(写真=iDeCo online)

会社員・フリー・主婦・・・それぞれ違う「iDeCo」おトクな活用法

入り口は「オトクだから」でOK 女性の資産形成に貢献するiDeCoの魅力

女性に共通する、長生きへの不安。でも今は、節税しながらおトクに投資でき、将来に向けてお金を貯める手段が数多くあります。

前編では「節税できる制度」の中で、初心者の入口として特にiDeCo(イデコ)がおすすめである理由を、株式会社 Money&You取締役で、ファイナンシャル・プランナーの高山一恵さんに語っていただきました。

>>【前編】女性のお金の悩み「20代」と「40代」ココが違うはこちら

後編では会社員、フリー、主婦、それぞれの「iDeCo活用法」を、深堀して伺います。

女性が投資に目覚める第一歩が「iDeCo」

――前編では、商品ラインナップの中に「定期預金」があるので、「iDeCo」で定期預金を活用している方が多いと伺いました。

高山氏:iDeCoは月額5,000円以上、1,000円単位で積み立てることができ、掛け金は全額所得控除、運用期間中の利益は非課税、将来に年金として受け取るときには「公的年金等控除」「退職所得控除」と、税の優遇が3段階もあります。

掛け金にはそれぞれ上限はあるものの、公務員、専業主婦など、現役世代は実質的には全員、加入できることになりました。これだけの優遇がある制度なので、2017年1月の制度改正以降、その魅力に気づいた人は、加入しているようですね。

――iDeCoがおトクそうだと分かっていても、「投資」未経験の人にとって、ハードルはまだ高かったのですね。

高山氏:私たちは投資について教育を受けてきていませんからね。一歩を踏み出せないという気持ちもよく分かります。ですから、「定期預金でもいいから、まずはじめる」というアクションを、応援したいと思います。

これには理由があります。「投資は怖い」と思っていた人でも、いざはじめてみると「そんなに怖くない」と感じ、女性の場合は自分の価値判断で「よい」と思ったら、勉強して積極的に投資をはじめる方も多いですから。

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――では会社員、主婦、フリーそれぞれの「iDeCo活用法」を伺っていきます。

会社員:「二階建て」の年金制度の上に、さらに自分の年金

――会社員には、そもそも「国民年金」の上に「厚生年金」という、いわゆる「二階建て」の年金制度で、恵まれていますよね。

高山氏:日本の年金制度を心配する声がありますが、会社員、公務員(共済年金が厚生年金に統合)の方は給与天引きで「厚生年金(国民年金含む)」の保険料を払っています。支給年齢や支給額の見直しはあっても、年金制度そのものがなくなる状態は、現状のシステムでは考えづらいですね。

会社員には定期収入がありますので、その一部で、自分に紐づいた将来の年金をつくるという意味では、節税のメリットも含めていいのではないかと思います。会社員は月1万2,000円から2万3,000円(会社の確定拠出年金の金額などにより、上限金額が異なる)、公務員は月1万2,000円が上限です。

そのうえで、まだ余裕がある、投資を楽しみたいという人はNISAやジュニアNISA、「返礼品」で家族の食費を浮かせたいならふるさと納税というように、節税メリットのある制度を使い分けていくといいでしょう。

フリーランス:稼げるフリーなら上限いっぱいの加入を

――会社員に対してフリーランスは、公的年金は「国民年金」のみです。現在の金額でも、満額で年間約78万円と、年金暮らしは心細いですね。

iDeCoは自助努力を応援する制度です。個人事業主の方の、月の掛け金の上限は6万8,000円と金額が大きめになっています。上限いっぱいまで掛けている場合、確定申告のときに年間で81万6,000円分を所得控除でき、節税効果も高いですね。

収入が高い人ほど税金は高いので、「忙しい」「面倒くさい」と、制度を使わないのはもったいない。ある自営業の方は、「投資は分からないから、とりあえず月6万8,000円ずつ、定期預金にします」とiDeCoに申し込んでいました。最初は掛け金の節税だけを目的とする、その方法でもいいと思います。

ただ、注意しなければならないのは、収入が不安定な場合です。60歳まで資金が引き出せない、というデメリットは忘れないようにしましょう。

主婦:節税よりも「自分の年金」

――専業主婦の場合はどうでしょう?

専業主婦の、iDeCoの掛け金の上限額は月2万3,000円。最低額は月5,000円ですから、最初は半信半疑で「では最低金額で」とはじめるものの、家計に余裕がある方の場合、やがて上限いっぱいに変更される方が多いんですよ。

理由は、iDeCoに加入することのメリットに気が付くからです。今からコツコツ投資しておくことで、老後の自分名義の年金が増えるのですから。扶養配偶者の優遇についても、いろいろな議論があります。世の中が変わる中で、自助努力をしておくことは大切です。

前編でお話したように、一般的には、主婦といえば「ふるさと納税」で肉や野菜などの返礼品をもらって、家計を助けるというイメージがあるのかもしれません。でも、こんなふうに長い目で見ると、また考えが変わってくることもあるでしょう。

子育て中はお金がかかって、家計が厳しい時期ではありますが、掛け金が60歳まで引き出せないことは、強制的に自分年金を作ることができ、逆にメリットと考えることもできます。ちなみに、掛け金は年に1回変更することができます。

ゴージャス主婦誌も「マネー特集」の理由

――専業主婦がiDeCoで「自分名義の年金」を持つことも大切なんですね。

あまりネガティブな視点でお話ししたくはないのですが、「もし離婚をしたら」ということに備えて、iDeCoを含めた投資に、非常に熱心な方もいます。

時代が大きく変わったと感じたのは、今までマネーの特集は考えられなかったハイクラスな主婦雑誌でマネーの特集があり、お手伝いしたことです。編集部の方は「数年前なら考えられない企画」とおっしゃっていました。しかも非常に好評だったといいます。

世の中の傾向として離婚が増えており、主婦もお金の知識を身につけておきましょうという需要が高まっているそうです。この話にはおまけがあり、記事が出た後で、読者と思われる主婦の方からの相談が相次いでありました。

iDeCo未加入の読者へのメッセージ。「世の中すべて、自助努力」

――前、後編に渡ってお話を伺ってきましたが、iDeCo未加入の読者へのメッセージをお願いします。

女性の人生って、結婚あり、出産あり、夫の転勤あり、親の介護あり。悩む機会が多いですよね。「こういう人生を送りたい」と思っていても、ライフプランの変更を余儀なくされてしまうのが女性です。

しなやかに乗り越えて自分の人生を謳歌していくという目標を持たないと、流されて自分の人生を生きられなくなってしまうこともありますよね。iDeCo onlineの読者に言いたいことは「世の中すべて、自助努力」ということです。

こんなことを言っている私も、20代の終わりにFPの資格を取るまではマネーに全く関心がありませんでした。そもそもFPの資格も、あまりにお金に関心のない私を見かねた友人が「勉強してきなさい」と講座受講をすすめてくれたからです。勉強をはじめたら、すっかりハマってしまい、自分がいかに「損をしてきたか」ということも知りました。

資格を取得し、専門家になって12年経ち、数千人のお客さまとのつきあいによって、「お金の知識があるか、ないか」「それを活用しているか、していないか」で、人生が大きく変わることを実感しているんです。

いつも講演でお話しているのですが、同じ言葉で締めくくりますね。「みなさんもやる気があれば絶対に変われます!まずは、小さい1歩でも良いので行動しましょう!」

高山 一恵(たかやま かずえ)
Money&You取締役、ファイナンシャル・プランナー(CFP)。2005年に女性向けFPオフィス、エフピーウーマンを設立、2015年から現職。全国で女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。FP Café®を運営。

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