特集:つみたてNISAってなんだ?

こんな欠点が!? つみたてNISAのメリット・デメリットまとめ

注意点を理解した上で利用しましょう

知識はあまりないけど、若いうちから投資をして将来に備えたい。そんなあなたにぴったりの新制度「つみたてNISA」が、2018年1月から始まります。

この特集では、つみたてNISAの全貌を、投資をまったくしたことのない人でも理解できるくらい丁寧にお届けしています。今回のテーマは「メリット・デメリット」です。

【前回までの記事はこちら!】
知識ゼロでもわかる「つみたてNISA」3つの特徴。そもそもなんで登場したの?
つみたてNISAが働く女性にとってうれしい3つの理由

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☆登場人物紹介
ほなみ……大学生。老後が不安になって将来に備えて投資をしたいが、投資に関する知識がなくて困っている。
あんずちゃん……DAILY ANDSのゆるキャラ。株とお酒が好物。
あんずちゃんとは?

***

ほなみ「『つみたてNISA』って、結局なんでしたっけ?税金がかからないってことだけは覚えてるんですが……」

あんず「あらま。(笑)じゃ、ここらへんで整理しておこうか!いいところがたくさんある一方、注意すべきところもあるよ!」

ほなみ「お願いしまーす!」

つみたてNISAのメリット2つ

①非課税期間がなが〜い

つみたてNISA口座で取引をした場合、20年間、利益に対して課税されません。20年目の投資に対しても20年間の非課税期間があるので、実質40年間という長期間、つみたてNISA口座で節税の恩恵を受けることができます。

ほなみ「これまでの証券税率の変遷を知らないので、正直、非課税といってもピンとこないんですよね……。今までに非課税だった時はあるんですか?」

あんず「それがねぇ、一般NISAができた2014年以前にはないのよ……」

<投資にかかる税金のあらましについて>
投資の運用益や分配金にかかる税金は、様々な変遷をたどりつつ、1999年には20%に落ち着いていました。

しかし2003年、景気の停滞に伴って日本人の株離れが急速に進んだため、税金を一時的に半分にする「軽減税率」が導入されました。

当初、10%の証券税率は5年間の限定措置の予定でしたが、結果的に10年後の2013年まで軽減税率制度は継続しました。金融機関や個人投資家が、軽減税率の延長を繰り返し求めたためです。

しかし政府としては、いつまでも税率を10%にしておくわけにはいきません。

2012年に東日本大地震の影響で、復興税0.315%を導入したころ、証券税率を本来の20%(復興税と合わせて20.315%)に戻す方針になりました。

当然、軽減税率の延長を求める激しい反対運動が起こります。

そこで政府は2014年度にNISA口座を作り、毎年一定の投資金額以下で運用すれば非課税にする、という特例を設けました。

こうして少額(毎年120万以下)なら非課税、それ以上なら税率20.315%という全く新しい証券税率制度が始まったのです。

そして2018年、今度はつみたてNISAという新しい口座が誕生します。

〜FIN〜

あんず「つみたてNISAによって20年間(実質40年間)も非課税期間を設けることが歴史的に見てサプライズだってこと、わかってもらえたかしら?」

ほなみ「すごいですね……!」

②商品選びがラク!

現在日本国内で販売されている投資信託の中で、一般の人が自由に購入出来るものは約5400本。これだけ多いと、投資先を決めるのに莫大な時間とコストがかかってしまいますよね。

つみたてNISAであれば、そもそも投資手法は積立投資(ドルコスト平均法)、対象商品は厳選された投資信託であるとあらかじめ定められています。2017年10月3日時点では、105本の投資信託が、購入可能なものとして金融庁から公表されました。これは全体の2%程度になっています。

ほなみ「非課税で、堅実に、ラクして投資できる制度。それがつみたてNISA……」

あんず「ちょっと待って。たしかにそうだけど、注意すべきところも忘れないでね!」

つみたてNISAのデメリット3つ

①投資上限額が一般NISAよりも少ない 

つみたてNISAの投資上限額は、毎年40万円。月ベースに直すと、毎月3.3万円の積立投資が可能です。

それに対して、一般NISAであれば毎年120万円まで投資をすることが可能です。

あんず「つみたてNISAの場合、一気にドカンと資本を投下するのではなくて、長期的にじっくり保有することが『資産形成』につながるんだね!」

②スイッチング(商品の交換)ができない

保有している投資信託(ファンド)を別のものと交換することを、スイッチングといいます。NISAではこのスイッチング行為が認められていません。

例えば、あなたはつみたてNISAで「あんずファンド」を積立投資していました。

その1年後、より手数料が安くて魅力的な「すももファンド」という商品が発表されました。

この場合、「つみたてNISA」で「すももファンド」を購入するためには2つ方法があります。

① 毎月3.3万円の範囲内で、「あんずファンド」に加えて「すももファンド」も積み立てる
② 「あんずファンド」を完全に売却してから「すももファンド」を買い付ける

一般の証券口座であれば、上記2つの方法以外にも、すでに積み立てた「あんずファンド」を「すももファンド」と交換することができるケースもあるのですが(このことをスイッチングと言います)、つみたてNISAでは認められていません。

③損益通算ができない

通常、金融商品の取引で利益が出た場合、その利益には20.315%の税金がかかります。たくさん儲けても手元に8割しか残らないのでは資産形成がしにくいので、つみたてNISAや一般NISAのように、利益に税金がかからない制度が設けられたのでしたね。

ただ、通常の証券口座の取引にも良いところがあります。それは、過去3年の間に損失が出ていれば、その損失の範囲内であればその後の利益については税金がかからないようにできる仕組みがあるのです。これを「損益通算」(そんえきつうさん)と呼びます。

例えば、あんずちゃんが2018年に投資で20万円の損失を出してしまったとします。その後、あんずちゃんは投資の猛勉強をし、2019年は30万円儲けることができました。

この時、もし、「損益通算」が認められていれば、2019年に儲けた30万円から、2018年に損をした20万円を差し引いて、残りの10万円にのみ、20.315%の税金(約2万円)がかかることになります。

一方、「つみたてNISA」や「一般NISA」では損益通算することができません。

今回の例で言えば、2019年の利益30万円に20.315%課税されて、約6万円の税金を支払うことになります。

ほなみ「ちょっと待って!つみたてNISAや一般NISAは利益に対してもともと税金がかからないから、この場合6万円も払わなくて良いんじゃないですか?」

あんず「鋭い!ほなみちゃんが、つみたてNISAや一般NISAでしか取引をしないなら税金を払わなくてOK。もし、つみたてNISA以外にも証券口座を持っていたとしたら、そこで出た利益には税金がかかるよ、ということ」

ほなみ「なーんだ、よかった〜。あっ!そういえば、選べる金融商品が限られてることにも、実は注意点があったりして……?!」

あんず「よし、次はつみたてNISAで購入可能な投資信託の基準について、たっぷりお話するからお楽しみに!」(続く)

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