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【連載】「女性が住まいに「投資」をするということ」

#04 ローンは変動金利を選ぶな!? 不動産購入で損をしないために気をつけたいこと

融資を受けるときに注意すべきことをうかがいました

「女性が住まいに『投資』をするということ」についてインタビューする当連載。これまでは不動産の市場について、また、他の投資商品と比べたときの不動産の特徴についてお話をうかがいました。

今回からは、いざ買うとなったとき「どんなことに気をつければよいのか」を探っていきます。

お答えいただくのは、 第1回第2回に引き続き、株式会社さくら事務所の会長で、不動産コンサルタントの長島修さんです。

借りどきの今、融資を上手く活用するには?

――連載の最初で、今後価値を維持したり、価値が上がったりする不動産は、日本では全体の15%しかないとうかがいました。次のステップとして、どうやってその15%をお得に買うのかを教えていただきたいのですが。

これは前にも伝えましたが、不動産は一にも二にも三にも立地です。ですから、まずはよい立地の不動産であること。次には購入に際して融資を上手く使うということですね。

――大多数の人が、不動産を購入するときにはローンを組みますから、融資をどう使うかは重要です。具体的なおすすめは何でしょう。

基本は固定金利です!

――「フラット35」のような固定金利型の住宅ローンは、毎月の返済額が変動金利型よりも高くなる傾向がありますよね。銀行でも、変動金利をすすめられることが多いような気がしますが。

毎月の返済額が割高に見えたとしても、固定金利をおすすめします。今後景気が良くなろうが悪くなろうが、今のような状況だと金利はいつかどこかで必ず上がります。なぜならすでに住宅ローン金利は底値と言っていいほど低いので、後は「上がるしかない」のです。

今は変動金利だと0.5%、固定でも1%ちょっと。これから多少下がることがあったとしても、下げ幅の余地はほとんど無いと考えたほうが良いと思います。住宅ローン金利はさらに下げたら経費倒れになってしまいますから。

ですから、景気変動のリスクを自分で取らなければならない変動金利型ローンはおすすめしません。銀行が変動金利型をすすめるのは、彼らもリスクを取りたくないからです。

将来金利が上がったとき、変動金利型ローンだとどうなる?

――もしも金利が上がれば、変動金利型ローンの場合月々の支払い額が上がってしまうのでしょうか……。そうなるとローンを返せなくなるのではないかと、心配になります。

変動金利型の場合、金利は半年に一度見直されますし、支払いは5年に一度見直すことになるので、長い目で見ると支払い額が変わっていきます。

すぐに返済額が上がることはないでしょうが、元金が減らないで利息ばかり払うような状況になってしまうでしょう。

――支払い金額の見直しが5年に一度であれば、金利が上がったときに固定型に変えるということもできるのでしょうか。

それが現実には、なかなか上手くいかないんですよ。

これは金利の仕組みの違いで、最初変動金利でローンを組んでいて、金利が上がりそうになったら固定に乗り換えようとすると、その頃には固定金利型は既に金利が上がっているんです。

先に固定金利型の金利が上がるのですが、そのタイミングを見極めることは不可能に近い。変動金利型ローンは、いつも固定金利型よりも安いのですが、その状況にとらわれない方が良いですね。そうでないと、不動産投資ならではの「安定性」というメリットも失われてしまいます。

またインフレになったときにも、支払いの金利と額をフィックスしておけば、メリットを享受できますよ。融資の額が見かけ上小さくなるので、支払い額が相対的に小さくなるわけです。たとえば100円のジュースが200円になるようなインフレになったとき、借りた金額3000万円が、実質的に1500万くらいの感覚になってくる。

住宅ローン, 金利, 不動産, 投資 (写真=Monthira/Shutterstock.com)

「名ばかり固定金利型」のローンにご用心

――金利の上昇に、インフレ。これからの経済の流れを考えると、固定金利型ローンにした方がよさそうです。

強くおすすめしますね。ただ「名ばかり固定金利型」のローンには注意してください。固定金利型のローンと銘打っていても契約書の条文に『金融情勢の変化、その他相当の理由が発生した場合、適応金利が見直される場合があります』と書いてあるケースもあります。

私は一度そういったローンに関して、銀行の担当者に確認したことがあるのです。そうしたら「確かに基本は固定なのですけども、社会情勢が変わったら金利が変わる可能性もゼロではありません」という回答でした。

――それでは、固定とはいえませんね。

全くです。そういうこともありますから、条文はしっかりと確認してください。

***

固定金利型のローンと銘打っていているのに、社会情勢によって見直されてしまうケースがあるとは驚きでした。

今後、日本の社会情勢が大きく変化することも有り得ます。そんなときに持ち家が拠り所になるどころか、返済が重荷になってしまわぬように、ローンを組むときは、入念に内容を調べてからにしたいですね。

今回お話をうかがったのは……

長嶋 修 さん
さくら事務所創業者・不動産コンサルタント。不動産デベロッパーで支店長を務めた後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、「不動産の達人 株式会社さくら事務所」を設立。現会長。また、住宅の安全性を測るホームインスペクション(住宅診断)の分野では、そのパイオニアとして、「NPO法人 日本ホームインスペクターズ協会」を設立するなどして、普及・発展に務めている。著書に『マイホームはこうして選びなさい』(ダイヤモンド社)他、多数。

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