
(写真=筆者撮影)
初心者にも優しい?中古マンションの「ヤドカリ投資法」とは
ふどうさんぽ「贅沢セミナー祭り」リポート・前編
2017年9月某日、筆者が訪れたのは、東京・板橋区の板橋文化会館。
普段はコンサートや習い事・サークル、地域イベントなどで使用されている会場ですが、この日は朝からとあるセミナーが行われていました。
セミナーの主催者は、不動産投資サークル「ふどうさんぽ」。不動産投資を楽しむための情報交換と、自己研鑽を行うことを目的とした不動産投資家のサークルです。
今回は「ふどうさんぽ 200回記念『贅沢セミナー祭り』」から、初心者の私でも取り組めそうな中古区分マンションの投資に関するセミナーの内容をお届けします!
中古区分マンション投資の良さって?
セミナーの講師はふどうさんぽ設立者の御井屋蒼大(みいや・そうだい)さん。
御井屋さんは大学卒業後、会社勤めをしながら不動産投資をスタート。2010年に「ふどうさんぽ」を設立しました。
これまで、新築・中古アパート・戸建て・マンションなど多くの物件を取得している御井屋さんですが、中古区分マンションも、計13戸所有しているとのこと。
「今年も、中古区分マンションを新たに購入しました」と、御井屋さん。
不動産投資に興味はあるけれど、未経験の私。「中古区分マンションの魅力って何なんだろう?」と、思わず身を乗り出しました。
中古区分マンション投資法のメリット
御井屋さんによると、中古区分マンション投資のメリットは次の3つ。
①建物の価格が安い
「不動産投資=初期費用がかかる」というイメージが強いですが、中古区分マンションは、手元に資金が少ない人でも購入しやすいのだとか。物件にもよりますが、数百万円の自己資金があれば購入できる中古区分マンションもあるそうです。
確かに数百万円の資金なら、貯金を頑張れば手が届きそうですね。
②管理がしやすい
中古区分マンションは、「玄関ドアの内側からベランダの窓の内側までの空間」が専有部分(所有権のある部分)となります。一方、エントランスや外廊下、階段などは、みんなで所有する共用部分(専有部分以外の建物部分)。
例えば一棟アパートなどで不動産投資を行う場合、オーナー自身・または管理会社などに依頼をして、共用部分の清掃・管理をする必要がありますが、区分マンションではその必要がないため「管理がラク」なのだそうです。
確かに、仕事をしながら副業として不動産投資を行う場合、エントランスや廊下の管理まで時間を取られると大変かもしれませんね。
③金融機関から融資が受けやすい
不動産投資を行う時には金融機関から融資を受ける人がほとんど。
ただし、全ての人が融資を受けられるわけではありません。その人の職業や働いている企業、年収、勤続年数、役職、資産などの情報をもとに、「この人は融資をしてもきちんとお金を返してくれるかどうか」を判断しているのですね。
「属性が大事」と聞くと、上場企業に勤めていて年収も高くて……という人しか、融資を受けられないと考えてしまいそうです。しかし、御井屋さんは、「中古区分マンションの場合は融資金額もそれほど高額にはならないため、属性がよくない人でも融資を受けやすいんです」と話します。
また、中古区分マンションの購入は、将来的に複数の物件を所有していきたいと考えている人が金融機関との関係を築くきっかけにもなっているようです。
たった1日でこれだけのセミナーが開かれていました(写真=筆者撮影)
「ヤドカリ投資法」とは?
さらに御井屋さんは中古区分マンション投資には「ヤドカリ投資法」という方法もあると言います。
……。ヤドカリ投資法って……?
「最初は住居用として、住宅ローンを利用して中古区分マンションを購入します。住んでいる間に部屋のリノベーションやDIYなどを行い、実際に住みながら部屋をキレイにしていきます。そうすれば、将来賃貸に出したり売却する時に、物件の価値を高めることができます」(御井屋さん)
購入した物件をいきなり人に貸すのではなく、まずは自分で住むのが「ヤドカリ投資法」。リフォーム費用はかかるものの、自由にリフォームをして物件の価値を高めるメリットがあるようです。
確かにこの方法なら、不動産投資初心者でも取り組みやすそう!
(写真=Alexandra Lande/Shutterstock.com)
得られる利益はそれほど高くない?
実際に中古区分マンションを購入した場合のシュミレーションも紹介されました。
例えば1050万円で購入した中古区分マンションをリフォームし、1480万円で売却すると考えます。
この数字だけを見ると、「400万円以上のプラスが出てお得!」と思いがちですが、実際には売却益(物件を売ったことで得られる利益)から税金が引かれて、さらに
・物件購入、売却時の諸費用 ・リフォーム費用
がかかるため、手元に残るのは100万円程度だそうです。
安い=損する額も低いということ
こうして計算してみると「中古区分マンション投資は思ったよりも儲からないのかな?」と思ってしまいそうです。
この点については、御井屋さんも「金額が安いということは、もし不動産投資で失敗してしまっても、損する額も小さいということ」と解説。
なるほど。新築マンション、アパート一棟など、さまざまな種類がある不動産投資の中でも、金額の低い中古区分マンションはよくも悪くも「低リスク・低リターン」ということなのでしょう。
……ただ、どれだけたくさんの知識を得ても、実際にやってみるとどうなるのでしょう?
次回は、現役大家さんによるパネルディスカッションの模様をお届けします!不動産投資が職場の人間関係にもプラスをもたらすってどういうこと?リアルボイスは後編にて。(ふどうさんぽ「贅沢セミナー祭り」リポート・後編に続く)