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旅行積立はどこがおトク?メリット・デメリットから主要各社の比較まで

旅行資金を貯めるならコレ!

皆さんは、旅行に行くためのお金をどのように準備していますか? 定期的に旅行へ行く、毎年決まった時期に帰省しているという人は、毎月コツコツと貯金したり、ボーナスからまとめて資金を出したりしているかもしれませんね。

そうした方法もよいのですが、実は、旅行資金を貯めることを目的とした「旅行積立」という商品があります。今回は、旅行積立について、その概要やメリット・デメリット、主要各社のサービス内容などを紹介していきましょう。

旅行積立ってどんな商品?

旅行積立とは、旅行に利用するお金を積み立てていく商品のこと。毎月決まった金額を航空会社や旅行会社に積み立てていき、満期には、積立金に「サービス額」が上乗せされた金額分の旅行券を受け取ることができます。

「サービス額」とは銀行預金の利息のようなもので、「サービス額率=利率」と考えていいでしょう。うれしいのは、この超低金利時代のなか、多くの旅行積立の利率は年率換算1.5~3%と非常に高いということ!

今どき、これほど高い利率の商品は数少ないですよね。計画的に旅行費用を用意できるうえに、積み立てた金額以上に増えた分を旅行資金に充てられるわけですから、メリットの大きい商品といえますね。

満期時には、積み立てを行った旅行会社や航空会社の旅行券などを受け取る仕組みになっています。さらに、旅行費用そのものだけでなく、旅先でのショッピングやゴルフ、レンタカーにも使えるなど、会社ごとに幅広いサービスが展開されています。ただし、旅行積立は文字通り「旅行のお金」を積み立てるサービス。それ以外の目的で、利用することはできません。

旅行積立のメリットとは

何といっても高い利率がうれしい旅行積立ですが、メリットはそれだけではありません。まず、メリットを見ていきましょう。

メリット① 他の金融商品と比べて利率が高い

先ほど説明したように、通常期でも利率(サービス額率)最大3%という商品もある旅行積立。金利軒並み0.01%の都市銀行1年定期預金と比べたら、どれだけ高利回りが分かりますね。

メリット② 必ず旅行費用を貯められる

旅行積立は、毎月自動的にお金が積み立てられるため、他の用途に使ってしまう心配がなく、着実に旅行費用を貯めることができます。また、原則的には、積立期間と受け取れる金額が決められていることで、早くから旅行の計画を立てられる点もメリットといえるでしょう。

メリット③ 積み立てたお金が丸々手元に戻ってくる

旅行積立は、利率が高いことに加え、利息に当たる「サービス額」は課税されないのも大きなポイント。「積み立てたお金+上乗せ分のサービス額」が丸々手元に戻ってくるため、その分、旅行に使えるお金が多くなります。

メリット④ 一括払いや積立年数で利率がアップする

多くの旅行積立では、積立料金の一括払いや1年以上の積み立てで利率がアップし、満期時のサービス額が増額する仕組みを採っています。また、各社が実施している期間限定サービスも見逃せません。期間中の契約でマイルがプレゼントされたり、一定条件を満たしたうえで期間中に契約すると利率8%超になるという驚きのキャンペーンも! 旅行積立を検討するなら、キャンペーン情報もチェックしておくといいですね。

メリット⑤ 積立金をクレジットカードで支払える

旅行積立の積立方法は口座引き落としが一般的ですが、クレジットカード払いができる商品もあります。自分のお金を積み立てながら、カードのポイントやマイルもためていけるのは一石二鳥。ますますおトク感が増しますね。

メリット⑤ さまざまなサービスが利用できる

会社によって、パッケージツアーの他、航空券や免税店などの系列サービス、レジャー施設やホテル宿泊と、多様なサービスが利用できるのも旅行積立のメリットでしょう。鉄道系列の旅行会社であれば、JRや私鉄などの乗車券購入もできるなど、旅行券の利用範囲が広がります。

また、旅行券として受け取ることができるため、自分や家族の旅行・帰省のほか、プレゼントとして使うのもいいですね。

旅行積立のデメリット

旅行という明確な目的があれば、利用しない手はないと思えるほど、メリットの多い旅行積立。しかし、やはりデメリットもあります。商品を選ぶ際には、メリットとデメリットの両者を比較・検討していくべきでしょう。ここからはデメリットを確認していきます。

デメリット① 旅行の目的にしか使えない

繰り返しになりますが、旅行積立の利用は旅行や航空券、乗車券などの用途に限られます。積み立てるだけで手軽にお金が貯められるうえに利率もいいのですが、積立金は自社の旅行券として戻ってくる仕組みです。

急に他の事情でお金が必要になっても、積み立てた金額をお金として使うことはできません。ですから、旅行積立は、必ず行くと決めた旅行の費用を準備する目的で、活用するようにしましょう。

デメリット② 使えるのは自社もしくは取り扱い旅行商品のみ

大抵の場合、満期時に受け取った旅行券を利用できるのは、旅行積立を行った会社が提供するパッケージ旅行など自社のサービスのみです。そのため、積み立てをした会社以外で安いパッケージ旅行を見つけたとしても、旅行積立のお金を使えないということは、あらかじめ頭に入れておく必要があります。

また、どのような旅行に「旅行積立」を利用したいのかも大切なポイントです。満期でもらえる旅行券が、パッケージツアーだけでなく航空券単体にも使えるか、他社の旅行商品も扱っているか――といった点にも注目するとよいでしょう。

意外な盲点なのは、旅行券がインターネット予約で使えない場合があること。旅行もネット予約が当たり前になりつつある現在、いざツアーをネットで予約しようと思ったら旅行券不可だった……!というようなことにならないよう、ネット予約での取り扱いについてもあらかじめ確認しておきましょう。

デメリット③ 途中解約は損になる可能性も

旅行積立は、一部のサービスを除き、原則的にはお金を積み立てる期間が決まっています。満期を迎える前にやむを得ず途中解約をした場合は、サービス額がつかず、旅行券の券面金額が支払った金額を下回ることもあります。なお、途中解約であっても、戻ってくるのは現金でなく旅行券である点にも注意しましょう。

デメリット④ 旅行会社が倒産したら返金されないリスクがある

旅行積立は、預金保護機構による保証がある銀行預金と違い、万が一の際にも積立金は保障されません。航空会社や旅行会社が倒産してしまった場合、積み立てたお金は戻ってこないリスクがあることは理解しておきましょう。

旅行積立商品は、サービス額率や旅行のラインナップの豊富さだけでなく、信頼性の高い会社を選ぶなど、慎重さをもって決めたほうがよさそうです。

デメリット⑤ 旅行券の有効期限を過ぎたら使えない

実は、満期で受け取った旅行券には、有効期限が設定されているものもあります。契約時には、必ず行くと決めていた旅行でも、家族の健康状態など、満期の時点で状況が変わった場合、数年単位で旅行を延期せざるを得ない――ということもあるかもしれません。

なかには、有効期限が5年と短めの旅行券もあります。さまざまなシチュエーションを考慮して、旅行券が無駄にならないようにしたいですね。

旅行積立はどこがおトク? (写真=Zerbor/Shutterstock.com)

旅行積立を利用する際の注意点

ここまで、メリットとデメリットを見てきました。特に、旅行券が利用できる対象や途中解約した場合などについては、注意したいところです。しかし、賢く利用すれば、よりおトクに旅を楽しむことができるのは間違いありません。

旅行積立を利用する場合、最も重要なポイントは「旅行に必ず行く予定がある」こと。

  • 1年後に記念旅行をすることが決まっている
  • 毎年、決まった時期に帰省していて、必ず飛行機を利用する
  • 両親の定年に合わせて旅行をプレゼントする

このように、やむを得ない事情がない限り変更の可能性が低い旅行や帰省のために旅行積立をしていくのが、失敗しにくい活用方法といえます。

もしくは、「旅行へ行きたいけれど、強制力がないとなかなかお金が貯まらない」という人ならば、旅行積立でお金を貯めるのはよい選択肢でしょう。確実にお金が準備できるので、旅行の計画が流れてしまう心配もありません。

主要各社のサービスを比較しよう

旅行積立は、各旅行会社、航空会社で販売されています。特に大手は、内容が充実しているだけでなく、安心感もあります。主要各社でどのようなサービスが展開されているのか、比較してみましょう。
※サービス額率はすべて年率換算です。

【JAL「旅行積立」】(日本航空 <9201>

・サービス額率=2.5〜3%(コースによる、契約初年3%)
・積立方法=JALカード、口座引き落とし、振り込み
・有効期限=10年
・満期旅行券の対象=自社航空券、国内・海外ツアー、機内販売・免税店、系列ホテル宿泊、空港宅配など
・その他=マイルがためられる

【AN「旅行積立プラン」】(ANAホールディングス <9202>

・サービス額率=2.25〜2.5%(コースによる、契約初年3%)
・積立方法=ANAカード、口座引き落とし、振り込み
・有効期限=5年
・満期旅行券の対象=ANAセールス旅行商品、自社国内線・国際線航空券、機内販売・免税店、系列ホテル宿泊、ゴルフ場、レンタカーなど
・その他=マイルがためられる。年利3.8%の「ハワイ限定プラン」もある

【H.I.S.「貯めチャオ」】(エイチ・アイ・エス <9603>

・サービス額率=0.93〜2.18%(支払い方で変わる)
・積立方法=口座引き落とし、振り込み
・有効期限=なし
・満期旅行券(HIS商品券「SKY」)の対象=国内各営業所や特約代理店の取扱商品、ハウステンボス
・その他=年率8.6%の期間限定キャンペーン開催中(2017年7月31日)

【JTB旅行積立 たびたびバンク「定期積立プラン」】

・サービス額率=1.75%
・積立方法=口座引き落とし
・有効期限=10年
・満期旅行券の対象=自社国内・海外パッケージツアー、宿泊・宿泊を伴う手配旅行、国際航空券、JTBサイト販売の旅行用品など
・その他=有効期限がなく、期間や利用時期を自由に決めて積み立てられる「フリープラン」(年利換算0.8%)もある

【JCBトラベル「旅行積立」】

・サービス額率=2%(初年度3%)
・積立方法=クレジットカード(JCB)
・有効期限=5年
・満期旅行積立金の対象=JCBトラベル取り扱いの国内・海外パッケージツアー(他社商品あり)、ホテル宿泊など
・その他=JCBカードのポイントがためられる(ポイントは旅行代金として利用可能)

行きたい旅行に合った商品選びを

各社でおトクなプランがそろう旅行積立。サービス額率に気を取られがちですが、目的に適した旅行積立商品を選ぶには、次のようなポイントを押さえておいてください。

  • 旅行の行き先や時期が決定している人
     =希望するパッケージツアーや航空券がある会社で比較・検討する
  • 旅行先や時期は未定だけれど、旅行費用を貯めたい人
     =下記の1〜3で比較・検討する
     1. 満期を定めない積立プラン
     2. 旅行券や積立金に有効期限がない会社の商品
     3. 他社の旅行商品も取り扱っている会社の商品

ただし、いずれも「旅行に行く」明確な目的と、旅行プランがある程度固まっていることが前提です。詳細が決まっていないのに積み立てを始めてしまうと、途中で他の会社のパッケージツアーに目移りしたり、違う用途でお金を使う必要が出てくる可能性もあります。

旅行の計画をある程度立てたうえで、「旅行積立でおトクに旅行資金を貯めたい」というくらいの気持ちで検討してみるのがオススメです。

楽しみながら旅行に備えよう

旅行積立の最大の魅力は、積み立てながら増やせるだけでなく、旅行の計画がより具体的になり、行く前から楽しみが増えるという点でしょう。旅行や帰省はそれなりの出費になりますが、定期的な楽しみに備える旅行積立を活用し、おトクを存分に享受していかがでしょうか。

武藤 貴子
AFP、ネット起業コンサルタント。会社員時代、お金の知識の必要性を感じAFP資格を取得。独立後はネット起業のコンサルとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。

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