(写真=Thinkstock/GettyImages)

1000万円超え!インフレに強い「物価連動国債」とは?

インフレに強い国債に注目しよう

預貯金は、一般的にリスクが無い資産と言われますが、インフレに弱いので「リスク資産」です。株式や外貨はインフレには強いですが、値下がりのリスクがあります。そうした中、値下がりのリスクが無く、インフレにも強い国債があるので、御紹介しましょう。

個人向け国債10年物は、変動金利型

普通の国債は、発行時に利払額と満期償還額が決まっていますが、そうでない国債が2つあります。個人向け国債10年物(以下「変動金利型国債」と呼ぶ)と物価連動国債です。

変動金利型国債は、発行日と利払い日に、長期金利(本記事では10年固定利付国債の実勢金利とします)の0.66倍を計算し、その金利を用いてその後半年間の利払い額を計算するのです。ただし、長期金利が非常に低い場合で、長期金利の0.66倍が0.05%を下回る場合には、0.05%が適用されます。

従って、当分の間、10年物の利払いは、金利0.05%で計算されることになるでしょう。現在の金利水準は異常ですが、通常時は長期金利の方が短期金利よりも高いので、長期金利の0.66倍というのは、悪くない水準だと思います。

インフレ懸念で、長期金利は上昇

長期金利は、予想される将来の短期金利に大きく影響されます。インフレが予想されると、短期金利の上昇が予想されるので、長期金利も上がるのです。そうなれば、変動金利型国債の利子の支払い額が増えます。

普通の国債を買ってしまうと、インフレになっても予め決められた金利(今は、ほとんどゼロ)しか受け取れませんが、変動金利型国債を持っていれば、インフレになった時には利子が多く受け取れます。しかも、全くインフレにならなくても銀行の定期預金よりはわずかながら高い金利が受け取れるのです。

なお、個人向け国債は、発行後1年間は原則として換金出来ません。その後は解約できますが、直前2回分の受け取った利息は返すことになります。途中で解約する場合には銀行の定期預金の方が有利かもしれません。

物価連動国債は最強のインフレ対策!でも金額は1000万円単位

今ひとつ、物価連動国債という物があります。これは、償還額が償還時の消費者物価指数に連動するものです。償還時に消費者物価が2倍になっていたら、償還額が2倍になるという、最強のインフレ対策ですね。

もっとも、額面100円のものが100円で買えるわけではなく、その時々の相場にもよりますが、最近では105円程度出さないと買えないようです。従って、全くインフレにならなければ5円程度の損が出ることになりますが、これは「インフレに備えるための保険料」だと考えましょう。

今ひとつの問題は、最低購入単位が1000万円なので、庶民には手が出しづらいという事です。退職金の運用には適していますが、若い方にはチョッと手が出ないかも知れませんね。

塚崎 公義
久留米大学商学部教授
1981年東京大学法学部卒後、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関係の仕事に従事した後、2005年に銀行を退職して久留米大学へ。「退職金貧乏 定年後の『お金』の話」「老後破産しないためのお金の教科書」「増補改訂よくわかる日本経済入門」「世界でいちばんやさしくて役立つ経済の教科書」「なんだ、そうなのか! 経済入門」「経済暴論」など著書多数。

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