(写真=Tom Wang/Shutterstock.com)

長く投資を続けたい人にとって、積立NISAの登場がうれしい理由

積立NISAの登場をどう思っていますか?

2016年9月に入ってきた投資信託関連での大きなニュースの一つ、金融庁の積立NISA検討の話しについて、さっそく関心を寄せている読者さんから、質問を頂きました。

積み立てNISAは、「貯金は美徳」の21世紀版スローガンだと思います

●2016年9月:YN様(男性・20代)よりのご質問

NISA口座の限度額が今年2016年、100万から120万に増えた途端、政府さんは節操なく「年60万に減額」&「NISA期間を長期化」の検討に入りましたね。堀田様はこの記事を拝見して「ニヤリ」としちゃったでしょうか?(^^;) 明らかに積立投資を推奨する政策ですもんね。

⇒参考:金融庁のNISA制度変更案PDF資料

つまりこれは、「セミプロ」を儲けさせるのにストップを掛け、数十年前の「貯金は美徳」の21世紀版スローガンと思えます◎ 「追い風の吹いた」堀田様の想うところをぜひ拝聴したいとおもいます。 m( )m

※セミプロについては、単に「利益を挙げ続けてる個人投資家・とくにトレーダー」という意味です。最近の個別株では「ブランジスタ」が典型的ですが、ほんの4ヶ月ほどの間に、一気に10倍近くまで跳ね上がり、そして一気に元に戻るという実に激しい値動きでした。

熟練のトレーダーでしたらそんな銘柄に今年のNISA枠を全てつぎ込み、一気に売り抜けるという離れ業を演じた人も相当数いると思われます。が、そんな事は多数の一般の人に出来る芸当ではないし、また、長期投資を促す金融庁の思惑ともかけ離れていると思います。「セミプロだけに儲けさせるのにストップ」とはそういう意味です。

ご回答:なかなか魅力的な政策なのではないでしょうか?

日頃から当サイトを愛読いただきまして、ありがとうございます。NISA制度の改正については、ほうぼうから色々な声が上がっていますね。私個人としては、今回の制度変更は大変良い事だと思っています。

当サイト管理人の投資しているものをご覧の通り、私はNISA口座を使っていません。それはたった5年間では利益を確実に出して税金を無税にする自信が全く無いからです。

下手に損を出すと、非課税期間経過後に通常の口座に移管される際、その時の時価で基準価額が決まってしまい、将来売却した時に逆に余計に税金を支払う事になりかねません。

これについてはインデックス投資にNISAは必要な制度なのか?のページも併せて読んでいただくと、使いづらさを分かって頂けると思います。

(とは言え、期待リターンがプラスのものに投資するのですから、使いにくいと言っても全く使わないという行動は、合理的とは思えません。アセットアロケーションの範囲内で使いこなしてゆくのが現実的だとは思います。あくまで私は使ってないというだけで。)

さて今回の改正案が通ると、今後は以下の2つのどちらかを投資家が選択できるようになります。これは明らかに「改正」であり、非常に使いやすくなると思われます。

・年間投資上限120万円で、非課税期間5年:投資の上限は600万円 ・年間投資上限60万円で、非課税期間20年:投資の上限は1200万円

NISAの期限がたったの5年しかない事で、長期投資でこれを活用するのが難しいという最大の弱点を、完ぺきとは言えないまでも大いにカバーできる内容になっています。

投資の上限が年間60万円で、合計1200万円という数字も、この制度が一般の方々に広く投資をしてもらうという趣旨からすると、極めて現実的だと思います。年収が500万前後の人が投資に回せる資金として、60万円はかなり良い所を突いているのではないでしょうか。

ましてや今後、制度がより活用されると思われる確定拠出年金への資金の拠出と併用したとしたら、年間60万円さえも「高い目標」になる数字です。

お金を持っている人からしたら「もっと上限を拡大せよ」と感じるかもしれませんが、そんな事したら「金持ち優遇だ!」と批判が殺到しかねないので、政治的な意味合いからしても非常に現実的な落としどころを模索しているように感じられます。

今回の制度であれば、管理人もNISAの利用を検討してみたいと思います。ただし、今回の制度変更はまだ決定した訳ではないので、適度に期待しながらも事態の推移を見守っていきたいと思います。(あまりに期待して、実際はショボい内容になったら落胆するので・笑)

ところで、NISAとセミプロはほとんど無関係だと思います。「セミプロ=短期の相場で稼げる人」だとすると、現行の年間上限120万円などという、極めて少額の口座などは使いません。

彼らは数百万数千万円を動かすので、たとえNISAを使ってトレードしたとしても、1日で枠を使い果たす勢いです。彼らが使うのは、ハイパーSBIや楽天マーケットスピードなどの高性能ツールのある口座ですから、NISA云々で制度の趣旨に合わないと心配する事でもないような気がします。

むしろ、勝てるか勝てないか分からない紙一重のところで彼らが頻繁に取引してくれるからこそ市場に流動性がもたらされるし、暴落する時も一気にガツンと来るので、大バーゲンセールで私たちがNISA口座で美味しく買い物をさせていただけると思った方が良いでしょう。

この記事をシェアする

個性的な連載で「投資」を身近に

一つのテーマを深掘り、おすすめ特集