(写真=Jeroen Fortgens/Shutterstock.com)

エルメスのスカーフにも選ばれた「福島産シルク」の魅力とは

600gのウェディングドレスで世界を魅了した「妖精の羽」

ラグジュアリーブランド「エルメス」を代表するアイテムの一つ、スカーフ。職人が1枚1枚手作業で丹念に作り上げるスカーフは、世界中から吟味された一流の素材を使用しています。

そんな世界のエルメスに今年、福島県川俣町で生産された「フェアリー・フェザー」と呼ばれている世界一軽く薄い絹織物が選ばれました。なぜ福島県産のフェアリー・フェザーが選ばれたのでしょうか。その魅力を探ってみることにしましょう。

エルメスを射止めた「川俣シルク」

福島県は元々絹織物の産地として有名で、そのなかでも川俣町で産出される絹織物は「東洋一のシルク」と言われ、重用されてきました。しかし近年、安価な海外製商品に押されて川俣のシルク産業は低迷し、存続の危機と言われるまでに。

そこで立ち上がったのが、創業60年を越える老舗の織物メーカーである斎栄織物でした。匠の技術を結集させ、誰にもまねできない、世界一薄く軽い絹織物の開発に挑戦します。

そして4年もの歳月をかけて完成したのが、妖精の羽を意味する「フェアリー・フェザー」です。2012年に発表されたフェアリー・フェザーは瞬く間に世界の注目を集め、ヴィトン、アルマーニといった世界のブランドで採用されていきました。

そして2017年2月、イタリア・ミラノで開かれた展示会にてフェアリー・フェザーは見事エルメスの目に留まったのです。

世界一の薄さ!フェアリー・フェザー

フェアリー・フェザーは髪1本の約1/6という極細の絹糸で織られています。手に取ると、全く重さを感じないほど。この生地で作られたウェディングドレスの重さは、なんと1着600グラム だったとか!

一般的なウェディングドレスは3〜4キログラムと言われていますから、どれほど軽いかが分かります。

川俣シルク, 福島, 絹, エルメス, スカーフ (写真=Debu55y/Shutterstock.com)

川俣シルクなら3万6000円、エルメスでは…?

では、フェアリー・フェザーがエルメスのスカーフになると、一体いくらで販売されるのでしょうか?

斎栄織物のショップサイトでは、フェアリー・フェザースカーフの無地タイプが2万736円から(40~55cm×180~190cm)、染めと加工を施したデザインのものが3万6288円(45cm×180cm)で販売されています。

一方、エルメスの代表的なスカーフ「カレ」シリーズは、5万6160円 (サイズ90cm×90cm)。

生地やプリント、加工の技法が異なるので一概には言えませんが、もしも「フェアリー・フェザー」にエルメスがプリントや加工をした場合、カレと同等かそれ以上の価格になるのではないでしょうか。

世界にはばたく「妖精の羽」

フェアリー・フェザーがエルメスのスカーフとなって、世界中で展開されるのは2018年春夏シーズンです。 斎栄織物は、エルメスよりスカーフ約2000枚分のオーダーがあったと発表しました。 生地の長さでいうと、約4000メートルとのこと。

単純に長さを枚数で割ると1枚あたり約2メートルですから、フェアリー・フェザーの薄さを活かした、大判でふんわりと巻くタイプのストールになるのではないかと想像できます。

日本の匠の技術とフランスの一流メゾンの感性が出会った1枚のスカーフ。一体どんなデザインになるのか、今からとても楽しみですね。

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