(写真=筆者撮影)

コンセプトシェアハウスに注目!お金では買えない“体験を得る暮らし”とは?【後編】

女性に人気なコンセプトシェアハウスとは?

交流や趣味、学びなど、同じ目的を持った人が集まるコンセプトシェアハウス。

前編では、コンセプトシェアハウスのポータルサイトを運営する株式会社コリッシュ代表取締役の小原憲太郎さんに、コンセプトシェアハウスを選ぶことによるコスト面でのメリットや、コンセプトシェアハウスの特徴、コンセプトシェアハウスの暮らしに向いている人についてお話をうかがいました。

後編となる今回は、人気のコンセプトシェアハウスについてや、選ぶ・住むうえでの注意点やメリットなどについてうかがいました。

国際交流系や古民家系コンセプトシェアハウスが女性に人気

――コンセプトシェアハウスの中で、特に人気のものはありますか。

国際交流ができるコンセプトシェアハウスは人気があると思いますね。

「国際交流ができる」とはいってもさまざまで、例えば僕たちが運営している「LOCALIFE」は、世界中から日本にきた旅行者が短期ホームステイする、異文化交流を目的としたコンセプトシェアハウスです。

そのほか、例えば住人から英会話レッスンが受けられるシェアハウスや、住人の半分くらいが外国人というシェアハウスなど、他社さんが運営するコンセプトシェアハウスも含めて、いろいろなタイプがあります。

どちらかというと女性の方が「国際的な環境で外国人と触れ合いたい」「英語を話す機会のある環境で暮らしたい」と考えて、入居される方が多いのかなと思います。女性の方が、英語や異文化などに対する関心が強いのかもしれませんね。

例えば、語学力をアップさせたいとか、外国人と話すのに慣れたい人は、英会話レッスンがついていたり、住人に少し日本語が話せる外国人がいたりするシェアハウスを選ぶのも良いと思います。

コンセプトシェアハウス5 (写真提供=株式会社コリッシュ)

――そのほかに、女性に人気のコンセプトシェアハウスはありますか。

「古民家系」のコンセプトシェアハウスも、人気があると思います。庭に菜園がついていたり、住宅を自分たちでDIYして、リノベーションをして住むことができるといったシェアハウスですね。

例えば、神奈川県にある「ウェル洋光台」には、オーナーさんのおばあちゃんに教わりながら畑を作ったり、住人同士で手づくりパンやジャムを作ったりと、畑や手仕事、料理などが好きな人が多く集まっています。

同じく神奈川県にある「甘夏民家」は、庭やカフェスペースがついているだけでなく、由比ヶ浜に近い立地にあるのでサーフィンが好きな人にも良いと思います。

そういう環境を選んで住む女性は「暮らしを丁寧に楽しみたい」と考えている人が多いと思います。ただ家に「住む」だけではなく、プラスの楽しみや価値を作り出したい人や、生活を積極的に楽しんでいける力が高い人が、そういうシェアハウスを選ぶのかなと思います。

東京、千葉、神奈川など、電車で1時間ほどで都心に出られる古民家系のコンセプトシェアハウスも多いので、都心で働きながらそういった場所で暮らすということもできます。

既婚者や子持ち世帯でも住めるシェアハウスも

――コンセプトシェアハウスというと、単身の方が集まって住むイメージがあるのですが、家族で暮らせるシェアハウスなどはあるのでしょうか。

例えば私たちが運営している「絆想舎」は、独身の方だけでなく、カップルやお子さんのいる家族、シニアの方まで、いろいろな世代の方が集まって暮らす、多世代型コンセプトシェアハウスです。室内は無垢材のひのきなどを使っていて、心地よく暮らせるような作りになっています。

「いろんな世代の人と関わり合える環境で子育てをしたい」「無垢材を使った室内の感じが好き」など、総合的に気に入って入居される方が多いかもしれません。日本人の奥さんとアメリカ人の旦那さんが、奥さんの妊娠中からご家族で暮らして滞在中に出産し、住人の先輩ママさんに子育てのアドバイスをもらえてとても助かった、という実例もありました。

コンセプトシェアハウス7 (写真提供=株式会社コリッシュ)

シングルマザーの方が集まって暮らすコンセプトシェアハウスもいくつかありますね。生活の中でほどよく親子同士が関わり合うことができ、親同士で子育てのちょっとした相談やアドバイスすることもできるんです。お子さんが、一緒に暮らすちょっと年上のお子さんたちの行動に刺激を受けて、少し難しいことにチャレンジするようになったといった話も聞きます。

コンセプトシェアハウスが自分の世界を広げてくれる

――ひとつ屋根の下で暮らしているからこそ得られる出会いや情報、知識も、コンセプトシェアハウスの魅力なんですね。

一人暮らし生活の中では、インターネット検索で気になることを調べるなど「自分が求めた情報」しか得ることができないですよね。一方でコンセプトシェアハウスは、テレビやラジオのように、自分から求めなくても勝手にいろいろな情報が飛び込んでくるんです。コンセプトシェアハウスは「自分の世界を広げてくれる場所」だと思います。

例えば「こういう写真展に行ってきて良かったよ」と住人が教えてくれたら「行ってみようかな」と思うかもしれないし、異文化交流型のコンセプトシェアハウスであれば、1~2年程度の休暇を取ってやって来た外国人を見て日本との働き方の違いを知ることができるかもしれない。一人だけの生活ではわからない、気づかないような情報が入ってきます。

シェアハウスに求めるものを明確にして選ぶのがコツ

――コンセプトシェアハウスを選ぶときのコツなどはありますか。

コンセプトシェアハウスといっても本当に幅広いので、「こういうことが好き」「こういう風に人と関わりたい」というように、具体的な方向性や目的を明確にして選ぶのが良いと思います。

例えば、大学のサークルでも自分に合ってないサークルに入ったら楽しくないですよね。同じテニスサークルでも、練習が終わったら必ずメンバーでごはんを食べに行くのか、練習が終わったらパッと解散するのかで、人それぞれ心地よさが違うと思います。コンセプト型シェアハウスも、それと同じです。

コンセプトシェアハウスの半分は、住人である「人」が作ります。どんなに良いコンセプトでも、一緒にそれを楽しめる住人が住んでいないと意味がない。普通の一人暮らしでは、家賃や立地、間取りなどの「ハード面」を見て住む家を決めることが多いと思いますが、シェアハウスは人という「ソフト面」の要素が大きいと思います。

興味のあるコンセプトシェアハウスがあったら、可能であれば住人に会って話をする機会をもらうなど、シェアハウスや住人の雰囲気が自分と合っているかどうかを、事前に見極めた方がいいと思いますね。

――入居してみて、「合わなかった」と感じるケースもやはりあるのでしょうか。

「実際に入ってみたらミスマッチだった」というケースはあると思います。

例えば「アウトドアができる」というコンセプトに魅力を感じて入居したものの、いざ住んでみたら「自分には、そこまでアウトドアに対する熱意はなかったな」と気がつくなど、自分の理想と本当の気持ちが違うことに気づいた、というパターンとか。「住人同士の交流ができる」ことを求めて入居したけれど、実際は自分が思っていたほどには交流がなかった、とか。

逆に、思っていたよりも住人同士の距離感が近かったとか、想像していた雰囲気と違ったというパターンもあると思います。

コンセプトシェアハウスを作る人も増えるかも

――今後、コンセプトシェアハウスはどうなっていくと思いますか。

シェアハウスに住むということは、昔に比べて普通の選択肢のひとつになりつつあると思います。

創業して7年目になるのですが、ポータルサイトを作ったときのテーマが「どこにいくらで住むか」から、「誰とどんな風に住むか」でした。仕事や学校を選ぶのと同じように「生き方に合わせて家を選ぶ」という人が、もっと増えていけばいいなと思いますね。

今の時代は、自分で仕事やサービスを作っている人も多いですよね。家に関しても、既存の住環境に不満を持ったままではなくて、コンセプトシェアハウスなど自分の求める環境に飛び込む、自分でコンセプトシェアハウスを作る、という人も、もっと出てくるのではないかと思います。

シェアハウスに対するイメージが変わった

取材をするまでは、シェアハウスというと「複数人で、安くお得に暮らせる場所」というイメージでした。

しかし、今回、小原さんにコンセプトシェアハウスのお話をうかがって、金額面でのメリットだけでなく、自分一人で住んでいるだけでは得られない情報や価値観に触れることができ、暮らしに付加価値や楽しみをプラスできるということが、コンセプトシェアハウスの魅力であることがわかりました。単身ではなく家族で住めるコンセプトシェアハウスがあることにも驚きました。

次に住まいを選ぶときは、コンセプトシェアハウスもひとつの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。

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