(写真=田上嘉一氏/弁護士ドットコム提供)

「メルカリ」現金出品はNGだけど、カードは良いの?弁護士にとことん聞いてみた!

弁護士に聞く!日常の疑問で金融リテラシーを上げよう

知っているようで知らない「お金」の話。 今回は少し前に話題になった、なぜメルカリで現金を売買しちゃいけないの?クレカやポイントカードもダメなの?の疑問について、弁護士さんに分かりやすく説明していただきました!

今回解説して頂いたのは………

弁護士ドットコム ゼネラル・マネージャー/弁護士の田上嘉一さんです。

(写真=田上嘉一氏/弁護士ドットコム提供)**

田上嘉一(たがみよしかず)さん

早稲田大学法学部卒、ロンドン大学クィーン・メアリー校修士課程修了。大手渉外法律事務所にてM&Aやファイナンスに従事し、その後英国ロースクールへ留学。IT企業にて法務、新規事業立ち上げなどを経て、現職。TOKYO MX「モーニングCROSS」、JFN 「Day by Day」など多数メディアに出演。

──少し前にメルカリに現金が取引されたという出来事があり話題になりました。なぜ現金を売買してはいけないのでしょうか。

そもそも現金を売買すること自体に法的な問題はありません。 しかしメルカリで行われている行為は一見、現金を売買しているようにみえて、実質的には貸金業行為を行っているおそれがあるため問題となっていました。

──貸金業?

メルカリで現金を買うユーザーは、現金を手にする代わりに、クレジットカードで支払いを行うことになります。 実際にカードの引き落しが行われるまでの間、現金を手にすることによって、クレジットカードのショッピング枠を現金化していることとなり、形としてはキャッシングと同様の取引となるのです。

──なるほど。

この行為は業として貸金を行っているのと同じであり、無登録で行うことは貸金業法に違反します。さらに、利率が法定の利率を超えていれば、利息制限法、出資法に違反します。

さらに、カード会社の利用規約においても、ショッピング枠の現金化は禁止されていて、違反した場合はカードの利用停止となる可能性があります。

──コレクター用に使われるような古い紙幣や、すでに生産されていない紙幣や貨幣であれば良いのでしょうか。

さきほどご説明したとおり、現金を売買すること自体は問題がありません。古い通貨の売買についても通用力があるかないかで大きく変わります。 現在通用力がないものについては、物品としてみなされるので、基本的に問題となりません。また現在でも通用する通貨であっても、一定のプレミアムがついたコインなどを社会的妥当性の範囲内の取引であれば実質的な貸金行為とみなされることはないでしょう。もっともマネー・ロンダリングの温床となる余地があるので、サイト運営者としては監視していく体制が必要です。

──1番の問題はどこでしょうか?例えばメルカリ(ネット)だからダメなのか。お互い身分証を提示して行う店舗型の対面であればOKなのでしょうか。

(画像=Jirapong Manustrong/ShutterStock)

最も問題なのはクレジットカードを用いて購入することで、実質的な貸金業やカードの利用規約違反となっていることです。これがもし現金で現金を買うのであれば、これらの問題が生じません。単に物好きな人が1万円紙幣3枚を、3万5000円で買うなどは、問題は無いのです。

──ちなみに、クレジットカードを売るのはどうでしょうか?

まず、民事において、クレジットカード会社との利用規約においては、本人以外の利用を禁止していることが通常です。したがって、当該規約違反となり、場合によっては利用停止になるでしょう。

──本人が許可していても?

刑事においても、カードの名義本人から承諾を得ていていたとしても詐欺罪は成立します。 最高裁判所の判例において、「仮に、被告人が、本件クレジットカードの名義人から同カードの使用を許されており、かつ、自らの使用に係る同カードの利用代金が会員規約に従い名義人において決済されるものと誤信していたという事情があったとしても、本件詐欺罪の成立は左右されない」と判断したものがあります(最高裁決定平成16年2月9日)。

──ポイントカードもダメということでしょうか。

クレジットカード同様に、規約違反となるでしょうし、店舗に対する詐欺罪が成立する可能性があります。

──なるほど、知っているようで知らなかった知識をありがとうございます。 最後になりますが、今話題の仮想通貨(ビットコインなど)をメルカリに出品するのはどうでしょうか。

基本的には問題ありませんが、時価を大きく上回る値段で買い取る場合には、現金同様に貸金とみなされるおそれがあります。

──分かりやすいご説明をありがとうございました!

今回のポイントは………
・現金を売買するのは法的には問題ない!
・クレカで現金を買うのはNG(キャッシングと同じ取引と見なされて貸金業法に違反にする)
・利率が法廷利率を超えていると利息制限法、出資法に違反
・カード会社の利用規約の違反(カード利用停止の可能性も)

現金を現金で買うのがOKなのは意外でしたが、確かに1万円を1万100円で買う人はいませんよね。知らなかった身近なお金の知識を少しずつ上げて行きたいものです。

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