
(イラスト=夜街マリィ )
キャラで分かる「日経平均」「TOPIX」の違い【投資信託メンズ化計画②】
日経平均とTOPIXの違いがよく分かります
投資家から集めたお金を大きな資金としてまとめ、プロフェッショナルが運用する「投資信託」(ファンド)。
働く女性のための投資メディア「DAILY ANDS」は、種類が多すぎて何を選べばよいのかわからないこの投資信託を男性に例えて品定めする「投資信託メンズ化計画」を実行しています。
全5話のうち第2話となる今回は、初心者にも人気の高い「日本株」を対象とした投資信託(ファンド)がターゲット。
ニュースでよく聞く「日経平均株価(日経225)」「TOPIX(トピックス、東証株価指数)」に連動するタイプがありますが、これってどんなふうに違うの? 長くお付き合いするなら、堅実さってやっぱり大切なのかな?
あなたをリッチにしてくれる、好みの「メンズ」は見つかりそうでしょうか?
▽座談会の参加者(敬称略)
・横川楓さん…お金の専門家タレントとして税理士事務所に在籍しながら、経営学修士(MBA)、ファイナンシャル・プランナー(AFP)を生かして活動中
・opal(おぱる)さん…インデックス投資家、投資ブロガー。「インデックス投資女子 Around40 Happy Life」を執筆中
・夜街マリィ…イラストレーター。DAILY ANDSのゆるキャラあんずちゃんのデザイナーであり、現在DAILY ANDSにて漫画『あんずちゃんの「ゆる投資」ライフ』を連載中
・くすいともこ…DAILY ANDS編集長
・阿部祐子…筆者。FP資格を持つフリーライター
【投資信託メンズ化計画(全5回)の記事はこちら】
①②③④⑤
すべてが平均の「TOPIX連動型」くん
くすい:おさらいしておきますと、日経平均株価とは、東証一部に上場している企業(2017年7月24日現在で2025社)の中から代表的な225銘柄(社)を選んで、株価を平均したものです。
TOPIXのほうは、東証一部の全銘柄の時価総額の変化を表しています。
投資信託の中でもこの2つに連動するように運用されているタイプは人気があります。
ただ、それぞれちょっとキャラクターが違うということですよね。まず「TOPIX連動型」はどんなイメージですか?
おぱる:TOPIXは、東証一部上場という、日本の中で選び抜かれた企業の「平均中の平均」ということなので、例えば一部上場企業の男性社員の、あらゆるところを平均化したみたいなイメージでしょうか。
くすい:ふむふむ。福利厚生が充実していて、基本給もボーナスもそこそこ、昇進は年功序列……。結婚したら、いわゆる「平均的な暮らし」ができそうです!
おぱる:「一番人数の多い、平均的な人」という感じになるかな。でも国内の景気が悪くなってしまうとモロに影響を受けてしまうことになるのではないでしょうか。
夜街マリィ:イラストにすると、とにかくまじめそうな感じになるんでしょうか? でも人気があるのだから、あまりパッとしない感じにはできないですね(笑)。
謎の選抜メンバー「日経平均連動型」くん
くすい:日経平均のほうはどうでしょう。
おぱる:ポイントは「謎の」選抜メンバーということです。私、以前は日経平均とTOPIXの違いってイマイチよく分からなかったのですが、調べたり聞いたりするうちに、日経平均は、いわば選抜メンバーで構成されていることを知りました。
秋元康さんがAKB48のメンバーを選ぶように、日本経済新聞社が225人(銘柄)を選んでいるイメージです。だから「何でこの子が入っているの?」ってこともありますよね。
阿部:女性向けコンテンツなので、「たとえ」は男性アイドルでお願いします!
おぱる:じゃあ、ジ●ニーさんが「You、いいね!」って選んじゃう、にします(笑)。
「TOPIX」と「日経平均」の違い
くすい:日経平均はジ●ニーズの選抜メンバーなので、TOPIXに比べたら華やかさがある?
おぱる:中身を見てみましょうか。まずはTOPIXから。(スマホ画面を見ながら)特にウェイトが高いのはトヨタ自動車、三菱UFJ、NTT、ソフトバンク、三井住友、KDDI、ソニー、ホンダ……。
横川:メーカーや金融が多いので、ちょっと重厚というか。
おぱる:一方、日経平均に寄与しているのは、「ユニクロ」を展開しているファーストリテイリングとか、ソフトバンクとかですね。
夜街マリィ:TOPIXに比べると今っぽさがある感じなんですね。
阿部:企業規模にそうとうばらつきがあるのに、同じ株数だけ組み入れているので、値がさ株の上下で、日経平均に影響を与えることは多くあります。ファーストリテイリング、ソフトバンクのほかに、ファナックとかKDDIとか。
くすい:日経平均が上昇した後でTOPIXが付いていく、みたいなこともありますよね。
阿部:あと、10月の日経平均採用銘柄の入れ替えで、思惑買いされて上がる銘柄もあるし。
おぱる:「謎」が多い選抜メンバーですよね!
積み立て投資をしている女性は堅実?
くすい:横川さん、おぱるさんはいろいろな女性投資家さんとお付き合いがあると思いますが、日本株への投資でも、個別株に投資をする人と、投資信託で買う人のキャラクターって違うものでしょうか?
おぱる :違う気がします。お会いしたことがある何人かの方の印象にすぎませんが、株をやっている人、それからFXもそうですが、そうした女性は消費活動が活発な感じがしました。
横川:同感です。株をしている方はちょっとイケイケな感じですよね。
おぱる:「これは株(のもうけ)で買ったの!」ってブランド物を見せてくれたり。でも、投資信託で積み立て投資をしている人は、そもそも投資の話はあまりしないかも。
投資で得た利益をさらに投資に回すことで雪だるましきに儲けを増やしていく「複利効果」を狙っているので、儲かったからといってそのお金で何か買うという発想があまりないのかもしれないですね。
中には、長期的には投資信託でコツコツ貯めて、短期的には個別株やFXで楽しむ、と使い分けている人もいますよね。
ただ、投資信託さえやっていれば必ずしもコツコツ貯まるというわけではなく、「リーマンショックで半分以下になってしまったことがある」と言っている方もいますよね。
阿部 :その後「アベノミクスで1.5倍に戻った」みたいな。
おぱる:そうそう!
横川 :私は、リーマンショックのときは高校生でしたので、まだ投資はしていませんでした。その後から資産運用について学んだので、投資信託がすごく上がった・下がったという話はあまり聞いたことはなく、投資信託ってそんなものなのかなあと思っていました。
くすい:何と!リーマンショックが高校生とは!
「TOPIX君」「日経平均君」はこちら
というわけで、今回の座談会の結果生まれた「TOPIX君」「日経平均君」はこちら!
一見、同じように思っていた「日本株」の指数(に連動する投資信託)も、こうして見ると結構違いがあるのですね。
次回は、「先進国」と「新興国」、2つの外国株ファンドを擬人化していきます。
話し合いを続けるうちに、まるで投資信託が「彼氏候補」に見え、放言(!?)も飛び出して……。(③に続く)