(写真=筆者撮影)

子ども向け教室で学んだ「投資ってこういうことだったのか」

六本木ヒルズの人気講座に潜入してきました

夏休みももう終わり。子どもの頃は8月の終わりになると宿題に追われていたなぁ、などと懐かしい気持ちになりますね。

ところで先日、「お金のお仕事 ~さぁ、お金に働いてもらおう!~」というタイトルのマネー教室が六本木ヒルズで行われました。これ、10歳から15歳までの子どもを対象とした講座で、なんと倍率4倍の人気講座なんだとか。

「お金に働いてもらう」となると、投資がテーマ。でも子どもにどうやって教えるの? そしてもしかして、大人にもためになるのでは?

そこで取材という名を借り、くすい ともこ DAILY ANDS 編集長が、ガチで受講してきました! 子ども向けお金のワークショップは……役に立ちましたよ~。内容をリポートします。

子ども向け教室 (写真=筆者撮影)

倍率4倍。集まったのは六本木界隈の都会っ子たち

このワークショップ、夏休み中の子どもたちを対象にした、森ビルによる「キッズワークショップ2017」のひとつ。世界最先端の学びの機会を子どもたちに提供したい、というコンセプトに賛同した企業が協賛しています。

「お金のお仕事 ~さぁ、お金に働いてもらおう!~」を手掛けるのは、ネット証券会社のマネックス証券。定員20人のところ、約4倍の応募があった人気講座で、抽選で選ばれたラッキーな子どもたちとその保護者が集まりました。都心在住の、都会っ子の応募が多かったそうです。

子どもたちを前にまず登場したのは、テレビの経済番組でのコメンテーターとしても活躍している、同社の執行役員でチーフ・アナリストの大槻奈那さんです。

まだお金がなかった遠い昔、人はどうやってほしいものを手に入れていたの? という物々交換の話から、便利な「お金」が登場するようになった歴史の説明がありました。

お金は「交換できる」「価値を計る」「貯める」ことができるから、便利ですよね。ふむふむ、ここまでは付いていけます。

imageTitle (写真=筆者撮影)

ケーキ屋のおじさんに「投資」するという選択肢

「おやっ?」と思ったのは、その後です。「手元に5万円あったとしたら、あなたはどうしますか?」こういう場合、答えはだいたい「何かを買う」「貯金する」ですよね。ところがこのワークショップ、3つ目の選択肢がありました。

それは「ケーキ屋を経営しているおじさんにお金を預けて、最新式の機械を買うなどして役立ててもらう。時々おいしいケーキを分けてもらって、後でお金は返してもらう」というものです。おお、これは「投資」するということではないですか!

「さあ、あなたならどうしますか? 保護者の方も考えてください」。子どもたちはおもちゃのお札に、保護者は付せんに自分の名前を書いて、ホワイトボードに貼り付けていきます。

「貯金する」派の子どもが多いなか「お金を預けて使ってもらう」を選んだ子も2人いました。保護者でも「お金を預けて使ってもらう」は少数派ですが、投資好きのくすいは、もちろんここに一票。

大槻さんに保護者と思われたのか「くすいさん、理由を教えてください」と指名までされてしまいました。「どんなケーキが食べられるか楽しみだから……」と、とっさに答えましたが……。

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ケーキ屋さんが「うまくいく」「うまくいかない」とき

「使う」「貯金する」「預けて使ってもらう」は、どれがいい、悪いという話ではありません。

「使う」は、使えばなくなってしまいます。では「貯金する」が絶対に正しいのかといえば、お金を貯めているうちにものの値段が上がってしまい、欲しかったものが買えなくなることもあります。

ケーキ屋のおじさんに「お金を預けて使ってもらう」場合は、もし商売が大繁盛すれば、おいしいケーキがもらえるだけでなく、お礼として、貸したお金以上の金額がもらえるかもしれません。

でも逆に、そんなふうにがんばったのに、突然近所に、大型のチェーン店ができてお客さんが取られてしまい、店をたたむことになったら? お金は戻ってこないかもしれません。

「正しい」がないから、自分で責任を取るしかない

それにしても、ここで「ケーキ屋のおじさん」を出す展開って、すごいのではないでしょうか。

私たちが子どもの頃って「使う」「貯金する」の二択、いや実質的には「倹約して貯金しましょう」という、一択だった気がします。

でも実は、「使う」が正しい場合もありますし、どれが正しい行動だったかは誰にも分からないことです。だから自分で責任を取っていくしかありません。まさに「自己責任」ということです。

そして選ぶかどうかは本人の自由としても、「投資」という第3の選択肢があることを知識として教わっていれば、今までの人生、選択がちょっと変わっていたかもしれないな、と感じました。

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株主がお金を出してくれる理由は?

後半では「ノリのいいお兄さん!」という雰囲気の、マネックス証券 プロダクト部 マネジャーの益嶋(ますしま)裕さんが登場。発言した子には、もれなくお菓子を配りながら「株って何?」をテンポよく伝えていきます。

「ラーメンで天下を取ってやる!」という経営者が、お店をやっていくのに自己資金が足りないときは、どうすればいいでしょう?

「銀行から借りる」方法のほかに、「株式を発行する」という方法があります。「では株主は、なぜお金を出してくれるのでしょうか?」

はい、前半でやりました。もうかったらお金が返ってくるし、お礼においしいラーメンが食べられる、かもしれないですよね。「株主優待があるから」と発言して、注目を集めていた子もいました。

「まだあります。こういうラーメンを作りなよ、という経営のアドバイスをするなど、株主には経営に参加する権利もあるんですよ」と益嶋さん。

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私たちのまわりは「株式会社」だらけ

株式会社、という言葉が出たところで、コンビニエンスストア、レストラン、ドラッグストアなどの業種別に、身近な株式会社を書き出すワークショップです。

くすいもかなりがんばって書き出しましたが、改めて、私たちがよく知っている会社の多くは株式会社で、株式会社というのは、前半から勉強してきたような仕組みで回っているんだなあ、ということを感じました。

大人になると、つい全体を見て分かった気になってしまいますが、こうやって、ひとつひとつ「腹落ち」させていくと、本質的なことが分かってくるのかもしれません。

最後には昨年の「ポケモンGO」のヒットと任天堂の株価の関係などを見ながら、株価チャートも少し勉強しました。「利益が増えている会社の株は、みんな欲しいので人気になる。そうなるとその株の価値(株価)が上がっていく」という説明は、子どもたちも納得していたようです。

「池上さん」ではないけれど

経済ジャーナリストの池上彰さんではないですが、子どもにも分かるように説明してもらうと、大人にも「そういうことだったか!」という発見があります。

ちょっと知っている分野だと「そんなこと知っている」と思い込んでしまいがちですが、違う角度、目線からの説明があると、はっと気が付けることがありますね。

わざわざ子ども向けの講座に潜入するのは大変ですが(笑)子ども向けの金融教育の本やコンテンツをチェックしてみると、本質的な理解が深まるのではないかと感じました。

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