(写真=GaudiLab/Shutterstock.com)

「本当の自分」を手に入れるために大切な2つのこと

事例から学ぶ「キャリアシフト」 3年間の週末複業を経て本業へ転換

キャリアシフトとは、会社員としての仕事しながら、夜や週末などの時間を使って、もう一つの仕事(複業)のキャリアを積んでから、その仕事を本業にすることを言います。特に女性にはこのような考え方の方が多く、相談にいらした実際の方の例をご紹介します。

自分らしく生きているつもりだった

ご相談にいらしたAさんは、30代都内在住、都内の金融機関にお勤めの女性でした。Aさんは、ご主人とお子さんの4人家族。独身時代から自分のやりたいことはとりあえずやってみる性格で、仕事も恋愛も「チャレンジ」してきました。結婚も、出産も、自分の描いた通りになっていて、出産後会社に復帰したあとも、大変だけど育児と仕事の両立もできて充実した日々を送っていました。

これが自分らしく生きることだと信じて疑いませんでした。しかし、ある時、思いを打ちひしがれることが起こりました。悲しいことですが、第二子の流産です。自分を責めてとても悲しみました。頭ではどうにもならないことがあるとわかっても、心はそれを理解しようとはしなくてどうしても以前のように「自分らしくい生きている」という実感は持てませんでした。

そんなとき「コーチング」に出会うのです。

コーチングとは、クライアントとの対話を通して自ら考え、行動するように促すことで、夢や目標達成の手助けとなるコミュニケーションの技法のことです。

生まれることのなった命からの贈り物のような気がして、コーチングを学ぶことにしたのでした。

仕事と育児と勉強時間の確保の難しさ

育児、仕事、そしてコーチングを学ぶ時間の捻出をどうするのかが最大の課題です。仕事帰りに保育園に子供を迎えに行き、帰ったらすぐに家事と育児が待っています。勉強するための時間は、ご主人やお子さんが寝た後の深夜しかありません。あまりの辛さにやめてしまおうかと思ったこともあるそうです。

ご主人の協力もあり少しずつ勉強する時間を作ることができたので、3年かかってコーチの資格を取ります。コーチングを仕事にするということは副業規定に抵触してしまうとのことで、友達や知り合いなど無料でセッションをして経験を積んでいきます。

会社員を続けるか独立起業するか

ブログも開設して、SNSでもコーチングについて情報発信を始めると、少しずつお客様が増えていきました。無料で行っていたセッションも、人数が増えてくると土日だけでは対応仕切れなくなってきます。そこで少しずつ報酬をいただくようになりました。

会社の副業規定に抵触してしまうことが気がかりでしたが、いずれ本業としてやっていきたいという気持ちが強かったので、会社への報告はしていませんでした。土日はご主人にお子さんを預けて、平日は有給休暇を利用するようになります。そのうち、コーチングの年間契約のお申し込もみいただくようになりました。

しかし、依頼が増えてくると家族との時間が取れなくなるという悩みも発生してきます。「仕事>コーチング>家族」となってしまった時に、彼女は決意します。「年間契約5人取れたら会社を辞めよう」と。それまでは正社員というポジションを今すぐ手放す勇気はなかったけれど、一番大切な家族が守れないと思った時に決意できたというのです。

コーチの資格を取得してから3年後、彼女は会社を辞めて独立しました。時間はかかってしまったかもしれないですが、子供との時間、家族との時間、仕事の時間、自分でコントロールできるようになり、「これが本当にやりたかった自分らしく生きることが」と気づいたそうです。現在彼女は働くママのためのコーチとして活躍しています。

まとめ

彼女が3年でコーチを本業とすることができたのは、本当にやりたいことが明確にできたことと、複業という形で、コーチとしてのビジネスの基盤を作ることができたことです。計画を立てそのために使える時間と、収入の計画を立てそれを達成するために行動していったことです。実績、人脈、口コミは短期間で得ることができるものではありません。

大事なのは「ライフプラン」と「キャリアプラン」の両方を一緒に考えて実行することです。

黒須 かおり
いつでも気軽に話を聞いてくれる、身近な存在
女性を中心に、一生涯を見守るFPとしてライフプランのコンサルティングを行う。住宅ローンや教育費から、相続や老後のマネー相談まで、幅広い資金計画のアドバイスを手がけている。現在女性起業家を中心とするコンサルタントとしても活動中。FP Cafe登録パートナー

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