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老後資金は賢く貯めよう。税金を減らせる「個人年金保険」の活用法

先取り貯蓄も税金を減らしながら行うのが賢い方法

人間は意思が弱いので、お金を貯めようと思っても「来月からにしよう」と先延ばししたり、三日坊主ならぬ一ヶ月坊主となったりが起こります。そこでオススメしたいのが「先取り貯蓄」の仕組みの活用です。つまり、口座から自動積み立てを活用するということです。そしてそんな先取り貯蓄も税金を減らしながら行うのが賢い方法です。

今回は、個人年金保険の活用法について解説します。

個人年金保険を活用した場合、しない場合

まずは事例で確認してみましょう。

節税大好きA子さんは、「個人年金保険」を利用して毎月3万円積み立てることにしました。一方、B美さんは、「個人年金保険」を利用しないで毎月3万円積み立てることにしました。

仮に20年間積み立てた場合、二人とも720万円は貯めることができますが、個人年金保険では、所得税は、年間8万円以上の保険料を払い込んでいれば4万円の「個人年金保険料控除」が受けられます。また、住民税は、年間5万6001円以上の保険料を払い込んでいれば、2万8000円の「個人年金保険料控除」が受けられます。仮に所得税率が10%である場合、住民税(一律10%)と合わせて、1年間に6800円の税金を払わずに済みます。

A子さんは、20年間では、13万6000円得られることになりますが、個人年金保険を活用するかしないかでこんなにも変わってきます。

そもそも個人年金保険って何?

個人年金保険は金融商品としては貯蓄と似たような性質があり、毎月一定額の掛け金を払い、保険会社はそれに一定の利息をつけて積み立てます。設定した年齢になれば、その積立金を受け取ることができます。保険料払込期間中に死亡した場合は、死亡給付金を受け取ることができます。

年金の種類は「終身年金」「有期年金」「確定年金」の3種類があります。

・終身年金…一生涯年金がもらえる
・有期年金…一定期間だけ年金がもらえる(死亡しても遺族が年金を受け取れる)
・確定年金…5~15年程度の決まった期間だけ年金がもらえる(死亡しても遺族が年金を受け取れる)

個人年金保険の利率は、他の金融商品に比べて決して良いとは言えません。銀行に預金した時と同じか場合によっては悪いこともあります。でも、先述の通り、個人年金保険に加入することにより、「個人年金保険料控除」という所得控除を受けられるようになるため、節税のメリットを踏まえると有効な金融商品です。所得控除とは、所得税を計算する元となる所得額から減額できることです。

個人年金保険控除とは

年間8万円以上の保険料を払い込んでいれば、4万円の「個人年金保険料控除」が受けられます。また、住民税は、年間5万6001円以上の保険料を払い込んでいれば、2万8,000円の「個人年金保険料控除」が受けられます。所得税、住民税合わせて6万8,000円の所得控除が受けられます。しかし、この金額が最高額ですので、これ以上掛け金を増やしても控除額は増えません。つまり、年間8万円以上の保険料払い込みは節税のメリットがなくなることを指します。

個人年金保険料控除の計算方法は表でまとめておきます。

![個人年金保険,老後資金]画像縮小 (画像=Mocha)

なお、個人年金保険料控除を受けるには、個人年金保険に「個人年金保険料税制適格特約」を付加しなければならないので、加入しようとしている個人年金保険にこの特約が付加されているかどうか確認しましょう。

【「個人年金保険料税制適格特約」の条件】
(1) 年金受取人が契約者またはその配偶者
(2) 年金受取人が被保険者と同一人
(3) 保険料の払い込み期間が10年以上(一時払の契約は付加できない)
(4) 年金の種類が確定年金の場合、次のすべてに該当すること
 ・年金支払開始日における被保険者の年齢が60歳以上
 ・年金保障期間が10年以上

注意点

個人年金保険は、預貯金のように自由に払い出しができないというデメリットがあります。ですが、老後資金の準備として活用すれば問題のないデメリットでしょう。

また、保険会社によっては、個人年金保険の契約者貸付制度を設けている会社もあります。解約返戻金の範囲内で何度でも借り入れを行うことができます。契約者貸付の利率は、会社によって異なりますが、2%〜3%としているところが多いようです。

ただし、借りるだけ借りて返済をしないでいると、返済額が解約払戻金の額を超えてしまうことがあり、そうなると保険そのものが失効してしまいます。返済すれば保険を復活させることはできますが、その時には返済額もかなり高額になっていることに注意が必要です。

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高山 一恵
(株)Money&You取締役/ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー(CFP)、1級FP技能士
慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。全国で講演・執筆活動・相談業務を行い女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。趣味は買い物、旅行、映画、観劇、カフェめぐり、パフュームライブ、写経、ダーツ。著書は「税金を減らしてお金持ちになるすごい!方法」(河出書房新社)、「35歳までにはぜったい知っておきたいお金のきほん」(アスペクト)など多数。 FP Cafe運営者

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