(画像=グローバルエージェンツ提供)

ソーシャルアパートメントとは?シェアハウスと何が違うか運営者に聞いてみた【後編】

「一人暮らし+α」という考えがベースにある住まい方

前編では、ソーシャルアパートメントの定義や住むメリット、どんな入居者が多いかなどを、運営会社のグローバルエージェンツの広報担当である吉田主恵さんに伺いました。

後編では、ソーシャルアパートメントサービスをスタートするに至った経緯や、今後の展望について、引き続き吉田さんに語っていただきました。

ちなみに、今回取材させていただいた「ワールドネイバーズ清澄白河」は、2017年3月、東京都江東区の清澄白河にオープンしたソーシャルアパートメント。大手家電メーカーの社員寮をリノベーションした10階建て、全134室の建物で、ソーシャルアパートメントの中でも2番目の大きさだとか。

ソーシャルアパートメント (写真=筆者撮影)

共用部としては、娯楽設備が整ったラウンジにワーキングラウンジ、最新家電がそろう共用キッチンに加え、スカイツリーが一望できる屋上テラスにはBBQ台も設置。住人以外の一般の方も利用できる直営カフェやコインランドリーも併設されています。

美術館やおしゃれなカフェが多く、住みたい街として人気急上昇中の清澄白河に建つ、ラグジュアリーな雰囲気あふれるソーシャルアパートメントです。

ソーシャルアパートメント誕生のきっかけ

――なぜ、このような住居スタイルのサービスを始められたのでしょうか?

会社設立の2005年当時、日本にもシェアハウスはありましたが、家賃を安くするために何かを我慢しなければならず、住んでいる人の質や環境があまり良いとはいえないものも多くありました。

例えば、掃除当番があったり、共有スペースを通らなければ自分の部屋に行けなかったり、同居人の物音が気になったり。シェアハウスでは、プライベートが犠牲になってしまうところが多かったんですね。

代表の山崎(グローバルエージェンツ代表取締役、山崎剛氏)は、インターンで経験した不動産の知見があり、さらに、学生時代の留学先ではシェアフラット生活をしていた経験から、その海外のシェアフラットを、日本に持ち帰れないかなという思いがあったといいます。

一方、世間ではSNSがちょうど発展してきた時代です。従来のシェアハウスではなく、「一人暮らし+α」という考えをベースに、SNSをリアルに体現できる“場”を求める人にとって快適で住みやすい環境を作りたい、とスタートさせたのが「ソーシャルアパートメント」でした。

imageTitle (写真=筆者撮影)

始まりは、感度の高い一部の少数派から

――ソーシャルアパートメントはどのように広まっていったのでしょうか?

設立の2005年に「シェアハウス」はあったといっても、その認知度自体はまだ広まっていない状況でした。(引っ越し先を探すにしても)シェアハウスの選択肢がまずなかったですね。

そんななか、シェアハウスでなくソーシャルアパートメントを選ぶのは、かなり感度が高い人だったと思います。2009年にオープンした「ソーシャルアパートメント恵比寿」にお住まいだった方の中には、今さまざまな業界の第一線で活躍されている方も多くいらっしゃるんですよ。

(入居者募集については)立ち上げ当初は、シェアハウスをまとめたサイトに掲載したり、仲介業者を使ったりしていましたが、今はほぼ100%自社サイトで集客しています。当初から自社サイトを育てるとことに注力し続けた結果、現在自社集客で年間平均93%の稼働を維持できるまでになっています。

それと口コミの力も大きいので、入居者さんの友人紹介キャンペーンなども実施しています。

――ソーシャルアパートメントが広がっていった背景には何があると思いますか?

ソーシャルアパートメントには、20代前半〜35歳くらいの、いわゆるミレニアル世代の方が多く入居されています。この世代というのは、所有欲が強くなく、物質以外の価値に重きを置き、合理的かつ自由度が高く、多様性も難なく受け入れる。そんな特徴が見られると言われています。

そのような方々が生活スタイルを自ら考え、選ぶようになり、ソーシャルアパートメントが受け入れられたのでは、という感覚はありますね。

ソーシャルアパートメント (写真=筆者撮影)

物件ごとにテーマのあるデザインに

――女性に人気の物件もありますか?

西荻窪や三鷹など、中央線沿線の物件は女性入居者さんが多いですね。治安が良く、物件のデザインがややフェミニンということもあります。女性比率は駅チカ物件のほうが高いように思います。

女性にオススメといえば、住みやすい街の多い田園都市線沿線の「ソーシャルアパートメント宮前平」や「ネイバーズ宮前平」は駅からも近く、お部屋も収納も比較的大きくて荷物の多い方には好評です。

駅から少し距離のある物件でも、最寄り駅が充実している「ソーシャルアパートメント青葉台」はお部屋が水回り付きですし、都心ながら見晴らしの良い屋上でヨガなど楽しめる「ソーシャルアパートメント恵比寿」は私のイチオシ物件です。

――物件ごとにデザインが違いますが、それぞれにテーマがあるんでしょうか?

誰でも受け入れやすいテーマながら、物件ごとの特徴は出していこうというデザインになっています。

分かりやすい物件では、2016年にオープンした「ネイバーズ二子玉川」は「自転車と暮らす」をコンセプトにしています。駅から徒歩20分と少し距離がありますが、多摩川沿いのサイクリングを楽しむような生活イメージのデザインで、ラウンジは一部自転車を引いたまま入れるようになっています。

imageTitle (画像=グローバルエージェンツ提供)

目標は社会貢献。ソーシャルアパートメントの今後

――今後、どのような展望をお考えですか?

今わが社では、ソーシャルアパートメントを基盤として、ホテル事業など多方面に広げています。今後は国内だけではなく、海外展開もしていきたいと考えています。

現在は1棟100〜200世帯ほどの規模感ですが、1棟あたりの規模の拡大にも挑戦していきたいですね。アパートを超えたものとして、例えば一つの複合施設も考えられますし、できることは増えていくでしょう。

今後、どんなにIT技術が進み、世の中がさらにデジタル化されていくとしても、人対人のコミュニケーションは変わらないと考えています。

昔の団地のようなコミュニティー作りであったり、国際化が進むなかで日本人と外国人が交流できる“場”を提供するなど、今後必要とされることは何か、そしてそれが文化になり得るか、それが私たちの進む方向だと考えています。

***

「一人暮らし+α」という考え方で、快適なプライベート空間と良質なコミュニティーが持てるソーシャルアパートメント。魅力的な設備が充実しているだけでなく、シェアハウスなどで起こりやすいトラブルの回避など、入居者さんのことを考えて丁寧に設計されていることが分かりました。

新しい暮らし方の一つとして、これからも注目していきたいと思います!

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