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買い物上手は投資上手。初心者にこそ「コスパ最強」のiDeCoがおすすめ

株好き主婦のインタビュー【後編】

株で年間20%以上の儲けを出している、という専業主婦の葉子さん(仮名、49歳)にインタビューをしています。

【前編はこちら

証券会社を辞めたあと、専業主婦になってから「株の基本」を初めて学んだ葉子さんは「女性こそ投資に向いている」と話します。そして、「これからの時代は自分に興味があるなし関係なく、お金について知っていることが必要な時代になる」とも。

とはいえ、全ての人たちが葉子さんのように株について勉強し、トレードをすることができるわけではありません。

後編となる今回は、初心者におすすめの投資についてお聞きしました。

なぜ今、「資産運用しなければいけない」と言われるのでしょう?

運用の世界に無関心ではいられなくなる

くすい:投資をまだしてないけど興味がある、という女性に伝えたいことはありますか?

葉子:実際、やるかやらないかは別として、興味は持って欲しいなとは思います。というのは、もったいないからやりなさいっていう意味では全然なくて、たとえば今iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)って対象となる人が広がりましたけど、もともと確定拠出年金には、企業型と個人型があって、会社が用意した企業型確定拠出年金に加入している人ってたくさんいるわけですよね。ということは自分がしようがしまいが、会社がその制度をどんどん導入してくるし、今後も増えると思うし、iDeCoをする人も増えてくる。

となると、株が好きとか嫌いとかに関係なく、運用の世界に無関心ではいられないっていうか、自分は一生関係ございませんから、知らなくてもけっこうですというわけにはおそらくいかないんじゃないかと思います。

自分はやってないけど結婚相手の会社の制度がそうでした、ということもあるかもしれない。なぜか会社に言われてはじめてほったらかしのままになっているお金があります。でもそれ将来の退職金ですよって言ったときに、その制度を知っている人と知らない人、お金を増やせる人と減らす人と出てくるわけですよね。

株のスキルを必ずしもつける必要はないですけど、投資信託ってどういうものなのか、運用ってどういうことなのかとか、いわゆるお金の知識ってところはつけていったほうがいいだろうなとは思います。

年金はちゃんと運用されていた

くすい:iDeCoの対象者が増えたのは、老後資金を自己責任で準備してくださいね、という国からのメッセージですもんね。自分で自分の退職金なり年金なりを用意しなきゃいけないっていうことになってくると、本当に今おっしゃった通り、お金に無関心ではいられなくなります。

葉子:たとえば年金が月20万円位はもらえる試算だったのに、これからは15万円位になりそうです。となったら、5万円の不足分はどうしたらいいの?となりますよね。

しかも、20万円あればなんとかなるかな、と思って、さほど心配もしていなかったとして、足りない5万円をどうにかしなきゃいけない、自分たちでiDeCoやNISAを使って、老後資金作ってね、と言われたら、運用なんてしたことないし~、運用して減ったらどうしてくれるの~、って急に不安になる。

国も年金資金を運用していて、これまでちゃんと運用で増やしてきているのに、そんなことはあまり知られていなくて。逆に、年金が減るのは、運用で失敗している から、って思ったりして。あたかも本当に年金がもらえなくなっちゃうんじゃないかって、思っちゃってる。

国がどうやってお金を運用してきたのか?についてはちゃんと、国のホームページで公表されているわけなので、知ることはできます。普通に株半分、債券半分、国内外にバランスを取ってってやってるだけの話なんです。

ちゃんと増えているってことを確認したら、じゃあこれと同じ方法で国がやるか自分がやるかは別として、同じ方法であればちゃんとじわじわ増えるんじゃないか、というイメージはたぶんつくと思う。

それを知っていればそんなに怖がる必要もないし、知らないから知らないことで不安になってるだけです。

くすい:知らないから不安になる、というのはありますね。

葉子:国がしてたら全然気にならなくて安心なのに、自分がするとなったら心配でって、本当はおかしな話しですよね。そういう仕組みなんだってことすらも知らないんですよね。

自分が専業主婦だから、メリットがないからiDeCoはしませんっていう人も多いですが、ご主人が会社でやってる可能性もある。ご主人はお仕事で忙しくて無関心なんだったら、多少気持ちと時間に余裕があるほうが管理するというか、少し賢くお金を増やせていけたらいいのかなーとは思います。

くすい:おっしゃる通りです。株のテクニカル分析まで全員できるようにならなくてもいいかもしれないけれど、お金の話や金融用語にアレルギーを感じない程度に関心を持ってみる、というのは大切だと思います。

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投資初心者にこそ「コスパがいい」iDeCoがおすすめ

くすい:初心者の人というか、ちょっと興味のある人が、今から何かやるとしたら、どういう資産運用をおすすめしますか。

葉子:とりあえずiDeCoができる人は、iDeCoをしたらいいと思っています。どんなに勉強をしても実践がともなわないと実感できないんですよ。なので、どれくらいわかっているかわかってないか別として、とりあえずやってみることってけっこう重要なんですね。

ただ単に株を買う、単にNISAに投資をするとかっていうのは、マイナスが出たときに補うものが何もないですが、iDeCoであれば、「所得控除」といって税金の負担が軽くなる仕組みがあるので、多少運用に失敗したとしても、カバーできますよね。

くすい:最初からボーナスもらってるような感じですよね。

葉子:所得税と住民税で20%の税率の人だったら、2万円の掛け金の場合、4000円の税金の負担が軽くなります。だからこそ練習ができるんですよ。口座開設が大変だとか、めんどくさいだとかいろいろあるんですけど、ちょっとがんばって最初の手続きをやったら、毎月2万円かけた人は、毎月4000円分の税金が軽くなる効果がある。ということは2万円が1万6000円になったって、痛くないわけですよね。ものすごい時給ですよね。費用対効果はすごく高いので、とりあえず始めてみるといいのではないかなと思います。

相談する相手はFP、証券会社がいいとは限らない

くすい:困ったら相談に乗ってくれるファイナンシャル・プランナーさんもいますしね。

葉子:ただ、知り合いから聞いたところによると、iDeCoの運用についてあまり詳しくないFPさんも多いみたいです。

くすい:そうなんですね。

葉子:制度そのものはみんな認知してるんですけど、そこから先の運用のことになると、やっぱり苦手意識持っちゃう人もいるみたいですね。運用に詳しくないと、あんまり触りたくないっていうか、突っ込まれたくないって意識が働くんでしょうか。どれくらい税制上のメリットがあるかはもちろんみなさん認識されているんですが、口座を開いたあと、どんな商品を選んだらいいのか、についてはあまり詳しく答えられなくてちょっと苦手っていう人が、もしかしたらいるのかも。利用者にはお得な制度でも、手数料があまり取れなければ、金融機関もそこまで積極的にはプロモーションしないですからね。

くすい:それが金融の真実なのでしょうか。

葉子:そういう側面はありますね。全ての金融機関ではないと思いますが、営業のプロではありますけれど、証券会社だからと言って、株の売買に長けてる人が必ずしもいるわけでもないですし、その基礎は少なくとも私が在籍していた銀行と証券会社では、教育のなかになかったですよね。

だから、ちゃんと教えてくれる学校に行ったほうがいいよって話になっちゃうんですけど。ただ、さっきの話に戻りますけど、やっぱりiDeCoの制度を使って自分で学習していくのがいいと思います。主婦は運用に向いてるし。主婦っていうか女の人が向いている、と思います。

女性は運用に向いている

くすい:女性が運用に向いている、ってほんとですか?どういうところがですか?

葉子:たとえばお買い物で同じものを買うにしても、安いところを探して買いに行こうと、女性はしますよね。男性はめんどくさいのであんまりしないんですけど、女性は価格に対する意識が、コスト意識がすごく高いんですね。

これって株をするうえでもすごく大事なこと。「その値段」になるまで待てたらほぼ勝てる。その値段になるまで待てないのは男の人のほうで、待てるのは女の人のほうなんですね。だから主婦のお買い物感覚と株の売買って似てるところがあって、私はそれがそうだって気が付くまでに時間がかかっちゃった。待てない時間が多くて上達しない時期がけっこうあったんです。

くすい:確かに、似たようなものでも安いものがないかどうか、自分に合うものはどれか、比較検討するのは女性ですよね。

葉子:あと、学校を通して思うことは、何事も素直に受け入れるのは女性のほう。

くすい:そうなんですか?

葉子:私が通った株の学校はチャートの見方を教えてくれるところでしたが、ルールがあるわけなんですよ。こういうときに、こういう形になって、こうなったら買いですよ、売りですよ、逃げなさいってサインですよって、きちんと教えてくれるので、ひとつの銘柄のひとつのあるときのチャートをぱーんと出されたら、今買いですか売りですかって言ったら、学校のセオリーとしては全員同じ答えが出るはずなんです。ってやってるんですけど、そうは言っても自分の考えを出しちゃうのが男の人。

専業主婦が株に取り組む理由

くすい:なるほど。確かに、「俺ルール」持っているのは男の人が多そうです。ちなみに今運用している目的って何ですか?老後のため、とか。

葉子:そうですね。たぶんインカムの入口をふたつにしておくことでしょうか。私は旦那も働いていて、いわゆる主たる収入があるんですね。ただそれが細ってくる、あるいは年金に替わるっていったときに、こっちでもこれだけは稼げるぞっていうスキルをつけておきたいんですよ。

将来の年金の足りない部分をいろんな方法で作ることってできますよね。65、70まで働くっていうのもひとつの方法ですし、不動産を持ってそれで一部をあてるっていうのもひとつの方法。どういう形で収入を得ていくかって、足りない部分の収入の得方としての確固たるものを今作りたくって、いま株をやっています。検証してるのに近いですね。

くすい:投資で儲けたお金も投資につぎ込んでいる感じですか?

葉子:いいえ、私儲かったら使っちゃうので、いつまでたっても元本が増えないんです。先々のことはわからないですけど、とりあえず自分のやり方とかでマイナスにしないことはできるようになったわけです。なので使っても大丈夫っていう腹がどこかにあるので、それこそカメラに化けたり時計に化けたり旅行に化けたり……。

本気で仕事として株をやっているようなつもりなんですけど、ビジネスクラスを使って海外旅行にどんと行っちゃうとか、使っちゃうんですよね。

くすい:「お金そのもの」じゃなくて、「キャッシュフローを生み出す力」を得たいということでしょうか。

葉子:結局私は、もとの話に戻りますけど、株を持ってた時間は長いんです。でもうまくいかなかった時間のほうがまだまだ長いんですよ。うまくいきだしてからはまだ数年、片手で足りるくらいなんですね。なので自分のなかで、確信がないんです。ずっと再現性があって、10年後も20年後もずっとこれでいけるってだけの強いものっていうのはまだできてない。どこかで危ういかもしれないって思いながらも、でもできてるかもしれないし、この先にちゃんと着地があるんだろうなって思ってやってます。だから今もトレーニング兼実際に稼いで、必要なものにお金を回していきたいですね。

お金の話をもっと気軽にできたらいいのに

「普段、友人の方と投資の話をしますか?」と聞くと、「ほとんどしないですね。投資をしたことのない人は興味もないし、聞きたくもない話題だから……」と葉子さん。

こんな話をもっと気軽にできたらいいのに。葉子さんの周りには、その言葉を必要としている人がきっといるだろうに。そんなことをふと、思ったのでした。(株好き主婦のインタビュー、おわり)

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