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【連載】「マネー相談は人生相談。女性FPたちのホンネ日誌」

#21 乳がん告知を受けたのに、保険がおりない。重すぎるお金の不安の解消法

タケイ啓子のつぶやき【前編】

あまり表に出ることのないファイナンシャル・プランナー(FP)という職業の女性たちに、普段どんな相談を受けているのかリレー日誌形式でつづってもらう連載。FPタケイさんのもとを訪れたのは、乳がん告知を受けたばかりの女性でした。がん患者とその家族へのサポート体制は徐々に整えられてきていますが、まだまだ充分とは言えず、お金の悩みをかかえる方も少なくない、ということが伝わってきます。

健康診断でしこりが見つかり、乳がんが発覚

その日筆者のもとに訪れたのは、38歳の会社員の女性でした。

結婚して7年、ご主人と保育園に通う息子さんと3人暮らしとのことで、ちょっと見たところでは病気であるとはわからない様子です。ところが会社の健康診断で乳房にしこりが見つかり、再検査をしたところ乳がんであることがわかったのです。

彼女が治療のことと同じくらい心配になったことは、お金のこと。何でも話せる友人に病気のことを打ち明け、お金の心配もあると話したところ、それならファイナンシャル・プランナーに相談しては、とアドバイスされてやってきたのです。

抗がん剤治療にかかるお金は1回8万円

「病院では抗がん剤治療には1回で8万円かかると言われました。通院で治療をしますが全部で8回の予定で、その後に経過が良ければ入院して手術をします。保険に入っていたのに、問い合わせをしたら出ないと言われてしまいました。住宅ローンもあるし、息子は来年小学校に入学だし、仕事をやめたら治療費だけではなく、他の支払いもできなくなってしまうかもしれない。どうしたらいいでしょう……」

実は筆者もがんの経験者です。抗がん剤治療も手術もして、仕事もしてきました。大丈夫、乗り越えられますよ、とお話ししたら少し安心していただけたようでした。

まずは、治療に関する公的保障の確認からスタートしました。

ファイナンシャル・プランナー, タケイ啓子, がん (写真=Pressmaster/Shutterstock.com)

まずは公的保障の確認から

がんの治療に限らず、保険診療であれば、ひと月に支払う治療費の上限額が定められています。これは「高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど)」と言って、一般的な収入の場合(標準報酬月額28万~50万円)、上限額はひと月で9万円ほどです。

彼女の治療計画では、3週間に1度の抗がん剤治療が8万円、その翌週には経過を見るために通院をするのでひと月で上限額を超えるでしょう。超えた分は払い戻されることになっています。

なぜ、保険はおりなかったの?

さらに、直近12カ月で高額療養費制度の対象になる月が3回あったら、4回目からの上限額はさらに抑さえられて、4万4400円になります。予定通りに治療が進めば、4回目以降の抗がん剤治療や、入院・手術の治療費上限額は4万4400円ですからかなり負担は軽くなります。

「これならなんとかなりそう。でも、せっかく保険に入っていたのに、出ないのは痛いな」とのこと。そこで、加入している保険証券を見てみました。(後編に続く)

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