=Syda Productions/Shutterstock.com)

ソーシャルレンディング投資で出た利益は、その他の投資に比べると、税金のかかり方が異なっているのだそうです。

「ソーシャルレンディングで得た利益が年間20万円を超えると確定申告が必要になります。この時、ソーシャルレンディングで得た利益は『総合課税』の扱いになります」

通常、株式や投資信託、FXなどで得た利益は、給料などとは別に計算する「申告分離課税」という方式がとられ、税率は一律で20.315%となっています。一方、ソーシャルレンディングで得た利益は「総合課税」の扱いとなり給与などと合わせて計算する方式となってしまいます。

年収があまり高くなく、所得税率が15%、20%という人なら、株式や投資信託で儲けた時と税率がほとんど変わらないので良いですが、例えば年収が1000万円を超えるような人だと所得税率は33%や40%などになる可能性があり、結果として株などで儲けたときに比べて高い税金を支払う必要が出てきてしまいます。

せっかく儲けたのにたくさん税金を支払わなければいけないのは、ちょっと残念ですね。

・元本割れのリスクがある

ソーシャルレンディング, とは, メリット, デメリット, クラウドポート, 藤田社長 (写真=Chones/Shutterstock.com)

投資商品である以上、想定されていた利回りを下回り、さらに投資した金額より少ない金額しか返ってこない「元本割れ」のリスクは当然あります。

ソーシャルレンディングでは、貸付を行った企業がうまくいかず、貸し倒れや延滞が発生した場合には、想定していた利回りを下回ってしまう可能性があります。元本割れを起こしてしまう可能性もゼロとは言い切れません。

ただ、クラウドポートによると、国内で過去3年間、ソーシャルレンディングのファンドで元本割れが発生した件数は全体の1%にも満たないのだとか!(※)

これなら安心!と思ってしまいそうですが、「過去3年間、業界全体における元本割れの発生件数は極めて低い水準を維持していますが、今後も起きないという保証はありません。これまで元本割れがなかったからといって安心するのではなく、必ず分散投資を行いリスクヘッジすることを心がけてください」と藤田さんに釘をさされてしまいました。

どの投資にも、リスクがあるのは同じなのですね。

※編注:2017年1月20日現在。事業者のヒアリングに基づく。融資先から元本が回収できない事象を貸し倒れと定義し、為替差損を含まない

次回は「高利回り」の舞台裏

ソーシャルレンディング, とは, メリット, デメリット, クラウドポート, 藤田社長 (写真=Nazar Skladanyi/Shutterstock.com)

インターネットを通じて高い利回りを期待できる「ファンド」に投資できるソーシャルレンディング。

なんとなく、安心できそうかも!?と思えてきましたが、やはりまだ「高利回り」になる仕組みがよくわかりません。

次回は、ソーシャルレンディングが高利回りになる詳しい仕組みや、実際に行う時のポイントや注意点についてうかがいます。(中編に続く)

next> 【中編】なんでソーシャルレンディングは預金よりも「高利回り」なの?

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