(写真=racorn/Shutterstock.com)

「相場がいいから不安」になる投資家の本心とは?

景気が良い時の投資と不安感、そして不安の解消について

人間、不思議なもので、相場が低迷している時に多くの人が投資に不安を感じます。しかし、今のように相場の調子が良い時も、不安を感じるのですね。今回は好景気に感じる不安についてのご質問です。恐らく皆さん、同じような事を考えていると思います。

景気が良い今、高値圏での投資が不安になります

●2017年7月:AK様(女性・年代不明)からのご質問

こちらのサイトにはいつもお世話になっていて、たくさん勉強させていただいてます。いつもありがとうございます。私は、こちらのサイトを読んでセゾンバンガードグローバルバランスファンドに1万円ずつの投資を1年半ほど行っています。

そこで質問なのですが、今世界経済が良くなっていると言われている状態なので何となく高値圏で買付を行っているような感じがしてしまうのです。今のような回復基調の時は、例えば投資額を半分にして、また下落基調になったら投資額を増やすなどの方が良いなどはありますでしょうか?

要領得ない質問で申し訳ありませんが、大切なお金なのでとても不安に思っています。ご教授、よろしくお願いします。

ご回答:相場の予想よりも、もっと大事なことが有ります

AKさま、ご質問ありがとうございます。セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドに月1万円の積み立て投資をなさっておられるのですね。毎月の積み立てを長く続けるにつれ、ご相談のような疑問が生じてくるのも理解できます。

相場に機動的に対応するのはやっても良い(でも難しいですよ)

現在の相場が安値圏なのか高値圏なのかは、一般的な認識だと恐らく高値圏なのだと思います。株式も債券も両方高値圏にあるというのは、ちょっと珍しい現象かもしれません。

積み立て投資を長く続けると、相場の流れがある程度見えてくるのは確かです。1年半、積み立て投資をしており、しかも比較的頻繁に基準価額のチェックをしている人ならば、年に数回、相場が急落する局面を目の当たりにする事と思います。

そうであるならば、普段少々現金の保有比率を増やしておいて、そういった急落局面に追加投資をするスタンスは、リターンを向上させるには良い手だと思います。

もしそのやり方が何の苦もなく出来るのであれば、例えば普段は積立額を少なくしておいて、急落局面で比較的多額の追加投資をするという事も、できるかもしれませんね。

問題は、景気がいよいよ悪化し始めて、本格的に下落相場に変わるのがいつになるかです。これについては、ほぼ全員の人が、予測などできないはずです。

そのうち下落相場が来ると言われながらも、リーマンショック以来、長期にわたる相場の低迷期はいまだ来ていません。という事は、相場が回復基調だから資金の投入をセーブしておこうと考えた人は投資機会を連続して失っている訳で、投資信託の口数を仕込むことがままならない状態にになってしまっている事になります。

(米国株への投資が、まさにこの状況です。米国株の比率の高いセゾンのファンドを買うと、少しこれに近い状況になるかもしれません。)

相場の予測はプロでも困難なので、果たしてAK様がご自身で考えることができるかと自問することは、必要だと思います。出来ると考えるならばやっても良いし、それは難しいと思うならば、変に相場に対応しようとはしないほうが無難だと思います

それに、下落相場がどのくらい長く続くのか、そこもポイントです。1年だと思っていた下落が3年も続いたら、現金が底をつくかもしれません。逆張りで、下がった時に買い増すスタンス(要はナンピン買いですね)の最大のポイントは、途中で「玉切れ」にならない事です。

途中で球が尽きて、一番の安値圏で仕込むことができなければ、何をやっているのか意味が分からない事になります(意味が無いとまでは言わないけれど)。

基本的にインデックス投資は、相場を読まなくても実行できる投資法です。また積み立て投資は相場を読まないからこそ積み立て投資になる訳で、本来そこに相場観を持ち込むのは適切ではない点も、頭に入れておいてください。

相場観を持った売買は、上手く行くときもあるし失敗する事もあるでしょう。単に積み立て投資をするよりも難しくなる分、より投資の勉強が必要になると思いますし、相場観など誰も教えてくれない完全なる自己責任の世界になります。

その点も踏まえて、頑張っていただきたいなと思います。(もちろんインデックス投資や積み立て投資も100%、自己責任の世界ですが)

不安に感じるのならば、リスク許容度が低いのかもしれません

ところで、投資に対しての「不安」を口にされていらっしゃいますが、コントロール可能な不安と、制御不能の不安の、どちらなのでしょうか?

投資をするとき、元本割れする事態は絶対必ず訪れると考えて良いでしょう。というか、元本が割れるリスクがあるからこそ、貯金とは比較にならないほどの期待リターンが有ります。

10年20年と投資を行う中で、信じられない気持ちになるような大暴落に、一度や二度は遭遇することを、覚悟しておいてください。必ず来ますので。

問題はその時、「もう耐えられない」と投資を止めてしまう事です。高く買って相場の底値近辺で投資を止める行動は、最もマイナスリターンとなるような最低最悪の投資です。実はこれをやって相場から退場する人がとても多いと言われています。

こうなる理由は簡単で、元々のご自身のリスク許容度を超過した状態で投資をしていたからです。相場が好調な時は元本割れしませんので、ご自身のリスク許容度ははっきりしません。

暴落して元本割れして初めて、リスク許容度と真正面から向かい合う事になります。しかし、それでは遅いのです。暴落する前、つまり今のうちから、自分はどの程度まで損失に耐えられるのか、よくよく考えておくことが大事です。

前項で、相場の状況に合わせて資金繰りを変える事を良しと答えていますけれども、そんな事は表面的な事に過ぎません。むしろやらなくてはならないのは、リスク許容度に応じたファンド選び、あるいはセゾン・バンガードを積み立てるにしても、許容度が低い場合はそれに追加して安全資産を増やしてやる事でしょう。

その判断には、リスク許容度に応じた資産配分をしっかりと考える事は欠かせません。投資への多少の慣れで取り除くことができる不安感であれば問題ありませんが、もっと深いところで不安を感じているのだとしたら、大きく元本割れした時にも慌てることなく冷静に対処できるようなアセットアロケーションを決めておくことが肝要です。

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