(写真=筆者撮影)

その家、ホントに買ってOK?女性が不動産屋にだまされないコツを聞いてみた【後編】

不動産投資は大きな買い物。頭と身体をフルに使おう!

ひと昔前までは不動産は購入するのは男性がほとんどでしたが、働く女性が増えたいま、居住や投資目的で不動産を購入する女性が増えています。しかし、女性は不動産購入の場において不利と言われることも多いとも言われています。

前編では、『不動産屋にだまされるな 「家あまり」時代の売買戦略(中公新書ラクレ)』の著者である山田寛英さんに、女性が不動産屋さんにだまされる理由や対策についてお話をお聞きしました。

後編では、「女性が不動産を買うときにチェックすべきポイント」についてうかがいます。

家を買わないと「ヤバイ人生」になる!?

――山田さんは、女性は賃貸に住むのではなく、いずれ家を買った方がよいと思いますか?

はい、思います。もし現在独身の女性が高齢になったとき、何らかの理由で住んでいる賃貸物件を出なければならないことになったら、その後に別の物件を借りられるかどうかわからないですよね。

また、若いときに家を買って住宅ローンを組んだ人がローンを返し終わる時期になっても、賃貸だと毎月家賃を払い続けないといけない。年齢を重ねたときにマイホームを買っていないと、「ヤバイ人生」になってしまうと思いますね。

――都内の新築マンションなどを見ていると、高いなぁと思うことがよくあります。

「東京に家を買う」という選択は、全ての人に用意された選択肢ではありません。アニメ「サザエさん」で出てくる一戸建ては世田谷区桜新町にあるという設定ですが、あの場所にあの広さの家を買うなんて、普通の人にはなかなかできることではないのです。

不動産を自分で購入することを意識すると難しいと思うかもしれませんが、自分で買うのではなく親の持ち家を相続する方法もあります。実家が関東にあれば、買わなくてもいずれ自分のものになる可能性がありますよね。実家が地方にある場合、親が亡くなったら地元に帰って実家を相続して暮らす、ということもひとつの選択肢です。

不動産投資よりも、まずはマイホームを

――女性が投資用物件を買うときは、どのような点に注意すれば良いでしょうか。

「段階をしっかりと踏むこと」ですね。いきなり不動産投資をしようとするのではなく、まずは自分が住むためのマイホームを買うことを意識しましょう。

住宅ローン控除という税制上非常に有利な制度があるので、それを10年くらい活用して、「住み替えたいな」と思ったら新たに家を買い、住んでいるところを人に貸すとか、そのようなステップを踏む必要があると思います。

――投資用の物件を買う前に、先に自分が住む家を買うべきなんですね。

今、不動産投資は若い女性でもできると話題ですが、結局は商売ですから「不動産投資で儲かる!」という広告に惑わされてしまう人は、非常に危険です。

そもそも、人がもってくる投資話というのは、間に人が入って儲けているから利益率が低い。おいしい投資物件を知るためにどうしたらいいかというと、不動産業界で働いて情報を知るとかそういう方法しかないですよね。

ただ独身の女性でも、自分が住む家は買った方がいいとは思います。最初は自分で住んで、将来貸せるような物件を買うといいですね。

結婚して共働きをすれば、住宅ローンを早く返済することもできます。独身生活を楽しむのも良いですが、家を買うことを考えた場合、結婚という選択肢も合理的だと思います。

その家4 (写真=筆者撮影)

女性ならではの「感覚」で営業マンを見抜く

――不動産を購入するとき、注意すべきポイントや物件の選び方はありますか?

住宅用・投資用物件のどちらも言えることですが、不動産業者の規模はあまり関係ないと思います。大手と中小のどちらを選んでも、業者がたっぷりと利益を取れるような構造になっているので、大手だから良い、というわけではありません。

例えば都心のタワーマンションの展示会に行くと、お金をかけたプロモーションビデオが流れていたり、ミニチュアで作られた街の中にタワーマンションが光り輝いていたりと、豪華な演出をしていることがありますが(笑)、それを見て「利益が広告費にたくさん使われているんだな」と思えるようにしておくべきです。

普通の収入で買えるのかというと難しいですが、将来人に貸すことを考えるのなら、都心のタワーマンションや有名ブランドのマンションなどを買っておいたほうがいいですよね。

――女性が、怪しい不動産業者を見抜くための方法があれば教えてください。

女性は、基本的に男性より感覚が鋭いですよね。ですから、最初に営業マンに会ったときの感覚を信じた方がいいです。例えば話しているときに全然目が笑っていないとか、または絶対に目をそらさないとか、そういう人って違和感がありますよね(笑)。

逆に、自分の職場など身の回りにいるような雰囲気であったり、初対面から違和感がない営業マンであれば、大丈夫だと思います。「最初に会ったときは怖かったけど、実はいい人だった」というケースは注意した方がいいですね。

――営業担当者がヘンな人だった場合は、どうすればよいのでしょうか?

不動産会社の本社やサービスセンターなどに連絡して、担当者の変更をお願いすることをおすすめします。何も言わないとそのままなので、ヘンな担当者をつけられてしまったら、きちんと文句を言うようにしましょう。

――他に、信頼できる営業マンがどうかを見抜く方法はありますか?

「約束を守る人かどうか」ですね。

例えば「○○さんのためにがんばります!」と言っている営業マンでも、例えばこちらが頼んでいた資料を全然送ってくれないとか。それでこちらから連絡すると「すいませーん!今送ろうと思ってたんですよー」みたいなことが何度もあったり(苦笑)。そういう人は信用しない方がいいですね。

あとはこちらからお願いしなくても、向こうから「資料を送りますよ」とか、話のノリで言われることってありますよね。そういうことを、きちんと実行する人は信用できる。「自分で言ったことを実行してくれたかどうか」はチェックした方がいいですね。

責任感がある営業マンだったら、できないことは最初から言いません。責任感がない営業マンは、場を盛り上げるために口当たりのいいことは言うけれど、本当は「どうでもいいや」と思っていることが多いです。

だまされないための容易な道はない

――本には「物件まわりが趣味になったときが買いどき」と書いてありましたが、やはり、購入する前に物件をたくさん見た方がよいでしょうか。

そうですね、多くの物件を見て相場を知ることは必須です。インターネットで調べて内覧に行く。時間をかけて、地道に自分の足で回るようにしましょう。

あとは不動産業者がおかしなことを言ってきたら、反論できる力を身につけること。そのためには、自分でも不動産の知識を勉強することが必要です。営業マンに任せきりにせず、自分でも頭を回転させて考えること。納得のいく物件に巡り合うためには「容易な道はない」ということですね。

――自分の頭や足を使って、行動することが必要なんですね。

女性が不動産を購入するときは「人が言っていることは絶対に鵜呑みにしないぞ!」というくらい、疑心暗鬼になるくらいでちょうどいいと思いますね。

ただ、ある程度は妥協することも必要です。不動産の知識がものすごくある人でも、安くてよい物件を買うのは至難の業ですからね。自分の中で〝落としどころ〟を決めて、「少し高い気がするけれど、これくらいだったらまあいいかな」と思える物件に出会えるまで、探し続けると良いと思います。

不動産を買うときは、自分の頭と身体を使う

女性が不動産を買うメリットやリスク、だまされない方法などについて、終始ざっくばらんに語ってくださった山田さん。不動産に関する相談を多くの女性から受けているからこそのアドバイスには、とても説得力がありました。

「一生の中でも大きな買い物」と言われる不動産。買ってから「だまされた!」と後悔することがないよう、頭と身体をフルに使う必要があることを改めて実感しました。

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