(写真=Koval Production/Shutterstock.com)

ある女性が「さりげなく」投資の勝ち組になれた理由

値動きも何も気にせず積み立て続けていました

今回は、お便りをいただいて、かなり驚きました。というのも、ご質問者様が、かなりの長期投資家だったからです。継続できる人は、とにかく勝ち組になりやすいと再認識しました。

アクティブファンドをこのまま積み立てて良いのでしょうか?

●2017年8月:かなた様(女性・30代)からのご質問

11年前に投資信託の積み立てを始めました。 投資に興味があり始めてみたものの知識はなくすすめられた商品に月1万円×3本づつ積み立ててきました。2017年6月末時点は以下の通り。

・大和バリュー株・オープン:評価額 1,832,381円(含み益51万2381円)
・朝日Nvestグローバルバリュー株:評価額 2,130,204円(含み益81万204円)
・ベアリングアジア製造業ファンド:評価額 2,046,754円(含み益72万6754円)

(含み損に関しては、積立金額合計の396万円から管理人が推定。分配金は再投資。)

もともと60歳まで33年積み立てて退職金代わりとする予定でした。なので値動きも何も気にせず積み立て続けていました。しかし最近ノーロードの投資信託が多くでてきて自分の積み立てている銘柄の手数料の高さが気になります。

このまま60歳まで積み立てを続けてよいものか、それとも思い切って利益を確定し手数料の安いファンドで積み立てをするのがよいのかアドバイスをいただきたいと思います。これとは別に確定拠出年金に月1万円と 変額の生命保険に月3000円程度支払っています。

【アセットクラス】
・世界株式:35.45%
・新興国(アジア)株式:34.06%
・国内大型株式:30.49%

その他に日本株、米ドルあり。投資信託と合わせて25%、後は貯蓄と保険です。ノーロードのファンドが気になりますが、選ぶ自信がありません。

また利益が出ているものをわざわざ解約することもないと思い今に至ります。このままずっとこの3つに積み立てていくのだと思っていましたが、専門家の方のご意見をお聞きしたく質問した次第です。

これ以外に、後500万~750万程投資可能ですがアセットアロケーションをどのように考えたらよいのかわからず何年も貯金のままです。(独身のときの貯金のため余剰資金です。値動きは気になりません。) ご教示願います。

ご回答:売却をしなくても、アクティブファンドからの乗り換えが可能です

まず、11年も積み立て投資をしているのは、無条件で素晴らしすぎます

まず真っ先に申し上げたいのは、11年間も積み立て投資を継続しておられる凄さです。昨今の株式相場の好調さに目を奪われて、俄か投資家が大量に発生している状況の中、あのリーマンショックさえも乗り越えた凄い人が、さりげなく日常の生活をしておられるという姿に、無条件で感心します。というか、感動に近いです。

セレクトしたファンドについては後述しますが、どんなものを選んだにせよ、11年間も投資を続けると必ず利益が出ると、(本当は言ってはならないのですが)言いたくなりますね。

「60歳まで33年積み立てて退職金代わりとする予定でした。なので値動きも何も気にせず積み立て続けていました」・・・この言葉を見て、こういう人こそ投資で成功しやすいと改めて思いました。

本ページをご覧になっているあなた、仮にここから市場が大暴落したとしても、10年以上の長期投資に徹していれば、必ず(と言ってはいけないのですが)勝ち組の投資家になる筈です。

ただし現状は、投資信託の管理や資産配分など、分かっておられない

しかしながら、現状のファンドの管理などに関しては、だいぶ杜撰な事になっています。例えば証券口座の管理画面を見ても、ファンドの正確な含み損益が分からない点などは、運用成績をどう判断するのか全く不明になってしまうので、管理している事にはなりません。

また、資産配分比率も、分かっているようで曖昧過ぎると思います。アセットアロケーションの決め方のページを見て頂いて、日本株で保有している分も合わせて、考え直して見ると良いでしょう。

当サイトは、普段仕事を抱えていて、日常的に投資内容をチェックしたり機動的に変更したりすることがやりにくいとお考えで、なおかつそもそも投資など趣味ではないという人のために、インデックス投資を推奨しています。かなたさまは、インデックス投資との相性が恐らく非常に良いだろうという想定の下、このご回答をさせて頂いております。

一般的には債券などの安全資産も含めて、暴落に対する耐性を持たせるような資産配分が望ましいのですが、かなたさまはリーマンショックでも何とも感じなかったほどの強い精神を持った人ですから、敢えて株式だけでアセットアロケーションを組むのも、OKだと思います。

ただし今後、大暴落で一時的に、数年間は資産が元本割れする事も有り得るとは、想定しておいてください。もっとも、積み立て投資ならば、その安値の時に量を多く買えますから、その後の価格の回復で大きく利益が出やすくなりますが。

アクティブファンドは、投資する目的が無い場合は選んではならない

2007年当時、インデックスファンドに投資するというやり方が全く一般的ではありませんでした。したがって、その当時に投資信託を買うとしたら、ご質問の通りの高コストアクティブファンドを買わざるを得ない状況だったのは、理解します。

しかし、今は全く恵まれた時代になりつつあり、機関投資家に近いくらいの極めて低コストの投資信託で、世界中に分散投資ができる世の中が出現しています。

かなたさまが選んだアクティブファンドのうち、朝日Nvestグローバルバリュー株とベアリングアジア製造業ファンドについては、当サイトでも評価解説ページを作っていますので、投資の是非を確認いただければと思います。

大和バリュー株・オープンに関しては、設定来で見ると、ベンチマークを大きく上回る運用成績であり、一見すると良好なアクティブファンドに見えます。しかし、ここ5年くらいはすっかり成績も落ちぶれて、インデックスファンドのほうが成績が良いと思います。

(5年リターンではベンチマークのTOPIXを上回っているように見えますが、ベンチマークには配当をカウントしていなくて、ファンドは配当を受け取っています。その配当分を考慮に入れると、ベンチマークには負けていると考えらえます)

投資の勝ち組,長期投資家,投資信託,積み立て (画像提供=ノーロード投資信託徹底ガイド)

それから、ご質問では分かりませんでしたが、2007年当時からファンドを買っているとしたら、おそらく手数料有料の投資信託ではないでしょうか?

だとしたら、購入ごとに2%~3%程度の、無茶苦茶高額なコストを支払っている事になります。投資信託の管理が適切ではないのでイマイチはっきりしませんが、総投資額が396万円だとしたら、3%の手数料では約12万円分、運用リターンが落ちる事になります。

33年も続けたら、何もしないのに40万円近くが消えてなくなる計算になりますので、あまりにもそれはもったいなさすぎます。

コストの話をもう少しします。上記の大和バリュー株・オープンの信託報酬も、1.52%と、猛烈に高いです。これを33年間積み立てると、投資元本の1152万円(購入手数料分を引いています)に対して、5万8000円ほどが資産から差し引かれます。

これに対して、インデックスファンドを利用したらどうなるでしょうか? アクティブファンドがベンチマークを下回るのならば、ベンチマークに連動するインデックスファンドを買っていれば、十分だという事になります。

TOPIXに連動する最低コストのインデックスファンドならば、例えば信託報酬0.18%の<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドが良いでしょう。

この場合、投資元本は1188万円になり、そこから33年間の信託報酬を計算しても、たったの2万1000円です。大和のファンドでコスト合計で45万8000円もかかっていたのに対して、ニッセイのインデックスファンドではわずか2万円ほど。この違いは大きすぎます。

敢えてアクティブファンドを選ぶ何らかの目的が無い場合は、アクティブファンドの大半は、コストだけ徴収してリターンはインデックスファンド以下なので、選んではいけないのです。

高額な納税を考えると、乗り換えはやりにくい

さて、とんでもないコスト差があるものの、ここですぐにインデックスファンドに乗り換えてしまって良いのかどうか、かなり悩ましいです。

というのも、含み益が出ている場合、売却すると2割強もの税金を差し引かれてしまうからです。資産運用の過程において、余計な納税は効率的な資産増加のペースの阻害になりますから、極力避けておきたいところです。

税金という余計な「手数料」を支払ってまで乗り換えるべきか、乗り換えコストチェッカーを使って、ザックリと見てみます。(https://www.valuetrust.net/tool/ctcc.htm

投資の勝ち組,長期投資家,投資信託,積み立て (画像提供=ノーロード投資信託徹底ガイド)

結果は、50年経ってもファンドを乗り換える効果が無いと判断されます。となると、慌てて売却する必要は無く、今後については

・高コストアクティブファンドの積み立てを停止して、保有し続ける
・今後の積み立ては、超低コストでノーロードのインデックスファンドに変更

が、最も合理的な回答になります。なお、上記の乗り換えコストチェッカーというツールは、使い方ページを見ても言葉の意味がよく分かりません。細かい部分で質問がありましたら、これに関してはツールの開発者までお尋ねください。

なお、高コストアクティブファンドを売却できるただ1つのチャンスはあります。それは、大暴落で元本割れを起こしたタイミングです。元本割れしたら、売っても税金は支払わなくてよいので、そのような悪夢がやってきた場合に、それを「不幸中の幸い」にする事ができます。ためらいなく、全額を乗り換えましょう。

それと、今後、低コストのインデックスファンドに乗り換えた後にじわじわと相場が下落した場合には、「せっかくインデックスファンドに積み立て先を変えたのに、マイナスが膨らむばかりだ」と、文句の1つも出るかもしれません。

しかし、それは相場が悪いのであって、インデックスファンドが悪い訳ではありません。同時に高コストアクティブファンドを積み立てた場合、アクティブファンドのほうが更にマイナスが大きくなります。

もう1つ、付け加えます。2018年には、積み立てNISAの制度がスタートします。これは20年間も非課税で積み立て投資ができる制度で、年間40万円まで認められます。かなたさまのために作られたといっても過言でもないほどの、超絶メリット大の制度ですから、2018年以降は、積み立ては全てNISAに変更しましょう。私も、この制度は使い倒します。

その他

確定拠出型年金にも資金を出しているようですが、そこは全て定期預金でしょうか? 確定拠出型年金にも超低コストのインデックスファンドがあるので、アセットアロケーションを決めたら、確定拠出型年金にそれを割り振るほうが良いでしょう。

また、500万円強の余剰資金があるとの事。これ以外にも、例えば会社を退職しても2年程度、食っていけるような「生活防衛資金」が別にあるのであれば、全額を投資に回してもかまいません。

ただし、これを一括で投資するのか、積み立て投資の増額に回していくのかは、ご自身の性格によって変わってきます。これについては投資信託の積立と一括購入はどちらが有利?のページなどもご覧いただきながら、ご自身に合う方法で投資に回しましょう。

もちろん、踏ん切りがつかない場合は、投資に回さなくても何の問題もありません。この場合、単に寝かせておいたらそれこそお金の無駄ですから、姉妹サイトの定期預金の鬼をご覧いただいて、少しでも金利の高い銀行に預けて、たくさん利息を受け取りましょう。

変額の生命保険については、基本的には魅力の薄い金融商品ではありますが、ちょうど生命保険料控除の枠内くらいの金額ですから、特段の問題は無いと思います。

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