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「投資経験あり」が7割。シンガポールに生きる女性たちの資産運用事情とは?

シンガポール女性向けワークショップリポート【前編】

豊かな食文化に多様な人種……。

さまざまな魅力があるシンガポールですが、東南アジアを代表する金融立国としても知られています。

そんなシンガポールで暮らす女性たちの資産運用事情ってどうなのでしょうか?

2017年7月、シンガポールで女性向けの金融・資産運用のリテラシーを学ぶワークショップを開催しました。今回は前後編にわたり、その模様をお届けします。

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今回参加してくれた女性たちの属性

今回のワークショップは、「あなたの”なりたい”がかなう」をテーマに、女性が”なりたい”をかなえるための様々なきっかけやプログラムを提供するGirls Beeが主催しました。

Girls Beeは2011年より東京で活動をしてきましたが、代表である私、小川麻奈が2015年よりシンガポールに拠点を移し、このワークショップはシンガポールで初開催のイベントとなりました。

ワークショップ参加者の属性を国籍別に見てみると、シンガポールと日本を筆頭に、マレーシア、インド、アメリカ、ポーランド、タイ、カナダなど非常に様々。

さすが国際都市であり多民族国家のシンガポールならでという結果に。

年齢属性は約半数が25歳から34歳、残りの約半数は30代後半から50代前半までの女性たち。半数が独身、約半数が結婚しているもしくは結婚経験者という結果に。また職業属性は60%が会社員、約30%が会社経営者やフリーランスという結果になりました。

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興味深かったのは、参加者の方々のこれまでの投資経験について尋ねてみると約70%が過去に投資をしたことがあったこと。

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「投資経験がある」と回答した人のうち、実際に投資した商品について一番多かったのは「不動産関連」、続いて「株」、「債券」という結果になりました。

セミナーの母集団は20人前後のため、このデータをシンガポールに暮らす女性たちの資産運用事情として一般化することは難しいですが、筆者は、日本人女性たちに比べると、投資や資産運用に対する関心が高く、また経験値についても高いような印象を持ちました。

講師はキャリアウーマンで2児の母、フェニーさん

今回のワークショップで講師を勤めていただいたのは、米系不動産投資関連会社Walton Internationalのシンガポール法人でセールスチームのSenior Vice Presidentとして活躍されているフェニー・メイナードさん。

現在37歳で、同社シンガポール法人で従業員数の約半数となる50人のセールスチームを率いるキャリアウーマンであり、10歳と8歳の二人の女の子のお母さんでもあります。そんなフェニーさんに教えていただいた、今後の人生計画とそれに合わせた資産プランの考え方をご紹介させていただきます。(以下、フェニーさん談)

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物価が上がることも考えて必要資金を計算!

まずは自分がリタイヤしたいと思っている年齢を決めましょう。これは定年を想定した年齢でも構いませんし、アーリーリタイヤをされたいと思っている方はその年齢を設定してください。

次に現在のご自身の生活での毎月の支出をざっくり算出します。これには家賃や食費、娯楽費など、現在の生活を続けるのに必要な毎月の平均的な支出で考えて見てください。

ここからはわかりやすいようにとある女性を例にして説明していきます。

ある日本人女性(現在33歳)が、50歳でリタイヤを希望しています。

彼女の現在の月間の支出は家賃などを全て含めて3000シンガポールドル(日本円で25万円程度)。彼女が50歳でリタイヤするまでにあと17年あります。日本人女性の平均寿命はおよそ85歳。つまり50歳から85歳の35年間分の生活資金を、リタイヤするまでの17年間に稼ぐ必要があるということになります。

  • 現在の年齢:33歳
  • 現在の月間あたりの平均支出:3000シンガポールドル(日本円で約25万円程度)
  • リタイヤしたい年齢:50歳
  • リタイヤまでに残された年数:17年
  • 日本人女性の平均寿命:85歳
  • リタイヤしてから死ぬ(想定)までの年数(想定):35年

さて、ここで考えなければならないのがインフレーション率、つまり物価の上昇率です。現在のシンガポールのインフレーション率は年間あたり5-7%程度。仮に5%として計算した場合、彼女が50歳になった時、現在の3000シンガポールドル(日本円で約25万円程度)は5550シンガポールドル(日本円で約45万円相当)相当になると考えられます。

そう考えた場合、50歳以降に1年間に想定される支出は、

  • 5550シンガポールドル(月)×12(カ月)=6万6600シンガポールドル(日本円で約520万円)

この支出が死ぬまでの35年間続くと考えると

  • 6万6600シンガポールドル(年間)×35=233万1000シンガポールドル(日本円で約1億8700万円)

つまりこの女性の場合、リタイア後も今と同水準の生活を維持するためには、233万1000シンガポールドル(日本円で約1億8700万円)を蓄える必要があるということ。1年に約1100万円ずつ積み上げなければならない試算になります。

もちろん現在と老後とではお金の使い方は変わるでしょう。とはいえ、国の年金制度もあてにできない昨今、このように一度ざっくりとでも自分がリタイヤをした後に必要な資産を計算してみると、より資産運用に対する危機感や興味が湧いてくるかもしれません。(フェニーさん談、おわり)

年金制度だけを頼りにできないのは日本もシンガポールも同じ

リタイアするまでに必要なお金を計算するとき、物価の上昇率まで考えるというのは、物価上昇率が5%であるシンガポールならではかもしれません。

一方、国の年金制度だけをあてにできないのはシンガポールも日本も同じですね。

ここまでの話を聞いて、参加した皆さんも資産運用の必要性をあらためて実感した様子。

後編では、実際に資産運用を行っているフェニーさんご自身の体験談についてご紹介します。

「私が資産運用に興味をもったキッカケは、父が亡くなったことでした」

フェニーさんの意外な苦労談とは?(後編に続く)

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