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働く女性たちは、配偶者控除の見直しに賛成?反対?

「iDeCo のメリット」や「ふるさと納税」より気になること

日本FP協会が、20代〜50代の働く女性を対象に行った「働く女性のくらしとお金に関する調査2017」。1200人もの女性たちを調査した結果明らかになった女性たちの暮らしやお金にまつわる実態やホンネを、シリーズで紐解いていきます。前回の「『賃上げ』が2位。働く女性が『働き方改革』に求めるものは?」に続き、「今回のテーマは「働く女性のマネーリテラシー」です。

(参照:日本FP協会 調べ「働く女性のくらしとお金に関する調査2017」)

正社員かパートか、派遣社員か契約社員か

どんな雇用形態であっても、働く女性なら、給与明細から何がどれだけ引かれているのか、いないのか、気になりますよね?

自分では気にしていなくても、いつの間にか収入から差し引かれてしまっている税金。もっと制度について知っていれば、損することはなかった……なんてこともあるかもしれません。マネーリテラシーは働く女性にとって欠かせないものです。では例えば、「配偶者控除☆」について、働く女性たちは、どのくらい知っているのでしょうか?

☆控除(こうじょ)とは?
税負担がなるべく色んな人にとって平等になるように考えられた「配慮」のこと。例えば、妻というパートナーを養っている人については、単身者に比べると生活をするのが大変なので、税金の負担を軽くしてあげましょう、という制度が「配偶者控除」です。(参考:そもそも「控除」って?配偶者控除をもっと分かりやすく説明してみた

配偶者控除 VS iDeCo、より身近なのはどっち?

Q:「配偶者控除」の年収要件の引き上げについて知っていましたか?

*所得控除の対象となる年収が103万円から150万円に引き上げられることを知っていた人の割合

全体:62.8%
独身:56.3%
既婚:71.4%

配偶者控除についての働く女性たちのリテラシーは全体で6割超。既婚者に至っては7割と、非常に高いといえます。それでは、「iDeCo(個人型確定拠出年金)☆」については、どうでしょうか?

Q:「iDeCo(個人型確定拠出年金)」のメリットについて知っていましたか?

*毎月の積立金額が所得控除の対象になり、税金が安くなるなどを知っていた人の割合(就業形態別)

全体     :18.3%
正規社員・職員:24.2%
契約・派遣  :14.9%
バイト・パート:14.0%
役員・事業主 :5.7%

Q.:iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入対象者の拡張について知っていましたか?

*企業年金の加入者や公務員、パート主婦でも加入できるようになったことを知っていた人の割合(就業形態別)

全体     :16.5%
正規社員・職員:21.5%
契約・派遣  :17.1%
バイト・パート:12.4%
役員・事業主 :28.6%

iDeCoのメリットについて、働く女性のリテラシーは、全体で2割を切っており、まだまだ知られていないということが分かりました。iDeCoの加入対象者が広がり、節税のメリットを受けられる人が増えたということについても、リテラシーは非常に低い状態でした。

配偶者控除の要件変更についての認知度が6割を超えていたのに比べると、多くの働く女性がiDeCoのメリットを享受できていないというのは、とても残念な結果です。

また、就業形態別のリテラシー率では、バイト・パートが最も低く、契約・派遣がそれに続きます。

iDeCoの最大のメリットは「節税しながら老後資金の備えができる」ことでしょう。iDeCoについてもリテラシー率が高まり、働く女性たちが選択肢の一つとして検討することで、よりよい将来設計につながるといいですよね。

☆iDeCo(イデコ)とは?
個人型確定拠出年金(こじんがたかくていきょしゅつねんきん)のこと。公的年金や企業年金にプラスするかたちで自分で積み立てる「年金」のこと。拠出したお金を、投資信託などで運用する。個人でも節税ができることや、2017年1月から加入対象者が拡大したことから、いま、老後資金づくりの方法として注目を集めている。(参考:これなら分かる!「確定拠出年金」がお得と言われる理由

「ふるさと納税」でも意外と知られていないことがある

働く女性が知っておくと得をするかもしれないことは、iDeCoや配偶者控除のほかにもあります。例えば、「ふるさと納税☆」についてはどうでしょうか。

Q:「ふるさと納税」について、ワンストップ特例制度を知っていましたか?

*1年間の寄付先が5自治体までなら確定申告の必要がなくなったことを知っていた人の割合(年齢別)

全体 :27.8%
20代 :22.0%
30代 :27.7%
40代 :30.0%
50代 :31.7%

こちらは、年齢が若くなるほどリテラシーが低いという結果になりました。それでも、iDeCoへの関心と比べると、ふるさと納税のほうがより多くの人の関心を集めている制度と見ていいでしょう。

☆ふるさと納税とは?
税金が都会に集中しているなか、自分の意思で少しでも地方に納税(寄付)できても良いのではないかという思いから生まれた制度。利用方法によっては、実質2000円の負担で数万円相当の豪華な「返礼品」が受け取れるとして注目されている。(参考:「お礼の品」で女子会も! 意外と知らない、ふるさと納税利用者の実態とは

配偶者控除, iDeCo, 個人型確定拠出年金, ふるさと納税, 見直し, 所得, 控除, イデコ (写真=Honeybee49/Shutterstock.com)

配偶者控除の見直し、あなたは賛成?反対?

ここまで見てきたアンケート結果から分かったのは、「配偶者控除の見直し」に関して、iDeCoやふるさと納税とは比べものにならないほど、圧倒的に知られているということ、引いてはリテラシーの高さにもつながっているということではないでしょうか。

今回の配偶者控除の見直しによって変更になったのは、所得控除の対象となる年収が103万円から150万円に引き上げられたことで、2018年1月1日以降からの所得が対象となります。では、実際に働く女性たちの中でも既婚女性たちは、この見直しについてどう感じているのでしょうか。賛成か、もしくは反対なのか?

これについては、日本FP協会の2017年度調査で既婚の働く女性を対象に、「年収要件が150万円に引き上げられることを評価するか」という質問をしています。結果は次の通りでした。

・評価する :46.3%
・評価しない:11.1%

この結果は、正社員・職員、契約・派遣、バイト・パートという就業形態別で見ても、「評価する」が40~55%、「評価しない」が7%~12%とおおむね変わりません。

既婚女性にとって、配偶者控除の制度変更は自身の働き方も変える可能性もある重大な問題です。そしてその評価も、半数近くが好意的に受け取っているといっていいようです。この配偶者控除の制度変更が、女性たちの働き方に今後どのような影響を及ぼすことになるか、注目していきたいところですね。

次回は「新配偶者控除でも『働き方が変わらない』」をお届けします。

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