(写真= Pressmaster/Shutterstock.com)

30歳女性、確定拠出年金はいくらになるかをシミュレーション

2種類の会社員、フリーランス、主婦の4パターンで検証します

こんにちは。みらい女性倶楽部の内村しづ子です。

最近、資産づくりの方法として「確定拠出年金(かくていきょしゅつねんきん、略称:DC)」が話題です。節税効果もあり、老後資産を作るのであれば最もお得な制度と言われていますが、自分に置き換えてイメージするのはちょっと難しいと感じる方も少なくないようです。

そこで今回は、この確定拠出年金を利用すると一体どのくらい資産形成できるのかを、定期預金と比較してシミュレーションしてみました。

☆確定拠出年金(かくていきょしゅつねんきん)とは?
公的年金や企業年金にプラスするかたちで自分で積み立てる「年金」のこと。拠出したお金を、投資信託などで運用する。個人でも節税ができることや、2017年1月から加入対象者が拡大したことから、いま、老後資金づくりの方法として注目を集めている。(参考:これなら分かる!「確定拠出年金」がお得と言われる理由

確定拠出年金で年金をどのくらい増やせる?いくら節税できる?

確定拠出年金は60歳まで拠出(積立)ができるため、30歳で始めれば30年間拠出・運用をすることができます。

上限額いっぱいまでの拠出で、運用商品は投資信託、年3%の運用ができたと仮定した場合、

①60歳時点の金額
②30年間の節税額

これらはそれぞれいくらになるでしょうか。

働き方の異なる3つのケース、計4パターンで試算してみました。

ただし、今回のシミュレーションでは計算をカンタンにするため、預金の利息にかかる税金や、確定拠出年金の口座管理にかかる手数料、投資信託の運用にかかる手数料は考慮していません。

実際には定期預金の場合は利息に是金が、iDeCoには口座管理の手数料が、投資信託の運用には信託報酬が、それぞれかかってきますので、手元に残る金額は若干異なってきます。

30歳女性、確定拠出年金 (写真=TKalinowski/Shutterstock.com)

ケース1:大企業に勤める会社員Aさん

Aさんは大企業に勤めています。大企業には確定拠出年金の「企業型」を導入しているケースが多いので、今回もAさんは企業型確定拠出年金に加入していると仮定します。

☆Aさんのスペック
・勤務先が企業型確定拠出年金を導入しており、Aさんは加入している
・年収500万円、所得税率10%

Aさんが加入しているのは「企業型」であるため、月々の拠出金(積立金)は勤務先が支払っていて、この部分については節税への影響はありません。

ただし、「企業型」に加入していても、確定拠出年金の節税メリットを享受できるケースがあります。それが、「マッチング拠出」という制度を利用した場合です。

マッチング拠出とは、企業型確定拠出年金を利用する人が、勤務先が支払っている金額に上乗せしてさらにお金を積み立てることができる制度のこと。「企業型」の場合、月々の拠出金額は法律で定められていますが(☆)、もし勤務先がこの上限額よりも少ない金額しか拠出していなかった場合、マッチング拠出を利用できるのです。

☆企業型確定拠出年金で拠出できる上限金額とは?
勤務先がそのほかにどのような年金制度を取り入れているかによって、月々の上限額は2万7500円または5万5000円に法律で定められている。企業型確定拠出年金のほかに企業年金も併用している場合は2万7500円、そうでない場合は5万5000円となる。企業の拠出分がこの金額よりも少ない場合、上限額まで上乗せして積み立てすることができ、節税につながる。(参考:確定拠出年金に加入できるのはどんな人? 掛け金の上限はいくら?

例えばAさんがマッチング拠出を利用できるとしましょう。月々8000円分、マッチング拠出した場合と、同じ金額を定期預金した場合とで、どれくらい差が出るかを比較してみます。

☆月々8000円を30年間、運用した場合の比較
・定期預金(金利0.02%)…約289万円、節税効果なし
・マッチング拠出(年利3%で計算)…約466万円、節税効果 約58万円

定期預金の場合、毎月8000円を30年間、積み立てると単純計算で294万5772円となります。(預金利息の税金は考慮していません)

一方、月々8000円を年利3%で運用したとすると、その金額は約466万円となり、節税額は、30年で約58万円と無視できない金額になります。実質的に受取合計額はなんと約523万円! 元本の合計額は288万円ですので、1.8倍もの金額に育つことになります。

ただし、年利3%で運用しようとすると、元本割れのリスクもあります。それは嫌だ、という方はiDeCoを利用しつつ、運用先を定期預金など元本保証の商品にすればOK。節税メリットは上記の試算と同様に受けられます。

このような理由から、節税も意識した場合は、マッチング拠出を利用するのがおすすめです。

ただし、定期預金は途中で引き出すこともできるのに対し、確定拠出年金はたとえ定期預金で運用していても原則として60歳まで引き出すことが不可能なので、その点は注意をしておきましょう。

☆企業型確定拠出年金(きぎょうがたかくていきょしゅつねんきん)とは?
会社が掛金を年金として積み立ててくれる(拠出する)確定拠出年金のこと。大企業などで多く導入されている。(参考:企業型確定拠出年金とは? 個人型と併用できるってホント?

ケース2:中小企業に勤める会社員Bさん

勤務先に「企業型」が導入されていない場合はどうでしょう。

☆Bさんのスペック
・会社は企業年金あり、個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入できる
・年収400万円、所得税率10%
・毎月の掛金、2万円

Bさんの勤める会社は企業型年金を実施していますが、2017年からは企業年金制度ありの会社員でもiDeCoに加入することが可能になりました。Bさんは将来受け取る年金を少しでも増やそうと、月々2万円をiDeCoに加入するか、定期預金にするか迷っています。

☆月々2万円を30年間、運用した場合の比較
・定期預金(金利0.02%)…約722万円、節税効果なし
・iDeCo(年利3%で計算)…約1166万円、節税効果 約144万円

iDeCoを利用した場合、受け取る金額の合計は約1300万円となり、定期預金で積み立てた場合のおよそ1.8倍。

企業年金にあまり期待できないと考えているのであれば、このように早い時期から自分でも老後資金を準備しておくと安心ですね。

ちなみに、iDeCoの拠出金額の上限は会社が実施している企業年金(厚生年金保険の被保険者)の種類によっても下記のように変わります。

☆勤務先が…
・確定給付型年金を実施している…月額1万2000円まで
・企業型年金を実施している…月額2万円まで
・確定給付型や企業型年金がない…月額2万3000円まで

勤め先の企業年金の種類を把握していない方は、この機会に確認しておきましょう。

ケース3:フリーランス(個人事業主)として働くCさん

企業に勤めていない場合、どうなるでしょうか。

☆Cさんのスペック
・個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入できる
・年収600万円、所得税率20%
・毎月の掛金、6万8000円

フリーランスを含む自営業者は、iDeCoに加入することができ、会社員に比べて掛金の上限額が高く、6万8000円となっています

Cさんが、6万8000円を、定期預金した場合とiDeCoで運用した場合を比べてみます。

☆月々6万8000円を30年間、運用した場合の比較
・定期預金(金利0.02%)…約2455万円、節税効果なし
・iDeCo(年利3%で計算)…約3962万円、節税効果 約734万円

iDeCoで年利3%で運用できたとすると、受け取れる金額の差は定期預金に比べて2000万円以上多い計算となります。

厚生年金や企業年金がないフリーランスこそ、使わなければ損な制度と言ってよいでしょう。

ケース4:パート主婦のDさん

パート主婦の場合、どうなるでしょうか。

☆Dさんのスペック
・個人型確定拠出年金に加入できる
・年収200万円、所得税率5%
・毎月の掛金、2万3000円

☆月々2万3000円を30年間、運用した場合の比較
・定期預金(金利0.02%)…約830万円、節税効果なし
・iDeCo(年利3%で計算)…約1340万円、節税効果124万円

主婦でもパート収入があり所得税を納めている場合は、拠出金に対する節税効果を得られます。ただし、所得税を納めるほどの収入ではない場合は、節税効果は生まれません。

老後資金の準備期間が長いほど「投資信託」運用の検討を

今回のシミュレーションでは、4パターン全て投資信託で運用したと仮定しました。運用期間が30年と長いため複利効果が大きく、3%の利回りでもかなり増えることが分かりますね。節税効果についても「こんなにあるんだ」とビックリされたのではないでしょうか。

確定拠出年金での運用については、投資信託だけでなく、「元本確保型」と言われる定期預金や保険商品からも選ぶことができます。

どの商品を選んでも、所得税を納めていれば拠出額に対する一定の節税効果は得られるので、リスクをとることに抵抗がある方は元本確保型を選び、節税分のおトクを手に入れるのも一つの手です。

まずは自分の将来のために、資産形成手段の一つとして確定拠出年金の利用を本気で検討してみてはいかがでしょうか。

みらい女性倶楽部
わたしらしく生きるための資産づくりとキャリアに関するサポートと情報発信を行っています。

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