(画像=グローバルエージェンツ提供)

ソーシャルアパートメントとは?シェアハウスと何が違うか運営者に聞いてみた【前編】

一人暮らしとシェアハウスのいいとこ取りってホント!?

上京や転職などで引っ越しをすることになったとき、どこに住もうかと考えるのって、とてもワクワクしますよね。

さまざまな生活スタイルが選べる現代。仕事もプライベートも充実させたいアラサー女性から注目を集めているのが、「ソーシャルアパートメント」という暮らし方です。ソーシャルアパートメントという言葉自体は知っているという人も、初めて聞いた人も、どういう物件なのか気になるのではないでしょうか。

そこで、ソーシャルアパートメントを手掛けるグローバルエージェンツの広報担当である吉田主恵さんに、この新しい住宅形態の魅力をうかがいました。今回はインタビューの前編をお送りします。

今回の取材先は、同社が2017年3月に東京都江東区の清澄白河にオープンしたばかりの「ワールドネイバーズ清澄白河」です。10階建て、全134室の建物は大手家電メーカーの社員寮をリノベーションしたものだとか。

共用部としては、娯楽設備が整ったラウンジ、ワーキングラウンジ、最新家電がそろう共用キッチンがあります。BBQ台付きの屋上テラスは、スカイツリーが一望できる見晴らしのよさ。住人以外の一般の方も利用できる直営カフェやコインランドリーも併設されています。

imageTitle (写真=筆者撮影)

「一人暮らし」と「シェアハウス」をイイとこ取りした新形態

――「ソーシャルアパートメント」とはどのような住居形態なのか教えてください。

ソーシャルアパートメントは、一言でいうと、一人暮らしとシェアハウスそれぞれの生活スタイルをイイとこ取りしたような住居形態です。弊社では、都内を中心に、現在は神戸や北海道にも展開しています。

ソーシャルアパートメントの定義としては、まず、プライベートルームが必ず1人1部屋あるということ。水回りが共用か部屋付けかは、物件によって違います。これはシェアハウスと同じですね。

規模は、一部例外はありますが、基本的に40世帯以上としています。住環境を共にする小さな社会となると、入居者同士の相性はすごく重要ですよね。コミュニティーというのは、人数が少なければ少ないほど、個々の強さが際立ってしまいがちです。

40人以上という規模になると、自分と合う人もいれば合わない人もいてある意味あきらめのつくコミュニティーの大きさともいえるのです。学校のクラスを思い浮かべてもらうと分かりやすいかもしれませんね。さらにいえば、ある程度の規模であったほうがスケールメリットが利くため、共用部分に大きく費用をかけられたり、多様な機能を提供できたりという利点もあります。

imageTitle (画像=グローバルエージェンツ提供)

シェアハウスは「割り算」、ソーシャルアパートメントは「足し算」

――具体的に、シェアハウスとはどのような違いがあるのでしょうか?

一番の違いは、暮らしに対する考え方です。

シェアハウスは、家賃を安くするために一軒の家を割ってシェアするという「割り算」の考え方が基本ですよね。ソーシャルアパートメントはそうではなく、一人暮らしにプラスアルファの価値観を提供する、いわば「足し算」の考え方がベースにあります。

入居者さんも、ただ家賃を抑えるためというだけではなく、一人暮らしをするより、もっと充実できる暮らしをしたいという前向きな発想で来てくださるので、自然と感度の高い方が多く集まり、コミュニティーのレベルも高くなります。

充実の設備で満足度の高い共用スペースに、感度の高い入居者同士のコミュニティーが合わさるわけですから、実際には「足し算」ではなく「かけ算」とも言えるかもしれません。

ソーシャルアパートメント2 (写真=筆者撮影)

――皆で分担して生活するのではなく、生活を充実させるものを個々の暮らしにプラスできる住居スタイルというわけですね。

私たちは「共有」ではなく「共用」という言葉を使っています。一つのものをシェアする「共有」は、シェアハウスの考え方ですよね。例えば、キッチン用品や、トイレ、お風呂などをみんなで共有することになるので、使い方や掃除当番などのルールを自分たちで決めなければいけません。

私も、昔シェアハウスに住んでいました。そこで実際にあった経験ですが、入居者同士の意見が合わないと、誰かが我慢しなければならなくなったり、ルールを決めても守らない人がいてストレスがたまったりするといったことも起こってくるんです。

一方、「共用」は共同で用いるものなので、自分の専有物ではないんですよね。例えば、共用部に私物が置いてあったら撤去するなど最低限の生活ルールは運営サイドで作っていますし、日常清掃に関しても、基本的にはこちらでやっています。

ソーシャルアパートメントは、第三者が決めたルールだからうまくいくのだろうと思いますね。もめごとのタネになるようなところは、事前にこちらで摘んでいるという感じです。

生活レベルはホテル並み、出会いの可能性は無限大

――ソーシャルアパートメントに住むメリットを教えてください。

まず、プライベートがしっかり守られたうえで、いろいろな価値観を持つ人とのコミュニティーを手に入れられるのが良いところだと思います。

――言ってみれば、ホテル暮らしに近い感覚でしょうか。

そう言われることは多いですね。もともと社員寮や学生寮であったところを改装している物件が多く、各階の共用廊下が建物中央にあるという内廊下物件が多いのもあると思います。

部屋は落ち着ける自分だけの空間。そして共用部では、最新家電が使える広いキッチンや、ビリヤード台などが設置されたラウンジ、バースペースといったさまざまな施設がそろっています。生活レベルの高さは、住んでみると本当に実感すると思います。

快適かつ満足できる生活が送れるというのも良いところですが、(ソーシャルアパートメントならではの)コミュニティーがあるのも大きなメリットです。

ここ清澄白河は134世帯ですが、出会いの可能性は134だけではありません。入居者さんの家族に友人、また、以前住んでいた入居者さんなど、無限に広がります。入居者さん同士はもちろん、友人と知り合って結婚した方もいらっしゃいますよ。

ソーシャルアパートメント6 (写真=筆者撮影)

――カップルも多いんですか?

入居者同士で付き合っている方を実際に数えたことはないですが、かなりいると思います。結婚したカップルは1物件に2、3組ぐらい。一気に2部屋が空くので、会社にとっては辛いですけれど(笑)。

でも喜ばしいことなので、ソーシャルアパートメントで出会って結婚したカップルには、会社からご祝儀をお渡しする「ご祝儀制度」を始めようとしているところです。

――逆に、デメリットはありますか?

デメリットというのか、これは自分次第でもあると思うのですが、例えば、「イベントが多過ぎて出費が増える」とか「楽し過ぎて婚期が遅れる! 」などとおっしゃる方もいますね(笑)。

ソーシャルアパートメントで暮らすことによって、所属するコミュニティーが一つ増えるわけですから、自制心というか、ときには断る勇気が必要な部分もあると思います。

ソーシャルアパートメントに向いている人、向いていない人

――今住んでいる入居者さんはどんな方が多いのでしょう?

年齢層でいえば平均29.8歳です。下は18歳から上は70代の方までいらっしゃいます。

仕事に慣れ、お金にも若干余裕が出てきた社会人3年目以降の方もいれば、都心にお勤めの方、フリーランスの方とさまざまですが、所得は比較的高い方が多いですね。

学生のうちは友達も増えやすいですよね。ですが、社会人になると会社以外のコミュニティーは作りにくくなります。そういった部分でも、コミュニティーを求めている方が多いのではないかと思います。

男女比は、物件ごとに違いはありますが、ソーシャルアパートメント全体で見るとちょうど半々ぐらいです。

――ソーシャルアパートメントに向いている人、向いていない人はどんな方だと思いますか?

最初入居したばかりのころは、先輩入居者さんからいろいろと話しかけてもらえたり、イベントにも誘われたりすると思います。でも、何でも人から与えてもらおうと考えている人、受け身過ぎる人はあまり向いていないかもしれません。

私たちはソーシャルアパートメントという空間を提供しているだけで、ソフト面はほとんど全て、入居者さんたちの手によるものなんです。イベントも全て入居者さんが企画してくれます。大学のサークルのように、おそろいのTシャツを作ったり。いろいろなことを素直に楽しめる方が向いているのかなと思います。

実際、はじめはあまり人付き合いが得意ではないという方もいます。コミュニケーションに不安がある入居者さんも、最終的には自分でイベントを企画するようになったり、成長できる環境だと思います。

私たちも、入居者さんのそういった変化が見られるのはとても嬉しいです。

imageTitle (画像=グローバルエージェンツ提供)

***

スケールを生かすからこそ実現できる豪華な共用部や、「足し算」の考え方がもたらすメリットなど、なるほどと思うことばかり。ソーシャルアパートメントは、「ミニマルで心豊かな暮らし」が注目される現代に即した新しい住宅形態といえるかもしれません。

後編では、ソーシャルアパートメントの成り立ち、今後の展望、そして女性におすすめの物件などについてもご紹介します。(後編に続く)

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