(写真=Africa Studio/Shutterstock.com)

住宅ローンを滞納したら、できなくなった3つのこと

信用情報にキズがつくのはあっという間

「借金=悪」とか、「借金=怖い」というイメージを持っている人もいることでしょう。

人は自分が知らないことに対して怖いという心理が働きます。借金(ローン)を返せなくなった人間がその後どうなってしまうのか。それを知れば今後、借金に対するイメージも変わるかもしれません。

住宅ローンを滞納して、物件が競売にかけられてしまった筆者の知人の体験談をご紹介します。

知人が住宅ローンを滞納することになった経緯

筆者の知人、斎藤さん(仮名)はターミナル駅徒歩圏の高級マンションに住んでいました。

斎藤さんは元々家族でそのマンションに住んでいたのですが、家族と別居することになり、マンションに奥さんと子供を残して家を出ることになりました。

当時は、すぐに離婚して、マンションも売却し、売却益を財産分与すればいいと考えていたのですが、その後、離婚の話し合いは泥沼化。奥さんと子供はマンションからの引っ越しを拒み、結局、斎藤さんが自分は住んでもいないマンションのローンを払い続けることになってしまったのです。

数年間ローンを払い続け、その間何度も退去をお願いしましたが、話し合いは平行線。入居者がいては、勝手に売却することもできません。

悩んだ末に行きついたのがローンをわざと滞納し、競売にかける、という結論でした。

住宅ローンを滞納してからの流れ

彼が住宅ローンを滞納した後の出来事を時系列で追ってみました。

  • 滞納5カ月:銀行から内容証明郵便で「催告書」が届く(滞納しているので払ってください、という内容。斎藤さんは当然無視します)
  • 滞納7カ月:サービサーから配達証明で「保証債務履行通知及び催告書」が届く(サービサー=債権回収代行業者、へ債権が移行されましたよ、という内容)
  • 滞納9カ月:裁判所から特別送達で「担保不動産競売開始決定」書類が届く(競売にかけられますよ、という内容)
  • 滞納10カ月:裁判所の執行官が自宅に来て現地調査を行う(3点セットと呼ばれる競売用の資料が作成されます)
  • 滞納1年:裁判所から「競売開始決定通知書」が届く(競売始まるよ、という内容)
  • 滞納1年3カ月:入札、開札
  • 滞納1年5カ月:落札者に所有権が移転される
  • 滞納1年7カ月:弁済金の交付

この間、怖い取立屋が家に来る、というようなことはなく、実際は銀行の親切な女性担当者と電話でやり取りしたくらいです。あとは全て書面でのやり取りのみで淡々と事務的に物事が進んでいくだけです。

物件が競売にかけられるとどうなるか

さて、物件が競売にかかっていることが公になると、多くの不動産業者からの手紙が届くようになります。

知人の物件はターミナル駅徒歩圏の高級マンションで資産性があるため、不動産会社としては喉から手が出るほど欲しい物件です。

ほとんどが「うちにご相談ください。競売にかけられない方法があります!」とか「まだ大丈夫です!一緒にこれからの道を考えましょう!」という文言が印刷されているDMでしたが、あるときは便せん3枚に手書きされた、まさに「お手紙」をもらったこともあります。それだけ不動産会社も熱意を持って取得したい物件だったのでしょう。

知人の場合、最初から競売にかけることを想定していたため、どれだけお手紙をもらっても響くことはなかったのですが、ローンが返せなくなって不安でいる人にとっては、このような不動産業者が救世主のような存在に思えたかもしれません。

住宅ローン, 滞納, 競売 (写真=fizkes/Shutterstock.com)

住宅ローンを滞納したらできなくなった3つのこと

さて、そのような手紙にも反応せずにいると今度は、思いもかけない不便なことが突然起こります。

  1. クレジットカードが使えなくなる
  2. お金が借りられなくなる
  3. 携帯電話の新規契約ができなくなる

いわゆる「ブラックリストに載る」というのがこの状況です。斎藤さんが驚いたのは、その情報のまわるスピードの速さです。

彼はたまたま海外に1カ月滞在していたのですが、行きには利用できた航空会社のラウンジや優先搭乗などのプレミアムサービスが、帰りは利用できなくなっていたそうです。

これはカードにマイレージ情報が紐づいていたためで、個信に情報が載ったであろう翌月にはクレジットカードは利用できず、カードに付帯していたマイレージ会員のプレミアムサービスも利用できなくなっていたのです。

☆個人信用情報とは?
日本の個人信用情報を管理している機関は、CICとJICCの2種類あります。クレジットカードの支払い遅延やローンの滞納情報は自動的にこちらに登録されます。個信には5年前までの情報が記載されますので、一度滞納情報が載ると5年間はローンを組んだり、携帯電話を契約したりすることが出来なくなりますが、5年経てば滞納情報は消えます。もし自分の個信にどのような情報が載っているのか知りたい場合は有料になりますが、取り寄せることも可能です。

売却された物件のその後

資産性の高いマンションでしたのであっという間に買手が付き、落札した業者はすぐに売却したそうです。

ちなみに、住宅ローンを滞納しても競売にかけたくない場合は「任意売却」という方法もあります。また、そもそもローンの支払いに不安がある場合は、自分の給与収入から返済するのではなく、賃貸併用住宅のように一部を賃貸にしてその賃料をローン返済に充てるという方法もあります。

競売にかけられても普段の生活にはほとんど影響がなかった、というのが斎藤さんの感想ですが、ローンを組むときはきちんと支払えるかシミュレーションしてから契約するようにしましょう。

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