(写真=Sodan)

夫婦の貯蓄に「贈与税」がかかる理由

夫婦間でのお金の移動は、贈与税に注意が必要!?

共働き夫婦の方のなかには、毎月のお給料をどちらか一方の口座でまとめて管理しているという方や、住宅など、大きな買い物の際のみ片方の口座にお金をまとめるという方もいらっしゃるのではないでしょうか?今回は、そんな夫婦間でお金のやりとりを行う際の注意点についてみていきましょう。

夫婦であってもお金の移動は贈与税の対象になる?

夫婦,貯蓄,お金の移動,贈与税 (写真=Sodan)

「夫婦の共同(共通)財布」なんて表現がありますが、銀行口座の場合は、夫婦共有の名義で開設することができません。あくまでも、銀行口座の名義人はどちらかの名前になりますよね。そして、銀行口座の名義人が、その口座にある資産の所有者となります。そのため、ご主人さま名義の口座に奥さまが振込んだお金は、贈与にあたる可能性があります。ただし、そのお金を生活費として利用する場合は、基本的には問題ないでしょう。

参考:No.4405贈与税がかからない場合(国税庁)

しかし、どちらかの口座に寄せて「貯蓄」をする場合は注意が必要です。「貯蓄」となると、贈与の対象になる可能性があります。「夫婦なのになぜ?」と納得しかねる部分ではありますよね。ですが、いわゆる「へそくり」が贈与税の対象になるか否かで揉めることも珍しくないそうなので、やはり夫婦間のお金のやりとりであっても、贈与税に関しては注意が必要といえます。

なお、夫婦間の贈与に関しては特例もあります。一般的なのは、居住用不動産の贈与です。以下の条件に該当すれば、住んでいる自宅を配偶者に生前贈与することができるというわけです。

(1) 夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと
(2) 配偶者から贈与された財産が、自分が住むための国内の居住用不動産であること又は居住用不動産を取得するための金銭であること
(3) 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した国内の居住用不動産又は贈与を受けた金銭で取得した国内の居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること
(注) 配偶者控除は同じ配偶者からの贈与については一生に一度しか適用を受けることができません。
(出典:No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除/国税庁

つまり、長く連れ添った夫婦に対する贈与の特例ということですね。

実際にありがちなケースとは?

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ここからは、夫婦間のお金のやりとりが贈与とみなされ得る、よくあるケースと対策についてみていきたいと思います。

たとえば、ご主人さまの勤務先に比較的金利の高い預金制度がある場合などで、奥さまのお金も預かって、併せてそちらで預金しているご夫婦などは要注意です。もちろん、年間110万円までの非課税枠はありますが、それを超えた分は夫婦間で贈与しているとみなされる可能性があります。

また、将来的に、奥さまにそのお金を返してあげる場合も贈与となってしまう可能性があります。多少金利が高くても、贈与税を取られてしまったら本末転倒ですよね。

では、このような場合はどうすれば良いのでしょうか?

一番確実なのは、夫婦それぞれの口座で貯蓄することです。そうすれば、それぞれの名義で資産形成をすることが可能ですので、贈与にあたる心配もありませんよね。

それでは、すでに貯めているお金に関してはどうすれば良いのでしょうか?

住宅が共同名義であれば、その修繕費や子どもの結婚費用など、大きな出費が発生する費用をその口座から拠出するのも一つの手です。これであれば、配偶者にお金を戻す必要はありません。

仮に配偶者の口座に返したいという場合は、税理士に相談することをおすすめします。この資産の「真の所有者」が誰か?を明確にすれば、問題なく口座に戻すこともできるようです。このあたりの解釈は、FPでは明確にできませんので、必ず税理士にご相談してくださいね。

いかがでしたでしょうか?共働き夫婦にとって、どのように貯蓄するのか?は重要な問題の1つですよね。金融商品選びとも関わってくるので、一度FPも交えてご夫婦で話し合ってみることをおすすめします。

ブロードマインド株式会社
執筆者:お金の専門家 平原 直樹
第一種証券外務員を保有するお金のプロ!難しいお金の話を分かりやすく解説します

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