(写真=ImageFlow/Shutterstock.com)

ビットコインは不労所得の選択肢となり得るか?

貨幣認定されたビットコイン、夏からの利用拡大で期待できる?

近年よく耳にするようになった「ビットコイン」。主にインターネット上で通貨発行・取引が行われる仮想通貨で、世界の多くで自由に取り引きされています。

日本でも、2016年に通称「仮想通貨法」が成立し、金融庁がビットコインを貨幣として認めたことがニュースになりました。発行所も金融庁の管理下に置かれることとなり、2017年4月の施行をもって、この夏以降、ビットコインの利用は、資産運用と日常生活で一気に拡大していくと見られています。

今回は、不労収入としての資産運用を考えたとき、ビットコインがその一つになり得るかを検討します。

国の後押しで広がるビットコイン決済

すでに5月には、ネット証券など大手10社以上が、仮想通貨と日本円の取り引きを仲介する「取引所」になるための準備を進めていることを発表しています。GMOインターネット<9449> は取引所サイト「Z.comコイン」をスタートさせ、SBIホールディング < 8473> も、7月現時点で公式サイト「SBIバーチャル・カレンシーズ」をオープンしています。

また、実際の生活でも、ビットコインを買い物や食事などの決済で使えるお店が大幅に増えるそうです。有楽町店など旗艦店3店舗でビットコイン決済を試験導入していたビックカメラは、7月14日より全国23の系列店舗でも使えるようになりました。

その他、今夏からは、リクルートライフスタイルが運営する国内最大の決済アプリ「Airレジ」を導入している約26万店舗で、ビットコイン決済が可能になると発表されています。居酒屋やアパレル、雑貨店など、より一層幅広く利用できるようになるのです。

では、ビットコインをはじめとする仮想通貨への投資は、株式投資やFX(☆)と比べて、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょう。

☆FXとは?
外国のお金を購入したり売却したりして、利益を目指す取引のこと。外貨預金との大きな違いであり、魅力の一つは少額のお金を担保にして大きな額のお金を運用することができること。小さな力でその何倍もの力を発揮することから、てこ(レバレッジ)の原理になぞらえて「レバレッジ効果」と呼ばれている。(参考:バリキャリと「FX」の相性がいい理由

ビットコインで不労所得とは?

不労所得を文字通りに解釈すれば、働かなくても得られるお金のことです。

投資で不労所得を実現するには、投資した対象が値上がりして利益を得られる売買益(譲渡所得)、あるいは配当金(☆)収入。パターンはこのふたつです。ビットコインに配当金や利息はありませんので、得られるのは「売買益」となります。

☆配当金とは?
企業が行う事業活動から出た利益の一部を、株主に分配すること。配当金は1株あたりで定められていることがほとんどで、例えば、1株あたりの配当金が8円の株を100株保有している場合、もらえる配当金の額は800円となります。(参考:株式投資でよく聞く「高配当」「配当利回り」。でも、配当って一体何?

仮想通貨とは、ビットコインとは?

そもそも仮想通貨とは、目に見える紙幣やコインが発行される従来のお金と違い、中央銀行などの発行・管理元を持たず、主にインターネット上だけでやり取りするお金のことです。

電子マネーと勘違いしやすいのですが、Suicaなどはあくまでも従来のお金である「円」を電子化したものですので、国による価値保証がある円やドルなどとは別の「通貨」となることを目指す仮想通貨とは、全く概念が違います。

仮想通貨は世界に600種類以上あるそうですが、その代表格がビットコイン。2009年に登場してから、現在は仮想通貨全体の7割を占め、時価総額は2兆円超とされています。

その規模感を企業で見てみると、日本トップのトヨタ自動車 <7203> が時価総額20兆円超。アサヒグループホールディングス<2502> セコム <9735> がだいたい2兆円程ですので、そのぐらいの規模と将来性を持っていると捉えてもいいかもしれません。ちなみに、世界の時価総額トップ企業はアップルで約75兆円です。

また、円やドルなどの法定通貨は、その国の中央銀行がお金を発行して管理しますが、仮想通貨は、中央銀行のような管理者がいないのが特徴です。取引所を通して円やドル、人民元といった各国の通貨と交換して購入し、購入されたビットコインは、パソコンやスマートフォン上の「ウォレット」という電子布の中に保管されます。

ビットコインの通貨単位は「ビットコイン」で、BTCもしくはXBTと表記されます。日本円をJPY、アメリカドルをUSDと表記するのと同じ感覚です。2015年には1ビットコインは約2万円でしたが、2017年初めには15万円ほどにまで暴騰しました。

ビットコイン, 仮想通貨, 不労所得, 不労収入 (写真=Julia Tsokur/Shutterstock.com)

ビットコイン投資のメリット

ビットコインは価格が激しく変動するため、現在の利用者は短期的なトレード(投機)を目的に購入する人が大半です。

ビットコイン投資のメリットは、まず、取引が24時間365日できるということです。株式投資は平日の9時~15時、昼休みを除く5時間くらいですし、FXも土日は基本的に取り引きできません。平日は本業があるけれどデイトレードをやってみたいという人にとっては、仕事から帰ってきた夜間や休日に取り引きできるので便利です。

また、売買単位が小さいのも特徴です。ビットコイン投資は1000円くらいからでき、最低取引量は、「取引所」と呼ばれる専門の事業者ごとに提示されています。

例えば、ビットコイン取引所で国内最大手のビットフライヤー(bitFlyer)の最低取引金額は0.001BTC、コインチェック(coincheck)は0.005BTC、ザイフ(Zaif)は0.0001BTCです。仮に1ビットコインが15万円だったとしても、1000円以内で十分取り引きができます。とにかく価格変動が激しいので、少しずつ購入してみたいという人でも可能なのです。

そして最も大きなメリットは、ビットコインは従来の資産とは全く違う概念ですので、分散投資の一つとして持っておくと、将来、大きく成長する可能性もあるということでしょう。

ビットコイン投資のデメリット

大きく成長する可能性がある一方、当然ながら下落する可能性もあります。

ビットコイン投資のデメリットは、1日の価格変動が大きく、いつ買ったらいいのかタイミングが難しいことです(これをメリットと考える人もいます)。

現在の保有者の多くは中国人個人投資家ともわれ、人民元の相場が将来下がるとの予測(先安観)への不安から、資産をビットコインへと逃避させていることが、価格上昇の主な原因の一つと言われています。ということは、今後の中国の状況次第で価格がさらに大きく変動するかもしれません。

もう一つのデメリットとして挙げられるのが、セキュリティーです。仮想通貨のインフラ整備がまだ完璧ではなく、ハッキングでビットコインを盗まれたという事件も実際に起こっています。

発展途上という意味では、他の仮想通貨が伸びてきた場合、ビットコインの人気が低下して価格が急落するなんていうリスクも、絶対にないとはいえません。

ビットコイン投資は不労所得となり得るか?

ビットコインは値動きが激しく、1日に20%以上も価格が動くこともあります。そのため、現在は投機目的で取り引きする人が大半で、チャートという価格変動を示したグラフを見ながら、短期売買をする対象の一つとして見られているようです。FXと同じような感覚ともいえますね。

ちなみに、デイトレードのように、毎日ずっとパソコンの前に張り付いていなければいけないものを「不労」と言うには語弊がありますが、ビットコインなどの仮想通貨トレードを本業にしている人もいるようです。

一般的には、もっと長期的な視点で、ビットコインがさらに上昇するという期待が持てるなら、資産の一部として保有しておくのもよいかもしれません。保有し続けるだけであれば、もし数年後に価格が上昇していて利益が得られるなら「不労所得」といえますね。

ただ、価格の動きが激しく毎日上下に大きく動くので、一度に購入するのはタイミングが難しいかもしれません。その場合は、月に1回、少しずつ購入して積み立てていく方法も考えられます。

注意点として、ビットコインに関連した投資商品に「HYIP(ハイプ)」という高利回りをうたったものがあるのですが、元本や配当が約束通り支払われないというトラブルも多く、気をつけた方がよいでしょう。2017年7月には被害対策弁護団が発足しています。(参考:2017年7月7日付 WBS『HYIP被害対策弁護団が発足』)

「ビットコインで不労収入」のシナリオは

今後、ビットコイン投資は不労所得となり得るのかのシナリオは何通りも考えられます。

例えば、ビットコインが普及し、世界共通の通貨として多くの人に日常で使われるまでに成長するなら、価格は高くなり、いずれ安定していくと考えられます。その場合、今から投資しておけば、値上がり益を不労所得として得られるかもしれません。

次に、日常生活での決済にはあまり使われず、FXのような投資対象としての利用が中心になるなら、価格変動は大きいままかもしれません。また、ビットコインが仮想通貨の主流でなくなったり、仮想通貨そのものがこれ以上普及せず衰退していったりという可能性もゼロではありません。とにかく未知数なのです。

次世代の通貨、分散投資の一つとして

ビットコインは、今は投資や投機目的での売買が中心ですが、海外で外貨に両替することなく決済できる便利さから、海外旅行など渡航先での利用も増えています。利用できる店舗やサービスが急拡大しているのも事実です。

ビットコインが世界中で利用される「次世代の通貨」として成長すると考えるなら、分散投資の一つとして持っておくのもいいかもしれませんね。

▲TOPページへ

この記事をシェアする

個性的な連載で「投資」を身近に

一つのテーマを深掘り、おすすめ特集